69話 『否定』.77
えっとですね⋯⋯普通に早くに寝て書く時間がなかったです。
突如、目の前に矢が現れる。
ダームンラインが翼を回すより速く、その矢が俺に向かって来て、フェルサタンに当たる。
そして、そこを中心に爆発が起きる。
「うわっ」
爆発によるダメージはある程度防ぐことができたが、爆風が俺を襲い、後方へと吹き飛ばされる。
ダームンラインは、その爆風をもろともせずに、俺のいた場所を斬り裂く。しかし、爆風によって離脱していた俺にその翼が当たることはなく、空を斬るだけに終わる。
吹き飛ばされた俺の体は、ノーシュが出した跳躍空気板にうけとめられ、地面に叩きつけられずに済む。
「ナイスノーシュ。それと、アルクスも。一応助かった。爆発で死ぬかと思ったがな」
「死なないって分かって射ってるから大丈夫だ。それより、なんだあれは」
「俺が知るかよ」
アルクスの質問にそう答える。
俺も兄さんに言われてきてるだけで、こいつのこと知ってるとかいうわけじゃないんだわ。
「こん中に、あれにダメージ入れられる程のダメージ出せるやついる?」
「弓でそこまでできたら苦労しないよ。水滴は岩をも穿つとは言うけど、一体どれだけの矢と時間が必要か」
「俺はあるにはあるんだがな」
「堕天か」
「あぁ。けど、HP消費がどれだけ必要になるか分からない。確かに、10倍のダメージを出すことができるが。当たらない可能性もあるし、なにより、その後に反撃されたらやられる。だったらちまちまやってる方がまだいい。それか⋯⋯」
「それか?」
「MPの前借りを行う。MPを前借りして、あの翼を壊すことができなくは無い。けど、その後俺はMPを使えなくなる。ハイリスクハイリターンがすぎる」
MPのキャパを超えてMPを保持することは可能だ。しかし、それは1㎥のダンボールに2㎥のものを収めるようなもの。ダンボールをぶち壊して中に入れてるわけだ。直さない⋯⋯直らない限りものを入れることはできない。ダンボールは補強すればまだ使えるかもしれないが、MPはそうはいかない。そもそもの貯める機能が壊れるわけだからな。
そうなると、普通に考えてどちらも無しだ。
アルクスはサポート、ノーシュは攻撃もできるがダメージ量で言えば俺の方が上だ。
武器のよっては、それも変わるだろうが⋯⋯武器によって?
「おい、ノーシュ。あれなら行けるんじゃないか?」
「あれって?」
「日神月鬼だよ、日神月鬼。あの翼が余程特殊じゃない限り、溶かすことができるんじゃないのか?」
「それはありだ」
決心したら即やるべし。アルクスと俺でノーシュを援護し。ダームンラインへと届ける。ダームンラインの攻撃を鋼灰塔盾と神樹軽盾で俺が防ぎ、防ぎ切れない攻撃はアルクスが弓でダームンラインの頭を狙うことで発動できなくさせる。
そして、一気に肉薄したノーシュがその翼を斬る。
読み通り、大して特殊な訳ではなく普通の金属だった様で、日神によってその翼が溶け斬られる。
翼の下部が消えたことで、ダームンラインが高度出すことができなくなり、高度が下がってことと翼の下部が無くなったことにより、下側が狙いやすくなる。
足と下腹部を狙い、俺とアルクスが攻撃を放つ。1対3で、それぞれの得意分野戦うことでNOMと対等に戦うことが⋯⋯対等?
NOMはある程度の強さがあるんだろ?少なくとも兄さんが戦ったという坤と同程度かそれより強いはずだ。兄さんが本気を出していなく、何らかの影響で力が抑えられていたとしても、兄さんに張り合えた奴だぞ?
あっ、これに関しては行きしなにアルクスから聞いた。
それと同程度か強いはずのコイツに、なぜ俺らは張り合えてるんだ?
俺がそう思った直後、小さな空気のツルギが俺たちの体を斬り刻む。
ノーシュが構わずに斬りに行く。
その時、翼が銀色から透明へと変わる。
「おい待て」
戦っている間、ずっと俺の中にあった違和感。
なぜアイツ、もといダームンラインはMPが貯まっていたら光るという効率の悪い───光を出すのにもMPを使っているだろうからな───作りになってるのか。そして、さっきの風の攻撃。あれは魔法だ。
その時⋯⋯いや、その前に体の中心は光っていたか。否、光っては居なかった。とすれば、あの腹はMPの貯蓄量なんて関係ない。あいつ自身で、あいつの思考で、光らせている。
そして、今。あいつは翼を元に戻した、とすれば⋯⋯
ダームンラインに飛び込むノーシュの形が黒く浮かび上がる。




