『違和感、それはフラグの予感』
あれから数分たったあと、俺はベルの花を見つけ。依頼に必要な数を採った。
因みに、ベルの形をした花だった。特に鳴りはしない。
「とりあえず依頼終わったし帰るか」
俺は《逆光の森》を後にし、ギルドに向かう。
◆◇◆◇
《逆光の森ー最深部ー》
「俺ハ待ッテイル。イツマデモ、イツマデモ」
◆◇◆◇
初心者用簡易ギルド《worker》
「依頼完了手続きですね。今回の以来はベルの花の採取。はい、確かに5つあります。報酬の1000Gでございます」
俺は1000G入れられた袋を持ち、この場を去る。
「ありがとうございました」
◆◇◆◇
冒険者ギルド《シャスール》
「冒険者登録ですね、500Gと稼いだことの証明をお願いします」
500Gの使い道はここだ、正式なギルドに入る為には500G払わなければならない。その為には500Gと自分がそのお金を稼いだことの証明が必要だ。
「《worker》に《時遡の森》受注者名“ディグニファイド”でお願いします」
俺はそう言いながら500Gを出す
「少々お待ちください」
数分して
「Gランクの依頼で間違えないですか」
「はい」
「了解しました。手続きが終わるまで少々お待ちください」
俺は席に座る。
さて、これからどうするかな。
「おい」
まずは、俺のNOWがまだ使えないから、レベルアップか。となるとクエストだな。
「おい」
戦闘系クエストは、Eランクからか、兄に手伝ってもらうかそれとも。
「おいって言ってんだろ」
あれ、呼ばれてる。
「ん?って、うわっ」
顔を上げた先には、美形な男の顔があった。それにビビった俺は椅子から落ち、頭を打った。
「いってて」
「なんだ、聞こえてなかったのか、悪ぃな」
「いや、大丈夫。で、なんか俺にようか?」
「いや、お前って初心者だよな。だったら、俺と仲間になってくれねーか?」
「え」
突然何を言ってるんだこいつは。
「丁度仲間を探してたんだ。レベル的にいいのがお前だけだったし。ダメか?」
なるほど、そういう事か。それなら、全然いいが。
「いいけど、お前がクエストで受けれるランクは」
「Eだ」
「ほんとか!?」
「ほら、ブロンズの証明書」
本当っぽいな、この世界では冒険者の証明として証明書を貰う。それは、F,Gがウッド、Eがブロンズ、D,Cがアイアン、Bがシルバー、Aがゴールド、Sがプラチナとなっている。こいつ持っているのはブロンズなのでEのクエストが受けられる。
「じゃあ早速組もうぜ、丁度欲しかったんだEランク以上のクエスト受けれるやつ」
「そうか、俺はノーブル・シュタークだ。ノーシュって呼んでくれ」
「わかった、よろしくなノーシュ。俺はディグニファイド・ブラック。ディグニとでも呼んでくれ」
『ノーブル・シュタークからフレンド申請を受け取りました。受諾しますか?』
『YES』
『ノーブル・シュタークからパーティ申請を受け取りました。受諾しますか?』
『YES』
『ノーブル・シュタークとパーティになりました』
さてと、とりあえずはいいな
「ディグニファイド様。作成出来ました」
おっ丁度いいな。
「はーい」
「ディグニ、登録もまだだったのか?」
「あぁ、ちょっと待っててな」
俺は受付へ向かう。
「これが“証明証”です」
そう言われながら、ウッドの“証明証”を渡される。俺はそれを受け取り『インベントリ』に入れる
「ディグニファイド様、証明証のランクについてはご存知ですか?」
「はい、知っています」
「そうですか。では大丈夫そうですね。これからも貴方の貢献を期待しております」
「はい」
俺はそう言ってノーシュの元に戻る。
「で、どんなクエストがいいんだ」
どんなクエストか……。
「正直、お金が欲しいな。素材とか取れるのなら万々歳って感じかな」
「となるとやっぱ《時遡の森》か」
「内容の割には報酬がでかいあの森な、俺も最初はあそこに行った」
「なるほどな、じゃあこれはどうだ」
「どれだ」
「これ」
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『《時遡の森》E 3000G』
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「いいんじゃない」
「オーケー、じゃあ早速受注するわ」
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「受注してきたぞ」
「おー、じゃあクエスト内容の確認としますか」
『《時遡の森》ゴブリン退治 E』━━━━
討伐依頼:ゴブリンの討伐
クエスト進行度:0/40
討伐報酬:3000G
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「ゴブリン如きならいけそうだな」
「あぁ」
「じゃあ早速行くか」
◆◇◆◇
俺たちが《時遡の森》に続く歩いている時に、俺はあるものに目がいく。
「どうしたんだディグニ」
「いや、あの売店。俺がさっき通った時にはなかったから、なんなのかなって」
「あれ…って……あぁあいつか。アイツは『古妖商人』だな、まぁプレイヤー達にそう呼ばれてるだけだが。なんかランダムエンカで色んなものを売ってる商人よ」
「へー」
この世界にランダムエンカとかいう概念ないだろ
「寄ってみるか?」
「あぁ」
俺たちはその『古妖商人』と呼ばれる男の露店にいく
古妖商人の露店は所謂アンティーク物を売っており、刺さる人には刺さるような店である。
俺はその中にある一つのものに目がいく。
それは、一言で言えば蓋のない懐中時計であるが針は動いてなく、他とは違う雰囲気を放っていた。
「おや、お客さん。その懐中時計がお気に召しましたか。それは《時遡の森》に落ちてた代物です。あまり人気がないんでね。500Gでどうです?」
いや声低、しかもめっちゃイケボやし。まぁそれはいいとして、500Gなら…
「買った」
「え?まじ」
「まじ」
「有難う御座います。こちら〈歪時開路〉に御座います。それと、お使いになさる際は、もう少し強くなられてからがよろしいかと」
ん、強くなってから?…って、なんで冷たい目でこっち見てくるんだノーシュ。いいだろ別に、何買っても。
◆◇◆◇
そんなことはさておき、俺たちは再び門に向かう
「その懐中時計どうするんだ?」
「特にどうするってことはないが、なんかある気がするんだ」
「と言うと?」
「なんか、こう、何かシナリオに繋がっていると言うか。この懐中時計に関係するクエストがあると言うか」
そう。確信はないが、さっき何かフラグを踏んだ気がする。この懐中時計に関する重大なフラグを。
「なるほどな、まぁお前の好きにすればいいか。んじゃ改めて、《時遡の森》に行くか」
2話(『初めての街、クエスト、戦闘』)で〈ゴブリンの短剣〉となっていましたが正確には〈ゴブリンの手斧〉です。変更しましたので、一応知っておいて下さい