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詩集:アカネとコガネ

シオリ

作者: 歌川 詩季

 (しおり)なくて、てきとうなものを挟んじゃう。

 爪に火を(とも)して暗闇を歩けって

 神さまの言いつけを守れずに

 くすり指まで焼け落ちてしまったら 右足は止まる

 

 片側3車線のイバラの道なんか虹色の歩道橋で

 横切ってみせてたあの頃は怖いもの知らずだったね


 人生でいちばんいい瞬間に(しおり)をはさんどいて

 飽きてしまうまでコンテニューできたのなら

 そのあとのチャプターはぜんぶスキップするのさ

 流れ落ちてくテロップを

 きみとの枕からぼぉっと見ていたい



 (うり)に朱がさすから包丁を入れたんだ

 神さまの言いつけを破っても

 ()れた果実をほおばってしまったら 鼓動は早まる


 角度浅い斜線と蛇腹の笛だけが夕焼けの地平線で

 きらめいてやまないあの頃を今じゃ恐れているくらい


 人生でいちばんいいシーンには付箋(ふせん)をはりつけてよ

 擦り切れちゃうまでリプレイを楽しむけど

 そのあとの結末はおよそメリーバッドエンド

 (こぼ)れ堕ちてくシロップは

 ぼくの(まぶた)からつうっと糸を引く

 てゆうかまず、(しおり)をてきとうなとこに挟んだまま、失くしちゃう。


挿絵(By みてみん)

制作:ひだまりのねこ先生

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― 新着の感想 ―
せつないです。 栞や付箋をはさんで繰り返したいと思った時点で、おそらくは上手くいっていない状態……。 >瓜に朱がさすから包丁を入れたんだ ここ好きです。 1と2の歌詞の対比もいいですね(*´꒳`*)
偲檻の詞織り
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