2話『違和感、それはフラグの予感』
あれから数分たったあと、俺はベルの花を見つけ。依頼に必要な数を採った。
因みに、ベルの形をした花だった。特に鳴りはしない。
「とりあえず依頼終わったし帰るか」
俺は《時遡の森》を後にし、ギルドに向かう。
◆◇◆◇
《時遡の森ー最深部ー》
「俺ハ待ッテイル。イツマデモ、イツマデモ」
◆◇◆◇
初心者用簡易ギルド《worker》
「依頼完了手続きですね。今回の以来はベルの花の採取。はい、確かに5つあります。報酬の1000Gでございます」
俺は1000G入れられた袋を持ち、この場を去る。
「ありがとうございました」
◆◇◆◇
冒険者ギルド《シャスール》
「冒険者登録ですね、500Gと稼いだことの証明をお願いします」
500Gの使い道はここだ、正式なギルドに入る為に
は500G払わなければならない。その為には500Gと自分がそのお金を稼いだことの証明が必要だ。
「《worker》に《時遡の森》受注者名“ディグニファイド”でお願いします」
俺はそう言いながら500Gを出す。
「少々お待ちください」
数分して。
「Gランクの依頼で間違えないですか」
「はい」
「了解しました。手続きが終わるまで少々お待ちください」
俺は席に座る。
さて、これからどうするかな。
「おい」
まずは、俺のNOWがまだ使えないから、レベルアップか。となるとクエストだな。
「おい」
戦闘系依頼は、Eランクからか、兄に手伝ってもらうかそれとも。
「おいって言ってんだろ」
あれ、呼ばれてる。
「ん?って、うわっ」
顔を上げた先には、美形な男の顔があった。それにビビった俺は椅子から落ち、頭を打った。
「いってて」
「なんだ、聞こえてなかったのか、悪ぃな」
「いや、大丈夫。で、なんか俺にようか?」
「いや、お前って初心者だよな。だったら、俺と仲間になってくれねーか?」
「え」
突然何を言ってるんだこいつは。
「丁度仲間を探してたんだ。レベル的にいいのがお前だけだったし。ダメか?」
なるほど、そういう事か。それなら、全然いいが。
「いいけど、お前が依頼で受けれるランクは」
「Eだ」
「ほんとか!?」
「ほら、ブロンズの証明書」
本当っぽいな、この世界では冒険者の証明として証明書を貰う。それは、F,Gがウッド、Eがブロンズ、D,Cがアイアン、Bがシルバー、Aがゴールド、Sがプラチナとなっている。こいつ持っているのはブロンズなのでEの依頼が受けられる。
「じゃあ早速組もうぜ、丁度欲しかったんだEランク以上の依頼受けれるやつ」
「そうか、俺はノーブル・シュタークだ。ノーシュって呼んでくれ」
「わかった、よろしくなノーシュ。俺はディグニファイド・ブラック。ディグニとでも呼んでくれ」
『ノーブル・シュタークからフレンド申請を受け取りました。受諾しますか?』
『YES』
『ノーブル・シュタークからパーティ申請を受け取りました。受諾しますか?』
『YES』
『ノーブル・シュタークとパーティになりました』
さてと、とりあえずはいいな
「ディグニファイド様。作成出来ました」
おっ丁度いいな。
「はーい」
「ディグニ、登録もまだだったのか?」
「あぁ、ちょっと待っててな」
俺は受付へ向かう。
「これが“証明証”です」
そう言われながら、ウッドの“証明証”を渡される。俺はそれを受け取り『インベントリ』に入れる
「ディグニファイド様、証明証のランクについてはご存知ですか?」
「はい、知っています」
「そうですか。では大丈夫そうですね。これからも貴方の貢献を期待しております」
「はい」
俺はそう言ってノーシュの元に戻る。
「で、どんな依頼がいいんだ」
どんな依頼か⋯⋯。
「正直、お金が欲しいな。素材とか取れるのなら万々歳って感じかな」
「となるとやっぱ《時遡の森》か」
「内容の割には報酬がでかいあの森な、俺も最初はあそこに行った」
「なるほどな、じゃあこれはどうだ」
「どれだ」
「これ」
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『《時遡の森》E 3000G』
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「いいんじゃない」
「オーケー、じゃあ早速受注するわ」
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「受注してきたぞ」
「おー、じゃあ依頼内容の確認としますか」
『《時遡の森》ゴブリン退治 E』━━━━
討伐依頼:ゴブリンの討伐
クエスト進行度:0/40
討伐報酬:3000G
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「ゴブリン如きならいけそうだな」
「あぁ」
「じゃあ早速行くか」
◆◇◆◇
俺たちが《時遡の森》に続く歩いている時に、俺はあるものに目がいく。
「どうしたんだディグニ」
「いや、あの売店。俺がさっき通った時にはなかったから、なんなのかなって」
「あれ⋯って、あぁ⋯アイツか。アイツは『古妖商人』だな、まぁプレイヤー達にそう呼ばれてるだけだが。なんかランダムエンカで色んなものを売ってる商人よ」
「へー」
この世界にランダムエンカとかいう概念ないだろ
「寄ってみるか?」
「あぁ」
俺たちはその『古妖商人』と呼ばれる男の露店にいく
古妖商人の露店は所謂アンティーク物を売っており、刺さる人には刺さるような店である。
俺はその中にある一つのものに目がいく。
それは、一言で言えば蓋のない懐中時計であるが針は動いてなく、他とは違う雰囲気を放っていた。
「おや、お客さん。その懐中時計がお気に召しましたか。それは《時遡の森》に落ちてた代物です。あまり人気がないんでね。500Gでどうです?」
いや声低、しかもめっちゃイケボやし。まぁそれはいいとして、500Gなら⋯
「買った」
「え?まじ」
「まじ」
「有難う御座います。こちら〈歪時開路〉に御座います。それと、お使いになさる際は、もう少し強くなられてからがよろしいかと」
ん、強くなってから?⋯って、なんで冷たい目でこっち見てくるんだノーシュ。いいだろ別に、何買っても。
◆◇◆◇
そんなことはさておき、俺たちは再び門に向かう
「その懐中時計どうするんだ?」
「特にどうするってことはないが、なんかある気がするんだ」
「と言うと?」
「なんか、こう、何かシナリオに繋がっていると言うか。この懐中時計に関係するクエストがあると言うか」
そう。確信はないが、さっき何かフラグを踏んだ気がする。この懐中時計に関する重大なフラグを。
「なるほどな、まぁお前の好きにすればいいか。んじゃ改めて、《時遡の森》に行くか」
2話(『初めての街、クエスト、戦闘』)で〈ゴブリンの短剣〉となっていましたが正確には〈ゴブリンの手斧〉です。変更しましたので、一応知っておいて下さい