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Numerous Divided Life ニュマラスディビデッドライフ  作者: 靄然 翠
〈第1章 水面に映りし月の影〉
76/76

60話 『決勝戦・下』.68

Numerous Divided Lexicon NDL保管庫を作りました。これからは本編とは関係ない話(夢裡に誘うは未申の怪や新年スペシャルなど)はそっちに投稿しようと思います。

キャラ設定や本編に関わる小話はこちらに投稿しますが。

王兎がアルカードに対して肉薄。それに対し、アルカードがスキルを使わず数発撃つも、先ほどと同様に装甲に弾かれる。


 それに合わせ、キルが餓亀に向かう。そして攻撃を当てるも、装甲に防がれ攻撃が通らない。


 現在、この状況で有効なダメージを受けてしまうのはアルカードのみ。それに気付いたアルカードは逃げ出す。されど、それに対し王兎が肘打ちを飛ばし逃げるのを防ぐ。

 さらに体を屈める。すると、王兎の背中についているボンベらしきものから足まで延びた管に何かが流れ込む。そして、王兎が足を伸ばすと弓のように王兎の体が飛び出し、アルカードの前に行く。


「そのままいればよかったのに」


 それに対し、アルカードが両腕を前に突き出している。


 来ると気付いた王兎はフックでアルカードの銃口をずらす。しかし、完全にずらしキレているわけではないので両腕と左足を胸の前まで持ってくる。


(【咆哮の二重螺旋】)


 それにより、王兎の装甲が剥がれる。


(よし、今d⋯⋯あ?)


 アルカードが装甲を剥がしたその直後、瞬く間に王兎の装甲が修復される。


「ある程度の強度はあるんだけどねぇ。壊れるものは壊れるんだよ。だから修復機能がついてるの。もちろんコストはかかるけどね」


(なるほどな。なら)


「キル!リプレイスメント」


 アルカードのその声に、王兎が再び身構える。

 アルカードが出したのは昨日、ディグニがルーベルに渡した酒を作るために使った〈記録された魔法〉(マジックメモリー)のスキル版。〈記録された技能〉(スキルメモリー)


 本来はスキルを使うことができない魔法職用に用意されたもの。しかし、そのスキルを使用できない⋯⋯例えば職業をとっていない者(・・・・・・・・・・)が使用する。


 アルカードが持つ〈記録された技術〉は、支援職守護家系統上位〔受被者〕(ヴィクティメクト)のスキル。仲間と自分の位置を入れ替える【交代(チェンフル)】。

 〈記録された技術〉を使用し、アルカードとキルの位置が変わる。


 王兎にとって現在のキルは強敵。王兎は下がることを余儀なくされる。


 キルに代わり、餓亀の前に立つアルカードは所持する武器を変更。サブマシンガンに変えて一気に攻める。

 銃が何丁もあるわけではない。いずれは底を尽きる。試合中の体は本体を模倣して作られたコピーなので、試合外のことは無視していいが、試合中はアイテム含め持ち越しである。そのため、先ほどの試合で無理をさせた銃を使うことはできない。先ほどの試合ではリロードを行っていないので弾薬はあるが、リロード時間を無視した乱発がしにくい。必ずリロードの隙をつかれるだろう。

 ちなみに体力等は回復される。


 準決勝第一試合を消耗なしでこなした王兎達に対して、拮抗した戦いを見せたアルカード達は、所持品の点で不利である。


 連写を続けている間に、弾が入ったサブマシンガンの残り数が少なくなっている。アサルトは先ほどの試合で一本を残し使い切っている。サブマシンガンをリロードするか、アサルトに持ち替えるか⋯⋯アルカードはほとんど思考せずに行動に移す。


 アサルトへの切り替え。


(最高率でリロードを行う。すでに押せる準備はしている。あとはどれだけ早く変えれるかだ。5、3、1。今!)


 残り弾数を数えながら、タイミングを見計らいアルカードがリロードを行おうとする。アサルトの猛攻により、餓亀はその行為を止めることはできない。


 故に、動いたのはこの男。キルから逃げながら、王兎がアルカードの腕を狙う。それにより、アルカードはマガジンを落としてしまう。


 その状況にアルカードは焦ることなく、新たなマガジンを出してリロードする。そして銃口を餓亀に向け撃つ。しかし、餓亀はそのすべてを自らのNOWで防ぐ。


 その間にもう一度、弾切れが起こる。アルカードがリロードをし始めた瞬間。アルカードの眼前に、自分が先ほどまで打っていた弾丸と同じ口径のものが飛んでくる。アルカードはそれをギリギリで避けながらリロードをこなす。


 同じ口径の弾丸。それもそのはず。なぜなら、アルカードが使っていた⋯⋯いや、使おうとしていたものなのだから。


 ふとアルカードが下を見る。すると、足元に落ちたはずのマガジンが消えていた。


(落としたやつを使ったのか)


 飛んでくる球の数を数える。使っているマガジンが同じであれば、弾数も同じ。全部避けきり、撃ち終わりを狙う。段数を気にしているのか、間隔も長い。こなせるだろう。


 アルカードがそう判断し、行動に移す。弾数を数え、避ける。そして、最後の弾を撃ったことを確認した瞬間。一気に餓亀へ攻める。そして、破裂音と共に、右頬を何かが横切る。


 アルカードの思考が一瞬だけ止まる。その一瞬が命取り。先ほどとは比べ物にならない速度の銃弾がアルカードを襲う。


 餓亀は先ほどの間に覚えたのだ、銃弾の形を。そして、現在、自らのNOWを使ってそれを作り出す。残弾数を無視した連発。銃身は壊れた側から修復し、弾も常時作り出される。


 その状況を前に、アルカードが取った行動は武器の変更。所持するはショットガン。されど弾は入っていない。形は先端が少々ラッパ状になっているショットガン。


 アルカードは弾幕を無視して肉薄。途中で砂を掴み、銃口に入れる。

 餓亀の前まで近付き、引き金を引く。そこから出るのは致死性のあるものではない。出てくるは砂埃。それにより餓亀の視界が奪われる。その時間にアルカードは追い打ちを掛けるのではなく、リロードをする。


 高速でのリロード。先ほどは邪魔される環境下にあったため失敗したが、現状ならば連続でのリロードも可能。サブマシンガンは無視してアサルト系統のリロードを優先する。

 所持しているアサルトの2/3のリロードを終えた時、餓亀の視界も戻る。そこを狙い、パンテラを構え


【百獣王(レオレギス)の咆哮】(・ルギトゥス)


 自らの体を蝕む咆哮を、今度は両手で放つ。

 片手で、しっかりと構えずに撃てば腕が吹き飛ぶ咆哮は、両手で構えて撃つことで、反動で後ろに下がるだけに済む。


 その攻撃を防ぐために、餓亀は黒塊で身を包む。

 それを機にまたもリロード。決着に向けて準備をする。


 黒塊の中に身を潜め、アルカードの百獣王の咆哮を防いだ餓亀はどうするか悩む。

 餓亀にはアルカードを潰す策がある⋯⋯なら、使わないという手は存在しない。


 突如、餓亀を覆っている黒塊がアルカードに向かって飛んでくる。アルカードはそれを避けるために後ろへと下がる。

 黒塊はそのあるカードを追尾するように動く。

 逃げているだけでは意味がないと感じたアルカードは、先ほどリロードしたアサルトたちを構え、黒塊に向けて撃つ。


(そういえば、なんでこれ俺のこと追いかけられてるんだ?)


 そう。アルカードの黒塊には追尾機能なんてものはない。では、なぜアルカードを追うことができているのか⋯⋯それは


(もう少し右)


 至って簡単。普通に目で追っているだけ。


 ということに気付いたアルカードは、走りながら餓亀を囲っている黒塊の穴を探す。


(見つけた)


 アルカードが足を止める。


 両手にNOWを構え、穴を狙う。


 対する餓亀はNOWをアルカードの攻撃に回しているため、ガードができない。

 できることがあるとすれば、相打ちのみ。

 それに気付いた餓亀はアルカードの周りを黒塊で囲む。


「【咆哮の二重螺旋】」


(貫け!)


◇◇◇◇


数分前 キル視点


「【枯吸】」


 試合最終盤。ここに来てキルは【枯吸】と【潤湿】の同時使用を試みる。【潤湿】は【枯吸】で吸い取った潤いを使用して自分を潤す能力。対して、【枯吸】は時間経過またはMP消費で渇きをもたらす。どう足掻こうとも時間制限が生まれてしまう。

 一連の戦闘でMPをそこそこ消費してしまったキルの残りMP量で持つのは1分程度。

 しかしそれを超えても【潤湿】は切れない。【枯吸】で【潤湿】の潤いを吸い取り【潤湿】をチャージし続ける。【枯吸】が切れたとしても、【潤湿】は使用することができる。


 つまり、この一分間。キルは自分以外の全てを枯らす肉塊となる。


 攻撃の効かない相手と戦うことになり、さらにその相手が自分を倒す力を持つとわかった王兎は逃げに回る。


(厄介だねぇ。けど、時間制限があるんだろうなぁ)


 その読みは当たっている。そして、王兎自身も当たっていると確信している。しかし、いつまで使えるかわからない。ならば⋯⋯


 突如、王兎が地面を思いっきり叩く。それにより、砂が舞い上がりキルも動きを止める。

 動きを止めたのが運の尽き、キルに向かい王兎が肉薄する。


「いつまでそれが続くのかわからないけど、君の周りにもその潤うやつはついてるんだろ?」


 その予想もあたっている。念のため、自身の周りも潤うようにしている。

 そこ突くために、王兎は肉薄する。

 身を枯らす層を抜け、身を潤す層へと辿り着いた王兎。しかし、キルがそれを許すはずがない。


 剣を握り締め、その王兎を切ろうと腕を上げる。


 その首を斬ろうと首を下ろしたその瞬間。王兎の装甲が剥がれ、キルに強制的に装備される。


『召喚者認識システム起動。適正ユーザーではありません。使用を禁じ、ロックします』


 そのような音声が聞こえ、キルは一切の身動きがとれなくなる。


「剣士を舐めるな!」


 キルは【枯吸】を解除。そして、剣先に一枚の紙が現れる。


「【舜歩】!」


 装備品としてじゃない。ただの物体として人型の械獣が自分の周りを囲っているからこそ意味を為す。仲間が使っているスキルを、餓亀もしていた相棒が使っているスキルを、自らの力として使う。


 械獣の外へ出たキルが、王兎の首を狙う。


取頭(トリカブト)


 キルの刃が、王兎の首を取る。

 それと同時に【潤湿】が解ける。







─────と皆が思ったその時。


「いやぁ惜しいね。すごく惜しい。けど、それは王兎であって王兎じゃない。それは僕のNOWの最後のスキル【実在幻影(リアルミラー)】で出した幻影。つまり、君は負けたんだ」


 同時刻、アルカードと餓亀の戦いも終わる。


 最後に立つわ王兎のみ。


決勝戦 勝者・兎と亀

いつかくる、未来の話

【奪兜】



闘技場の一連の話が終わったら、話を飛ばしてボス戦に入ります。その後、闘技場からそこまでの話をし、キャラ説明を書いて1章終了とします。

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