45話 『Let's bet』.53
◇◆◇◆
というわけで、ノーシュのところに戻ってきたんだが。
「何やってんだ?」
「んなもん決まってんだろ。短剣を買い占めてんだよ」
馬鹿なの。こいつ馬鹿なの?ホント、意味がわからん。そこまでして短剣を集める理由ってあるのか?まぁいいや。
「飯買って戻るぞ」
無理やりノーシュを引っ張る。
「はーい。あっ、その前に。賭けようぜ」
「賭ける?」
「ほら、あそこ」
ノーシュが指さす方を見てみれば、受付とその上になにかの名前と数字が書かれたものがあった。
「今日の試合誰が勝つかの賭けだよ」
「あーなるほど」
第1チーム『兎と亀』
選手:王兎華李、餓亀道
超有名コンビ。オッズは2倍。
第2チーム『国々』
選手:アニギーュニアプパ、ジーパンgoo
知ってる人は知ってるいる。オッズは6倍。
第3チーム『ネイル』
選手:アルカード・ヴァンプ、キル・ビー・キルド
無名。オッズは10倍。
第4チーム『福きたる』
選手:ああああああああああああああああああああ、魔滅堕威吹。
そこそこ強いコンビで、優勝候補。オッズは4倍。
「どれが無難だ?」
「わかんねぇな」
「無難で行くなら『福来たる』だろうな。彼らなら『兎と亀』にも勝てるだろうし」
「?!」
「やぁ、また会ったね」
「ん?ディグニ、スピネル団長と知り合いなのか?」
「いや、ちょっと仮を作っただけだ」
「仮だなんて、あれは私からのプレゼントだと思ってくれ」
「有り難く使わせていただきます」
「それはいいとして。私は『福来たる』か『兎と亀』に賭けることをオススメするよ。確実に2倍以上返ってくるからね。しかも、賭けたものが2位ならば表示されているオッズの半分を掛けた額が返ってくる」
なるほどな。
「ノーシュはどうする?」
「俺は『福来たる』に50000G、『兎と亀』に100000G賭けようかな」
あっ、そういう賭け方できるんだ。
「少年は賭け方が上手いね。名前はなんて言うんだい?」
「ノーブル・シュタークだ。ノーシュって呼んでくれ」
「そうか、ノーシュ。いい名前だな。じゃあ私は『福来たる』に500000G、『兎と亀』に1000000G賭けようかな」
いやいやいや、桁がおかしい。しかもサラって言ってるから小遣い程度っぽいぞ。怖すぎる。
「ディグニはどうするんだい?」
「俺は⋯⋯⋯『兎と亀』に50000G、『ネイル』に200000G賭ける」
「マジか」
「ディグニ。それは流石に」
「おいおいおいおい、スピネルは知らないと思うが、俺は博打打ちだぜ?このぐらいの賭けにはでないとな」
「まぁ、賭け方は人それぞれだ。じゃあ私は国王の元へ帰るよ。また今度、ディグニ」
そういうと、スピネルは帰って行く。
「んじゃあ俺らも帰りますかね」
「そうするか」
◇◆◇◆
「ん?」
ポップコーンとポテトを買い帰ろうとした時、道の奥の方に靄然さんと兄さんが居るのを見つける。
「どうした、ディグニ」
「いや、兄さんと靄然さんがいて」
「行ってみる?」
「行ってみるか」
「ディグニじゃん。何してんの?」
俺らがそちらへ行こうとした時、後ろから声をかけられる。その声は俺は知ってる声で、振り返れば予想してた人物がそこに立っていた。
「怜悧さん」
「ここではヘジテイト・ウィズダムだよ。別に怜悧でいいけど」
「誰だこの人、めっちゃ美人だけど」
「あ〜ん〜⋯⋯靄然さんの⋯⋯かの⋯⋯かれ⋯⋯う〜ん⋯⋯」
「強いて言うなら翠の恋人かな。因みに、僕は男だよ」
「ん?あーなるほど、キャラクリで変えてるのか」
「現実と変わんないよ」
「へ?」
「会ったことあるけど、ガチだぞ」
あっ、ノーシュのキャパがオーバーした。まぁ信じられないのも分かる。白髪に赤い目、白い肌に小さい体。男と言われる方が無理がある。
「彼がノーシュくん?2人はここに居るってことはボックス席だよね。けど、まだ取れないよね、誰と来たの?」
「エフメリアさんと靄然さんです」
「あ〜、翠が言ってたのディグニ達のことか。納得納得」
あっ、あの1席って怜悧さんのなんだ。
「じゃあ先戻っておこうか」
「いや、でも」
「俺ら今からディグニの兄さんたちのとこ行こうと思ってて」
「あ〜、あれね。ディグニはいいけど、ノーシュくんは行っちゃダメだね」
「えっ、なんで?」
それはそうだ。なぜノーシュはダメで俺はいいんだ?兄さんの弟だから?
「う〜ん、詳しくは言えないけど、情報を隠しながら言うならあっちで戦争があった。かな」
「ん、どういうことだ?」
「ノーシュ、お前には関係ない事だ、戻ろうぜ」
「あぁ、うん。お前がそういうなら」




