5話『相棒の条件』
「て言うか、再現性があるのにユニークモンスターなのか?」
「ん?あー知らないのか。ここのユニークモンスターのユニークって、唯一じゃなくて特別なんだわ。俺らが知ってるユニークモンスターはここではNumerous Only Monsterって言う」
「なるほどね」
「で、どうする?ディグニがデスペナルティになっても良いなら戦うが」
短剣を構えたノーシュがそう言う。
「内心戦う気満々なのに、何を言ってるんだか」
「バレたか」
「武器変えてるだろ、流石に気づくわ。あと、デスペナになる覚悟はねぇよ」
「逃げるのか?」
神樹軽盾と斧を取り出し。
「わかってる癖に。戦うんだよ、俺らの完全勝利でな」
アイツに勝つことは今は難しいが、見込みはある。ただ、それまでどうするかだが。
「ノーシュ。アイツと一体一でやれるか?」
「無理だな。なんか案があるのか?」
「あぁ」
◆◇◆◇
「なるほど。それならいけるだろうな」
「じゃあ、やるか」
ゴブリンウォーリアは木に持たれて律儀にこちらの会話が終わるのを待っている。
「待たせて悪かったな。お前も待ちくたびれたろ?さぁ、やろうぜ」
ゴブリンウォーリアにそう言い、俺らが武器を構えた瞬間、ゴブリンウォーリアがもたれかかっていた木を引っこ抜き、こちらへ投げようとする。
そこから投げてくんのかよ。どうする、どっちに投げるんだ⋯⋯考えろ。アイツは俺らの会話を待っていた。つまり、ある程度の知能があるということ。さらに、俺らを待っている時のあの余裕な様子⋯⋯俺らを倒せる目処があるのだろう。俺がアイツならどうする⋯⋯行動からどちらかを一旦この戦闘から退場させようとしている。そうなるとやはり邪魔なのはノーシュだ。ノーシュよりもスキル数やレベルで劣ってる俺を先に倒しとくほうが都合がいい。あと、アイツは俺らを見ていたから俺の手の内は明かされているが、ノーシュの今の武器はまだ使っていない。何してくるかわかんないやつと先に戦う無謀はしないだろう。
「つまり」
ノーシュに目掛けて木が飛んでくる。
「俺がノーシュの前に出れば問題ないんだよなぁ!」
木が盾にぶつかり粉々になる。
「ギリギリセーフ」
「ディグニ、お前ファインプレーすぎるだろ」
「まぁな⋯って、あれ?アイツはどこいった!」
盾から頭を出しアイツの方を見るが、そこには何もいない。あるのは二つの足跡だけ。
「すまねぇ、俺もあんまり見えなかった」
「とりあえず、あたりを警戒しよう。逃げてはいないだろう」
ノーシュと背中を合わせあたりを警戒する。
「まじでどこ行ったんだ⋯」
「ウエダヨ」
俺の独り言に等しい疑問に、知らぬ声がそう答える。それと同時に俺らのことを影が包み込む。
「【空圧防盾】!!」
起きた出来事を素早く理解し、自分の上に空気のシールドを張る。上を見ると、ゴブリンウォーリアがどこからか拾った棍棒を振り翳していた。
空圧防盾の効果が切れそうなので衝翔波を使いゴブリンウォーリアを正面へ飛ばす
なるほど。だから足跡が途切れていたのか。いや、そんなことより。
「お前、喋っただろ」
ゴブリンウォーリアを見ながらそういうと、ゴブリンウォーリアが口を開く。
「ヒトイガイガコトバヲハナセナイトデモ?」
「まぁ、喉の作りとかの関係上喋れないと思うが?けど、実際喋れてるから何とも言えないな」
「マァイイ。シニユクモノニハナスコトナドナニモナイ」
「ほぉ、俺たちが死に行く者と?」
「チガウノカ?」
「死ぬのはお前だろ?」
「タワゴトヲ⋯ン?オイ、モウヒトリハドコイッタ?」
ゴブリンウォーリアが俺にそう問う。
俺は静かにゴブリンウォーリアの方を指差す。
「ナニ?!」
咄嗟に後ろを向いたゴブリンウォーリアの脳天を脚筋力増強で強化されたノーシュの脚が貫く。
「俺も良いとこ見せないとなぁ。俺から誘ったのにこの調子じゃ顔が立たないよなぁ。まぁ、お前が現れるなんて思ってなかったから仕方ないんだが。クエストもお前のせいでノルマ達成出来なかったから、早めに終わらせないとなんだわ」
ノーシュは倒れたゴブリンウォーリアに言葉を投げかける。
「ディグニにはあぁ言ったけど倒せるなら倒させてもらうぞ」
ノーシュが持っていた短剣を強く握りしめると、短剣の刃が30セントほど伸びる。セントは現実で言うセンチメートルのことである。
その刃をゴブリンウォーリアに向かって降ろす。
ノーシュの刃がゴブリンウォーリアの首を掠めようとした時、気づいたゴブリンウォーリアがギリギリで避ける。
「アブナイナ」
「なかなかやるんだな。けど、自分の状況を理解できてないんじゃないか?」
ノーシュが不適な笑みを浮かべ、ゴブリンウォーリアを見つめる
「ナニガイイタイ?」
「自分の指を見てみろよ」
そうノーシュに言われ、ゴブリンウォーリアは自分のきだり手を見る。そこには、第二関節から先を切られた薬指と小指。さらにそこから指が朽ちていっていた。
正直に言うと、ゴブリンキングを進化させるなんて考えてなかったので戦闘シーンが全然思いつかないんですよね。