表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/15

第10話 高校入学、不登校、中退あるいは不滅の黄金(9)

 古本屋の駐輪場に自転車を置かせてもらい、先生の車で家へと送ってもらった。

 途中でファミレスでごちそうになってしまった。

 「何か食べた?」

 「いえ」

 「じゃあよろうか」と。

 食べた料理は覚えていない。

 私を探してあちこち見て回ったと言われた。

 申し訳なかった。

 恥ずかしかった。

 家に帰ると父親がいて、叱られた。

 私は「もう放っておいてくれ」と言った。

 これからどうするんだ、と聞かれて答えられなかった。

 何も答えられなかった。

 色んな人に迷惑をかけてしまったのは確かで、それは心から申し訳なかった。

 先生は私と父親の言い合いの近くで正座をして凄く困った顔をしていた。

 本当に申し訳ない。


 別の日に改めて話し合いの場が設けられた。

 私はそこで学校を辞めます、と伝えた。

 留年はしないと。

 先生と学年主任は、残念です、というような事を言った。


 最後にまだ机の中に残っているという私物を取りに向かった。

 誰もいない教室、私の机の上には何故かトイレットペーパーのロールが置いてあった。

 誰が何のために置いたのか分からない。

 なんだったんだろうか?


 私と父親は校舎を出て駐車場に向かった。

 11月の午後だった。

 先生がやってきて私に「頑張ってね」と言った。

 私は「はい」と答えた。

 車に乗った。

 走り出した車の中から振り返ると、先生が学校の敷地から道路に出て、こちらを見つめているのが見えた。

 私は先生を見た。

 車が曲がり角に差し掛かった。

 校舎も先生も視界から消えた。

 先生とはもうそれっきり会う事はなかった。


 13年後、私は再び学校にやってきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ