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Numerous Divided Life ニュマラスディビデッドライフ  作者: 靄然 翠
<序章 遡りし時間に住まう者・上>
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8話『とりあえずの目標』

 あのあと、奥に進んだ俺たちは依頼を達成することができたものの、結構深くに来ていたらしく迷子になっていた。


「そもそもここどこだよ」


「俺に聞かれてもなぁ。二人とも迷子になってんだし。それと『だ』以外子音同じでキモイからやめろ」


「浅はかな魚」


「ディグニ、頭冷やせ」


 そんなしょうもないやりとりを繰り広げていると、木の隙間からなんらかのオブジェクトが見える。


「なんだあれは」


 そう思い二人はそこに近づく。


 それは神殿のようなもので、真ん中に円状の広場があり、それを中心として周りに八つ柱が建てられている。真ん中の広場の上にクリスタルがあり、煌々と輝いていた。そして、柱の上には鏡を持った像がおり、そのうちの四つはクリスタルの上を、残りの四つはクリスタルに日光を当てていた。しかし、その日光をクリスタルに当てている四つのうち、対角線の二つは汚れていないのに光を失っていた。


「すごいな」


 この八つの柱、おそらくストーリーに関わってくるやつだろう。確か八方位のうち北東・南東・南西・北西に現状のボスがいて、現在は南東と北西のボスは倒されてるんだっけな。


 そう、この世界にはWorld Boss Monster。略してWBMというものがいる。それぞれ(うしとら)(たつみ)(ひつじさる)(いぬい)が現在当てはまる。そのうち、艮は大規模クランが所有、もとい、占領しており。坤は見つかっていない。


 んで、この柱。おそらく、うちと合わせて作ってるから帝国か盟国の時で⋯いや、間の時か。で、多分⋯


「痛っ」


 色々と思考をしていると、ノーシュに叩かれる。


「さっきから呼びかけてるだろ」


「まじ?ごめん。で、どうしたんだ」


「あの台座見てみろ」


「台座?」


 そういうと、ノーシュが体を横にずらす。そこには石造の台座があった。近づいてみると、円形の窪みがあった。


「これがどうかしたかよ」


「これ、歪時開路に似てないか?」


「確かに」


 俺は歪時開路を取り出し、窪みと合わせてみる。


「入るな」


「入れるか?」


「入れてみようぜ」


 歪時開路を入れる。


「⋯⋯何にも起きねぇな」


「勘違いだったか。すまんな」


「謝ることじゃねぇよ。何事もやってみなきゃわからねぇからな」


 歪時開路を外そうとする。


ガコン


 すると、歪時開路が入っている台座が変形して蓋を作り地面の中へ入っていく。


「な、なんだ?」


 円状の広場の端に溝ができ、そこからこの中を囲むドームが出来上がる。そしてガラスにヒビが入るような音を出しながら視界の映像がパラパラと剥がれ落ちていく。その剥がれた先には何もなく、真っ暗な空間が広がっていた。


「ディグニ、これ大丈夫なのか?」


「おそらくな。なんらかのイベントが発生したんだろ」


「そうか」


 そして、視界が完全に黒くなる。なにも聞こえず、何にも触れることはないが地面はあり、周囲を見渡すと遠くの方に光が見えていた。


 光の方へ向かうのが無難だよな。


 俺は光の方へ向かっていく。その光は近づくにつれてだんだんと大きくなる。俺は、あと一歩で光の中に入れると言うところまで近づく。


 外の世界がここからじゃ見えないってとこは少し怖いが、入らないと始まらないし。入るか。


 光のなかへ足を踏み入れる。そこは、先ほどまでと同じ場所であるが、ドームの外は光り輝いて何も見え無くなっていた。目の前にノーシュもいるので安心したが、ノーシュが一点を見続けてるため、そちらの方を見る。そこには近未来の技術で作られたような甲冑とそこそこ大きめの盾と剣を持った騎士らしきものが立っていた。


「なんだ、あれは」


 ノーシュがそう呟くと騎士が口を開く。


「初メマシ⋯コレジャ聞キ取リニクイカ」


 騎士が甲冑の顔の部分に触れると顔の部分の甲冑が無くなり。中年の男が出てくる。


「初めまして、未来の子よ」


「「初めまして」」


俺らは咄嗟に挨拶を返す。


 未来の子?


「私の名前はイポティス。過去にあるものに敗北し、同じことにならないように過去から来た」


 なるほど、だから未来の子か。


「誰に負けたんだ?」


「私は██に負けてここに来た。近いうちにまた現れる。そのときのため、君たちには私に勝ってもらう。もちろん今の君たちでは私に勝てないからもう少し強くなってからだけどね」


 名前の方はシステムに邪魔されたな。


「分かった。じゃあ、強くなったら来るよ」


「できれば圧倒して欲しいな」


「2体1や3体1とかでもいいのか?」


 ノーシュがそう問う。


「別にいい。私を倒せるならね」


「分かった」


「では元の次元に返すよ」


 イポティスが地面に剣を刺し回す。すると、地面から光が立ち上り視界を覆い尽くす。


 気がつけば元の場所に戻っており、手には歪時開路が握られていた。


「かえりはよいよい、いいくときこわひ。だな」


「何言ってんだ?」


「ほら、あるじゃん?いきはよいよいかえりはこわひって」


「あるな」


「今回は行きの方が怖いやん?だから」


「なるほどな」


「帰るとするか」


「帰り道はどこだよ」


「それなんだが」


 ディグニが上を見上げると、もう一つ鏡の光が消えていた。


「消えてる」


「何が?」


「あいつらが持ってる鏡の光が。おそらく北東か南西の方角にいたやつだ」


「なら南西だな。北東は色々面倒だから」


「なるほどな。じゃああっちが帰り道だな」


 二人は街へと帰る。


◆◇◆◇


 それから俺らはクエストの報告をし、証明者が変わる。俺がブロンズ、ノーシュはアイアンに位が上がり受けられるクエストが増える。


 それから、今日はもう遅いのでノーシュとは別れ、今日の戦利品を雑貨屋等に売りに行く。クエストの報酬も合わせて12500Gになる。


 ゴブリンウォーリア系統が高く売れた。


 そして、近くの宿屋にリスポーン地点を変更しログアウトする。


「初日の数時間で結構色々やったなぁ。二時間以上休憩なしでしたけど、規約は

『結局自己責任だから私たちは知らないよ』宣言だから無視しても構わんだろ」


 楽しかったな。今後の目標はとりあえずあいつを倒すためのレベルアップだな。色々策を練りたいけど、今日はもう眠いし、寝るか。


 凛はベッドに入り眠りにつく。

これにて序章は終了です。今月中に終わらせたかったんでゴブリンウォーリアとかいう、何故進化してこうなったのか僕にも分からないモンスターはカットしました

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