表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フリースタイル  作者: カブリネコ
過去の後悔をふりきって
40/71

勝利の余韻

 海生が勝利した試合が終わると、海生の試合を観戦していた幸隆が走りよってきた。


「すごいじゃないか海生。デビュー戦でフォール勝ちなんて」


 海生は照れながら幸隆に返答を返す。


「そんなこと無いよ。幸隆の方が凄いじゃんか」


「んーん海生は凄いと思うよ?」


 美優も海生の試合を見ていたらしく、すぐ近くまで来ていた。


「普通はじめての試合で、はじめて一ヶ月であそこまで完璧に技を決められないよ。幸隆の方は実質二ヶ月多く練習してることもあるし、さすがだったけど」


 照れ臭さが頂点に達した海生は、その場から急いで離脱しようとする。


「あ、あんまり調子にのせないでください。それで失敗するたちなんですからっ……トイレ行ってきます」


 トイレへ向かった海生を見送りながら美優が呟いた。


「海生可愛いな」


 それに対して幸隆は、


「俺男だけどそう思います」

 と答えた。


 幸隆は気づいていない。その言葉は必要以上に美優を喜ばせることを。


  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ふぅ」


 幸隆と美優の誉め殺しから逃げた海生はトイレで一息着いていた。


「俺、勝ったんだ」


 口に出してみて実感が沸く。そして思い出す。

 試合に勝った瞬間を。


 嬉しかった。今まで味わったどんな瞬間よりも。

 自分の力で掴みとった。自分だけの力で掴みとった。


「くうっ!辞められないよこんな嬉しさ味わったらもう」


 今胸を張って言える。レスリングが好きだと。バレーボール部で味わえなかった感動を、今海生は味わっている。


 まだ個人戦は終わらない。次の試合に向けて、気持ちを新たにした海生だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ