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Numerous Divided Life ニュマラスディビデッドライフ  作者: 靄然 翠
〈第1章 水面に映りし月の影〉
60/74

45話 『Let's bet』.53

◇◆◇◆


 というわけで、ノーシュのところに戻ってきたんだが。


「何やってんだ?」


「んなもん決まってんだろ。短剣を買い占めてんだよ」


 馬鹿なの。こいつ馬鹿なの?ホント、意味がわからん。そこまでして短剣を集める理由ってあるのか?まぁいいや。


「飯買って戻るぞ」


 無理やりノーシュを引っ張る。


「はーい。あっ、その前に。賭けようぜ」


「賭ける?」


「ほら、あそこ」


 ノーシュが指さす方を見てみれば、受付とその上になにかの名前と数字が書かれたものがあった。


「今日の試合誰が勝つかの賭けだよ」


「あーなるほど」


 第1チーム『兎と亀』

選手:王兎華李(おうとげり)餓亀道(がきどう)

超有名コンビ。オッズは2倍。


 第2チーム『国々』

選手:アニギーュニアプパ、ジーパンgoo

知ってる人は知ってるいる。オッズは6倍。


 第3チーム『ネイル』

選手:アルカード・ヴァンプ、キル・ビー・キルド

無名。オッズは10倍。


 第4チーム『福きたる』

選手:ああああああああああああああああああああ、魔滅堕威吹(まめだいふく)

そこそこ強いコンビで、優勝候補。オッズは4倍。


「どれが無難だ?」


「わかんねぇな」


「無難で行くなら『福来たる』だろうな。彼らなら『兎と亀』にも勝てるだろうし」


「?!」


「やぁ、また会ったね」


「ん?ディグニ、スピネル団長と知り合いなのか?」


「いや、ちょっと仮を作っただけだ」


「仮だなんて、あれは私からのプレゼントだと思ってくれ」


「有り難く使わせていただきます」


「それはいいとして。私は『福来たる』か『兎と亀』に賭けることをオススメするよ。確実に2倍以上返ってくるからね。しかも、賭けたものが2位ならば表示されているオッズの半分を掛けた額が返ってくる」


 なるほどな。


「ノーシュはどうする?」


「俺は『福来たる』に50000G、『兎と亀』に100000G賭けようかな」


 あっ、そういう賭け方できるんだ。


「少年は賭け方が上手いね。名前はなんて言うんだい?」


「ノーブル・シュタークだ。ノーシュって呼んでくれ」


「そうか、ノーシュ。いい名前だな。じゃあ私は『福来たる』に500000G、『兎と亀』に1000000G賭けようかな」


 いやいやいや、桁がおかしい。しかもサラって言ってるから小遣い程度っぽいぞ。怖すぎる。


「ディグニはどうするんだい?」


「俺は⋯⋯⋯『兎と亀』に50000G、『ネイル』に200000G賭ける」


「マジか」


「ディグニ。それは流石に」


「おいおいおいおい、スピネルは知らないと思うが、俺は博打打ちだぜ?このぐらいの賭けにはでないとな」


「まぁ、賭け方は人それぞれだ。じゃあ私は国王の元へ帰るよ。また今度、ディグニ」


 そういうと、スピネルは帰って行く。


「んじゃあ俺らも帰りますかね」


「そうするか」


◇◆◇◆


「ん?」


 ポップコーンとポテトを買い帰ろうとした時、道の奥の方に靄然さんと兄さんが居るのを見つける。


「どうした、ディグニ」


「いや、兄さんと靄然さんがいて」


「行ってみる?」


「行ってみるか」


「ディグニじゃん。何してんの?」


 俺らがそちらへ行こうとした時、後ろから声をかけられる。その声は俺は知ってる声で、振り返れば予想してた人物がそこに立っていた。


「怜悧さん」


「ここではヘジテイト・ウィズダムだよ。別に怜悧でいいけど」


「誰だこの人、めっちゃ美人だけど」


「あ〜ん〜⋯⋯靄然さんの⋯⋯かの⋯⋯かれ⋯⋯う〜ん⋯⋯」


「強いて言うなら翠の恋人かな。因みに、僕は男だよ」


「ん?あーなるほど、キャラクリで変えてるのか」


「現実と変わんないよ」


「へ?」


「会ったことあるけど、ガチだぞ」


 あっ、ノーシュのキャパがオーバーした。まぁ信じられないのも分かる。白髪に赤い目、白い肌に小さい体。男と言われる方が無理がある。


「彼がノーシュくん?2人はここに居るってことはボックス席だよね。けど、まだ取れないよね、誰と来たの?」


「エフメリアさんと靄然さんです」


「あ〜、翠が言ってたのディグニ達のことか。納得納得」


 あっ、あの1席って怜悧さんのなんだ。


「じゃあ先戻っておこうか」


「いや、でも」


「俺ら今からディグニの兄さんたちのとこ行こうと思ってて」


「あ〜、あれね。ディグニはいいけど、ノーシュくんは行っちゃダメだね」


「えっ、なんで?」


 それはそうだ。なぜノーシュはダメで俺はいいんだ?兄さんの弟だから?


「う〜ん、詳しくは言えないけど、情報を隠しながら言うならあっちで戦争があった(・・・・・・・・・・)。かな」


「ん、どういうことだ?」


「ノーシュ、お前には関係ない事だ、戻ろうぜ」


「あぁ、うん。お前がそういうなら」

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