37話 『墓荒らしの円卓』.45
薄紫色に輝く部屋。その部屋の中心には円卓があり、椅子が六席と五人の召喚者が座っている。
「お前のところの特攻隊長が死んだぞ、ミネルバ」
そんな中、一人の男が切り出す。
それはリヒトに負けたリオンのことであり、時刻とすればリオンとリヒトの戦い終了とほぼ同時刻である。
「あぁわかっている。そういう貴殿も、この前十数人くらい失ってたじゃないか」
それに対し、ミネルバと呼ばれた男が反応する。
「あぁなんだと?いいぜ、前々からお前のこと嫌いだったんだ、表でろや」
「チンパンジーと会話するわけないだろう?時間の無駄だ、座りたまえ」
「ミネルバ、サキガケ、静かにしろ」
皮肉混じりのミネルバの一連の言葉にキレたサキガケが、身を乗り出しミネルバの胸ぐらを掴もうとする。しかし、その手をもう一人の男が槍ではたき落とし、二人に注意する。
「でもよ、エルトヴァ。売られた喧嘩は買わないとだぜ?」
「丑三の漆黒を滑るもの、何時も乱してはなりませんよ」
サキガケが槍を持った男、エルトヴァに抗議しようとすると、漆黒のヴェールに包まれた女がここにいるd誰一人理解できないヴィジュアル系ロックバンドが喋りそうな言葉で話し出す。
「貴方が喋らないでくださいよテンチネル。よくわからないですから」
ミネルバがテンチネルという名前の女にそういうと、テンチネルは文句を言うことなく静かになる。
「やはり愉快でいいですね、私、月一のこの会議結構好きなんですよね。皆さんと話せますし」
「残念ながら自分は貴方のことが嫌いです」
「へ?」
「クリスタ、すまん。俺もあんまり好きじゃない」
「同意」
「確かに、どちらかと言うと嫌いだな」
「なんでぇ」
この場にいる全員に否定せれ、クリスタが叫ぶ。
「僕は好きだけどね」
すると、先ほどまで空いていた最後の一席に一人の男がいつの間にか座っている。
「アルファ!」
「来たかアルファ」
「アルファさん、やっとですか」
「バカがつるんできたり大変でしたから、次は早くきてくださいね我が主人」
「それ俺のことだろ」
「我が気持ち忠犬の如く」
「うん、じゃあ始めようか。今回、サキガケのチームから敗者が出た」
「誰がやったかはもうわかってる」
「誰なんだい?」
サキガケの言葉に対してΑ・H・Ωが反応する。
「アインスと藹然だ」
「あぁ彼らか」
規格外と呼ばれ、他のプレイヤーと格差が激しい故に国から力に制限をかけられているとも言われる召喚者のうちの二人が今回のはんんインとなると流石のΑ・H・Ωも手出しがしにくい。
「それと、ミネルバの方もやられた」
「そっちは誰がやったかわかるのかい?」
「今メンバーの一人を向かわせています」
「よし、わかった。とりあえずレベルアップを最優先。弱い奴は基本的にいらない。なるべく規格外には喧嘩を売らないように。それと、坤が倒されたことから、艮がやられるのも時間の問題だ。今のうちにレベル上限までいくのとこの前行った通りのジョブにつけるように努力してくれ」
「了解」
「わかりました」
「オッケー」
「承知」
「主人、わかりました」
「誰だった?」
「アメニギシ・アルクス、グライヒ・ゲヴィヒター・リヒト、ディグニファイド・ブラックです」
「最後だけ聞いたことないね。それにしても規格外とジョブ持ちか。まぁいいや。彼らを潰す準備が出来次第それぞれで潰しにかかる」
「「「「「了解」」」」」




