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Numerous Divided Life ニュマラスディビデッドライフ  作者: 靄然 翠
〈第1章 水面に映りし月の影〉
20/60

10話『 I am a judge man 』.18

二話前の内容を少し変更しました。サミュエルやオスカーの話は一年前ではなく、一年半前です。

「さて、距離を取ったはいいものの、どう攻撃を入れるべきか」


 ディグニは距離を取った時にリヒトが纏う羽衣からあることを感じ、そう呟く。それは、属性である。このゲームには一応属性があり、火・水・風・氷・雷・聖・闇、他にもいくつかあるが基本的に7つに分けられる。そして、リヒトの羽衣の属性が闇であるとディグニは感じ取った。それが意味することは、攻撃を入れるためには自分の体力を削らないといけないこと。そう、闇属性には聖属性だけが通らない。ダメージを入れるためには聖属性以外では無いといけない。しかし、ディグニは聖属性と闇属性しか使えず、ダメージを通すため闇属性を使えば自分のHPも削ることになる。もちろん普通の攻撃でも通るが、圧倒的な力がない限り雀の涙ほどのダメージ量であるため、ディグニはどうすべきか考えていた。


 ちなみに、闇属性とアンデッドたちは別である。


 攻撃が入りそうなのは二つ心当たりあるが⋯⋯


「おいおい、どうしたんだよ。これで終わりか?」


「黙れ。確かに俺はお前に決定的なダメージを入れる方法がない。いや、正確に言えばあるんだがハイリスクだ。だがな、それはお前だって攻撃を入れれないのは同じだろ?」


「確かに、その盾が邪魔だ」


「だから、ここは見逃してくれないか?」


「うん、そうだな。いいだろう───


 よし、交渉成立。


───とでもいうと思ったか、このバーカ」


 そうだろうな。そうだろうと思ったよ、全く。


「【死神の鎌(リッパーズサビット)】」


「【完全防御空間】」


 リヒトの攻撃に合わせて防御スキルを使用。俺にリヒトの攻撃は当たらない。


 リヒトの鎌の軌跡が、リヒトを中心に円を描く。すると、瞬く間に周囲の木々が枯れ果てる。


「全MP使って攻撃したんだから守んじゃねぇよ」


 マナポーションを飲みながらリヒトがキレる。


「普通守るわ。なんだ今のは」


「教えるかよ、罪人は大人しく死ね。【罪人(フェッター)(オブ)足枷(サインズ)【執行の(エグゼキューション)小槌(ガベル)】」


 使ってのは魔法なのだろう。俺の足元に魔法陣が描かれ、足枷が現れる。それは虚像で実態はないが足に重さが感じられる。そして、もう一つ。鳩尾に木の小皿のようなものがあらわれ、リヒトの手には小槌⋯⋯正確にいうとガベルが握られている。


「俺がこのガベルでお前のそれを叩けば、お前は"はりつけ"にされる」


「そうか。なら、全力で避けるまでだ」


 リヒトが再び透明になる。それを合図に戦闘が開始され、リヒトが俺に接近する。俺はアイテムボックスからあるものを取り出す。それはダイヤモンドビートルの魔蓄臓である。実は、こいつらのマナは元から冷気を帯びているため、魔蓄臓は相手に氷属性を付与させることができる。それをバックワーズスペードに塗り、一時的に氷属性を手に入れる。


 すぐそこにもう来ているであろうリヒトに向かって、バックワーズスペードを大きく振りかぶる。すると、何かにぶつかる感触とともに小さな呻き声と何かが転がっていく音が聞こえる。見てみれば、攻撃を与えられたことにより透明化が解除されたリヒトが少し遠くで膝をついていた。


「隙だらけだぞ」


 今度はこちらがリヒトに向かって追い打ちをかけるべく、四肢を強化して接近。


「【断頭台(ギロチン)】」


 リヒトがスキル詠唱をし終えると同時に、首筋に悪寒が走る。俺はすぐさま足を止め、後ろへ飛び退く。すると、たまたま俺と同じところに居たフローラインセクトが頭と胴で分かれる。


「クソがよ。全部避けるじゃねぇか」


 リヒトがガベルを納め、鎌を持つ。それと同時に、腹の木皿のようなものも消える。


 どうやらさっきのガベルは囮だったようだ。


「たまたまだ。お前が本気で殺しに来てるからな。こちらも俺の本気(・・・・)で相手してやるよ」


 足装備を爆鱗樏に変更。足枷による鈍化のデメリットを無しにする。そして、バックワーズスペードを納め、ダイヤモンドビートルの魔生臓を潰し、手に塗りたくる。


「徒手空拳で戦うのか?」


「何か問題でも?」


「いや、別に。なんにせよ、最終的に殺すから好きにしな」


 三度目の戦闘に入る。


 今回は双方同時に肉薄。リヒトが鎌を横に振る、それを盾で防ぎ一歩前進。俺の足の間合いに入るよう距離を調節し、後ろ蹴り。鎌の柄で防がれるも、圧倒的な力により足が腹部に入る。その瞬間、爆鱗樏を起動し爆破。それによりリヒトが地面を削りながら数メートル飛ばされる。


「なるほどねぇ。なら俺も徒手空拳で行こうかな」


 リヒトが鎌をしまい、半身で立つ。そして、リヒトが一気に間合いを詰め俺の顎に向けてアッパーを入れようとする。それを半歩下がって避け、再びリヒトを間合いに入れ、足の甲でリヒトの中段を撃ち抜こうとする。しかし、リヒトもまたバックステップで避ける。


「なるほど、テコンドーか」


「そっちはボクシング⋯⋯いや、その身のこなし、キックボクシングか」


「御名答」


なので、前に出て外回し蹴り。リヒトはそれを顎を引いて避け前蹴りをする。俺は上手く避けることができずに、もろにくらう。


 よろけた俺にすかさずリヒトがアッパーを入れ、【麻痺】【目眩】の状態異常が発症。続け様にローキックで体制を崩され膝蹴りをくらい、体力が四分の一を切る。


 やばい、体力が。くそ、なんとかして回復しないと。


 俺がそう思っている中。目の前に一つの果物が転がってくる。真っ赤な、()()の色をした果物が。

結構、格闘技や武道をやっている人がいます。


・ディグニ

テコンドー

・ノーシュ

短剣道

・アインス

剣道・抜刀道・居合道

・ディルクルム

色々混ざった独自の流派

・ブリシュトリ

柔道

・リヒト

キックボクシング


─────────────────────────

キャラの見た目が決まりました。絵が適当なのは許せ。


・ディグニ

挿絵(By みてみん)

または

挿絵(By みてみん)

・ノーシュ

挿絵(By みてみん)

・アインス

挿絵(By みてみん)

・ディルクルム

まつ〇ゅん想像してください。

挿絵(By みてみん)

・ブリシュトリ

ハゲだからいらないだろ

・リヒト

挿絵(By みてみん)


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