表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Numerous Divided Life ニュマラスディビデッドライフ  作者: 靄然 翠
〈第1章 水面に映りし月の影〉
49/102

35話 『死神リヒト』.43

 気づいた時にはすでに足が動いていた。

 心では逃げようなんて思っていなかった。

 いや、正確に言えば何も考えることができなかった。

 全ての思考を上回る恐怖によって、彼女は思考することができなくなっていた。

 意識はあるが思考ははっきりしていない。

 そんな中で、反応したのは彼女の体。

 熱いものを触った時に勝手に手を離す脊髄反射のように、予想してないことが起きて思わず声が出てしまうように。彼女の体は走り出した。


 逃げ出してからやっと思考を取り戻す。

 ここまできたら逃げるしかない。そう考えたリオルは装備を一応のために持ってた逃走用の装備に変更。さらなる加速を経て、彼女は駆け出す。


 ラウムによって飛行するリヒトの倍近く速く駆け出す。もうすでに百メタル近く離れているため、リオルは安堵の息を漏らしながら走る。


◆◆◆◆


「どうする?」


 駆け出したリオンを眺めながらディグニがそういう。


「僕が射とうか?姿が見える限り当てれるけど」


 少ないスキルの数で何でお前はそこまでできるんだよ。


「いや、横出ししたらアイツがキレだすからやめよう」


「それもそうか。ところで、彼は何をやってるのかな?」


 アインスにそう言われ、視線をリオルからリヒトへと変える。

 リヒトの方を見てみれば、一見棒立ちしているようにも見えるがよく見ると小さく口を動かしていた。耳を澄ませてみれば何か詠唱をしているようで、それを肯定するかのようにつま先から大腿部にかけて黒い紋様が的終わりついていく。


「俺も初めて見るスキルだな」


 ラウムの件といい、狭い場所で使いにくかったてのもあるんだろうが⋯⋯なんか手加減されてたんだな。


「ディグニ」


 すると、詠唱が終わり脚が黒く染まったリヒトが俺の名前を呼ぶ。


「ん、何?」


「これ、返すわ」


 すると、渡していた盾をこちら絵と投げる。

 俺はそれをキャッチし左手につけ、朧を納めてバックワーズスペードに持ち帰る。

 意味はないかもだが、持ち替えておいて損はないだろう。


「武器はどうするんだ?」


 俺がそう問うと、リヒトは、


「鎌で行く」


 といい、短剣を収めて鎌を取り出す。

 その鎌は先ほど俺の朧を買った時に買っていた鎌。

 全体的に黒い鎌の刃は真紅輝いており、妙に惹かれるものがある。


 俺はあの武器を触っている。そしてその効果も見ている。確か⋯⋯


━━━━━━━━━━━━━━━


赫刃鎌灯(かくばれんとう)斬醒(きりさめ)

耐久:15000

切れ味:200


纏邪気(てんやき)

・MP、DEX、VIT、INT、STMが50%低下。

・HPを99%低下

・STR、AGIが100%増加。


奪魂之呪(だっこんのじゅ)

・首、心臓、脳に攻撃が入った際、ダメージが倍になる。


飛刃(ひば)

・HPリソースを消費して血の刃を飛ばすことができる。


吸血族(ヴァンパイア)の印(イミテイト)

・相手に与えたダメージをリソースとして吸収。次のスキルを発動させる。


猩々(しょうじょう)狂喰(きょうしょく)

・吸血族の印で吸収したリソースを使い、切れ味をあげる。

・上限は100%


威血異鮮進(いちいせんしん)

・攻撃を与えた相手を覚え、その相手に合わせて状態異常低下等のスキルを阻害する。

・上限は100%

・状態異常無効に対しては効果を発さない。あくまでも低下に対してだけである。


飛烈翔刃(ひれつしょうば)

・飛刃に対して、ホーミング効果の付与。

・HPの代わりに相手から吸収したリソース消費で飛刃を飛ばすことも可能。

━━━━━━━━━━━━━━━


 とまぁそこそこぶっ壊れ性能だった。

 纏邪気のせいで使える人は殆どいないだろうが。リヒトはどうするのか。


「アルクス。【看破】は持ってるか?」


「進化して【千里眼】になっているが、持ってる。何が知りたいんだ?」


「リヒトを看破してくれ」


「いいけど」


 おそらく使いようにならないと思うんだが。


「特におかしなところはないぞ?」


「え?そんなわけ」


 鎌の能力のせいで全体的に低下しているはずなんだが。


「あぁなるほど、理解した。鎌のスキルのこと聞きたいんだな?」


「まぁそうだが」


「憤怒の闘気の効果で無効になってる」


「あぁなるほど」


 使用者もぶっ壊れってことか。綺麗にハマってんのか⋯⋯


「お前ら、少し下がってろ」


 準備を整えたリヒトが俺らにそういう。


「分かった」


 こいつのことだから仲間にもキレてきそうなので潔く退ける。


「ラウル。行くぞ」


 ボソリとリヒトがそういうと、土を抉り砂埃を舞わせながらリヒトが駆け出す。


やっぱり(・・・・)⋯⋯」


「どうしたんだ、アルクス」


「いや、何でもない」


◇◇◇◇


 スキルの使用とラウムによって、秒速150m近くとなったリヒトは、ものの数秒でリオンに追いつく。


「な?!」


 リオンが驚愕する声が誰かの耳に届くよりも先にリヒトがリオンの腹部を蹴る。

 それと同時に両手首を切断。


【罪人の(フェッターオ)足枷】(ブサインズ)


 飛ばされたリオンをスキルで捕縛。


【執行の小(エグゼキューション)槌】(ガベル)


 デュグニにも使っていたコンボでリオンを確実に仕留めにいく。

 片手に持つガベルを固定されたリオンへと投げ、鳩尾にある小皿にぶつける。すると、抜け出そうとしていたリオンが身動きを取れなくなる。


ギロチン(・・・・)


 リオン目掛けて首を刈る斬撃が飛ぶ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ