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Numerous Divided Life ニュマラスディビデッドライフ  作者: 靄然 翠
〈第1章 水面に映りし月の影〉
88/90

72話 『月が落ち、島は上る』.80

◆◆◆◆


「さすがだ」


 ノーシュとアルクスが作ってくれたこの好機を潰す訳無いよな。


「ウルフ行くぞ」


 落ちていくダームンラインへと向かう。


「ノーシュ!」


 ノーシュが俺とウルフに【跳躍空気板】と【圧縮空気板】で道を作る。前へ、上へと駆け上がる。


 20m


 15m


 10m


「上に」


 俺の合図で、ノーシュが足元に跳躍空気板を出し最後の跳躍を行う。


 そして、俺より上を走っていたウルフも跳躍をする。


「ウルフの上に跳躍を」


 ウルフがそれを蹴り、加速した勢いで俺をダームンラインへと蹴り飛ばす。


 昔、ダブルスで見たことがある相方を飛ばしてダメージを上げる方法。


「【堕天】」


 最後に放つは命を賭した攻撃。


【堕天(ドライブ・ア)使の烈火の(・ネイル・イントゥ)灯火】(・ワンズ・コフィン)


 HPを1だけ残し、現状最大火力の攻撃を浴びせる。


『討伐 ダームンラインLv□□□』


『Level up Lv30→Lv50』


『HPが400になりました。STRが300になりました。DEXが120になりましたAGIが220になりました。VITが350になりました。STMが180になりました』


『一定条件取得。フェルサタンが前期最終進化を行います』


『昇天が熾天使(セラフィム)へと変わりました。堕天が青焔魔(サタン)へと変わりました』


『スキルが追加されました』


━━━━━


【空圧防盾】


【衝突盾壁】


【加重力】 


【点中重】


【槍貫】


【衝翔波】


【飛翔盾弾】


【完全防御空間】


【半能両断】


【光剣】


【身体強化 Lv.MAX】stand-by


【限界突破】


【脚筋力強化】

━━━━━


 【身体強化 Lv.MAX】を選択。


『進化可能状態です。進化しますか?』


 はい


『作成を選択。スキル【身体強化】とスキル【限界突破】が融合します。スキル【酷使無双】に進化させます』


 ついに役満か、てか融合?そんなのできるのか。まぁそれはさておき。


「決着だな」


「ちょっと休憩してこうぜ」


 ダームンラインの体は兄さんの要望で残したままにしている。なので解体するために持って帰らなければならない。このデカブツをだ。

 正直に言うと面倒くさいが、その辺はアルクスがしてくれるのでありがたい。

 というわけで、一旦ログアウト。


「なかなかに手強かったな」


 多分、これ戦いを小説にすれば、見ている側からすれば呆気なく終わっているのだろう。だが、戦った本人である俺からすれば相当しんどいものだ。

 対人ゲームは結構やるが、モンスターと戦うことが少ない俺からすれば尚更。コントローラーで戦う系のゲーム⋯⋯一昔前のゲームなら結構できるんだが、VRだと疲れる。

 想像してみればわかる。現実に数メートルの化け物がいて、それと戦う光景を。


 そんなことを考えつつ、コップに氷を入れ水を注ぐ。氷にヒビが入る音を聞きながら口元に持っていき喉を鳴らせながらそれを飲み干す。


 やはり、水は冷たいものに限る。


 トイレを済ませ、部屋に戻ってみればスマホから着信音が鳴っているのに気付く。



弓弦(ゆづる)



 あれ、どうしたんだ。


「もしもし?」


「おい、ディグ⋯⋯凛。早く戻ってこい」


「わざわざ言い直さなくても⋯⋯。で、どうしたんだ?まさかダームンラインが生き返ったとか?」


「そんなしょうもないことじゃない」


 いや、しょうもなくはないだろ。


「島が、上り始めた(・・・・・)


「は?」


◇◆◇◆


 数分前、エフメリアによって壊滅させられたクランの拠点の横を通り、歩いている3人の影がある。


 1つは前述したエフメリア・グラウベン。そして、靄然 翠とディルクルム・ブラック。


 その場はバイオームで表せばサバンナのはずなのに、三人が歩いている所の周りの木には桜が咲いている。


 三人が向かう先には、牛の角に虎の身体、2m近くの巨体を持つ、二足歩行のモンスターが立っている。


「一応、解放を見ておくか?」


「見たいっちゃみたいな。俺は見た事ないし」


「僕も、見るだけなら見てみたいね」


「了解。なら、翠がやれ」


「おっ、譲ってくれるのか。ありがたい。拳同士でやり合って見たかったから」


 靄然が土を蹴り、STRに依存したスピードで、艮へと肉薄する。


 圧倒的膂力を持った拳が、艮へとぶつかる。

 艮が反応するよりも前に、解放への条件を満たす。


「AHHHHHHHHH」


 艮は前かがみになり、腕と脚が数倍になる。


「獣って感じだね」


「一発受けてみる」


 艮の拳と靄然の拳がぶつかる。先程よりも膂力が上がった艮の拳は靄然の拳に打ち勝ち、靄然の体が後方へと傾く。

 それを好機とするように、艮が靄然の腹に頭突きを入れ、靄然の体が数十メートル飛ばされる。


「ちゃんと強いね」


「翠、もういいか?」


「あぁ大丈夫だ」


「うぃ。【解放】」


 ディルクルムが契約書のようなものを取り出し、スキルを宣言する。

 トッププレイヤーの数人は国から力の制限を出されている。生態系への配慮が目的だ。

 強さで言えば上位ジョブを持っているものの方がトッププレイヤーより強いが、それでも生態系を壊しかねないので制限をかけているのだ。


「【一文字】」


 その攻撃によって、艮の体は吹き飛ばされる。


 次の瞬間。島が上り始める。


第1章 水面に映りし月の影 [完]

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