56話 『それぞれの視点・弐 』.64
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(連れてきて正解だったかな。コンビプレイ抜きにしても、いろんな人の戦い方を見るてことは成長につながるし)
「ふたりは、ある程度目処はたったかい?」
「あぁわかりましたよ、なぁノーシュ」
「おう、ディグニ」
「「1人潰して2対1を作ればいい!」」
(いや、間違えじゃないんだけど⋯⋯そうじゃなくて、コンビネーションのとり方を考えて欲しいんだけどなぁ)
「まぁいいか」
(にしても、なかなかやるねネイルも)
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「流石、ヴェンティってところだな」
「三番目に強いってだけはある」
ボックス席ではなく、普通の観客席で見ているシリウスとディルクルムがそう話している。二人は変装して座っている。ちなみに、そこまで意味はない。強いていうのならあんまり大人数に正体がバレないようにである。
「あれ、でもシリウスってヴェンティのこと嫌いじゃなかったか?」
「いや、相性が悪いから好きではないが、実力は認めているよ。もちろん、一番強いのは私だがね」
「なるほどねぇ。まぁ、シリウスは火系統しか使えねぇもんな。その代わり、バフ・デバフ・防御・回復系統は得意だよな」
「まぁね。別に使えないわけじゃないけどね。精霊魔法があるし」
「確かになぁ」
シリウスもどちらも使えるタイプの魔法使いである。火属性以外の魔法は精霊魔法を通して使っている。魔法使いであるからこそ、MP消費には気をつけないといけないが、シリウスのMPはそうそうなくなることはない。今までに、一度か二度程度しかMP枯渇になっていない。しかも、それは初心者の時で、初めて一ヶ月を経った頃からMP枯渇は起こしていない。そして、これからMP枯渇が起きる可能性は低い。
なぜなら、これから数日後には職業が開放されるからだ。
「試合終了後、勝利したタイミングで発表って感じかい?」
「あぁそうだな」
「国王には?」
「一応話したが、今日発表ってことは伝えてない気がする」
「なら伝えてきな。歩いて行く頃には休憩時間入ってるでしょ」
「そうだな。なら行ってくるわ」
「了解」
ディルクルムが去った後、シリウスは思考する。それは、どちらが勝つかに関してである。
(ネイルっていうチームの子たちは初めて見るけど、意外と強いね。特に、アルカードっていうことは結構強め。この様子じゃあ魔滅堕威吹の方が先に死ぬかな。ヴェンティの方はわからないなぁ。彼は魔法を使ってるけど、本来は違う。彼は魔法剣士⋯⋯いや、生粋の剣士だよ)




