『初めての街、クエスト、戦闘』
『最後にこれを』
彼女から、丸い玉を渡される。
これが最後の理由、この世界は自分だけの武器、ニュマラスオンリーウェポン略してNOWを持つことが出来る。そして、プレイヤーレベルが5になった時に解放され、レベルが上がる事に強くなる。
種類は、刀剣、長柄武器、打撃武器、
連結武器、射撃武器、火器、投擲武器、格闘用武器、暗器、兵器、その他に別れる。
俺のコイツはどうなるのやら。
『行ってらっしゃい』
◆◇◆◇
白い世界に色が付き、新たな場所に足を立てる。
《ルーヴィンシュタット》
さて、初めにやることといえば。
「ステータス」
ステータス確認だ
━━〔ディグニファイドブラック〕━━
Lv:0
HP(体力):50
MP(魔力):20
STR(筋力):50
DEX(器用):50
AGI(敏捷):50
VIT(防御):50
INT(知能):50
所持金:0G
武器・右:---
武器・左:---
頭:---
胴:---
腕:---
拳:---
腰:---
脚:---
足:---
アクセサリー:---
所持品:---
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『HP』はこんなもんか。
この世界では『HP』を全部失うか、頭か心臓を壊される、首を跳ねられる等の生命活動ができなくさせられることにより、【死亡】判定になる。他にも特殊なのもあるが。
そして、ゲーム内での5時間、現実での1時間ステータスが50%減少する。
プレイヤーの意思が尊重されるこのゲームで、DEXとINT・・・器用さと知能とはなんだっておもうが、手ブレがなくなったり指先の自由度が上がったり。知能に関しては技能に補正が入るらしい。
次に。
「『ショートカット』作成」
このゲームでは視界の何処かに、ステータス内のものを表示できる。
画面からタブレットが消える。
「『HP』を表示」
「『所持金』を表示」
視界の左下に『HP』のバーと『所持金』が表示される。『HP』バーを左上に『所持金』を右上にスライドし『ショートカット』を終了する。
「『ショートカット』終了」
今後も機会があればショートカットを増やすつもりだ。
増やしすぎて画面を埋めないようにしないとな。
「さてと、一旦ギルドだな。依頼で金を稼ごう」
依頼ではなくクエストと言わないのか。と思う人が多いが、このゲームはギルドで受けるのを依頼。自然に出るのがクエスト(街で人助けを求められる等)と言われている。
さて、初心者用ギルドっと……
◆◇◆◇
初心者向け簡易ギルド 《worker》
ここの多くはプレイヤーだが、何人かNPCもいる。
因みにプレイヤーとNPCの見分け方はネームプレートだ。
プレイヤーは青(PKは赤色)、NPCは緑だ。あと一応、モブも赤色だ。PKはモンスターと同じってか。
「いらっしゃい」
受付人が話す。
「依頼の受注ですね。タブレットをご確認ください」
俺の前にタブレットが現れる。俺は、そのまま席に座る。
タブレットってこんな使い方もできるのか
そんなことを思いながらタブレットを見る。タブレットには場所と難易度、報酬が書かれている。『詳細は依頼を受けると見ることが出来る』か。
難易度はA~Gと最高のSがある。が俺は初心者だからEとFしかない。なんならまだBしかでてないらしい。ランクとしてはあるらしいがそれに該当するクエスト、依頼は今の所ないらしい。
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『《ルーヴィンシュタットー3番街ー》 F 50G』
『《原初の大地》 F 100G』
『《ルーヴィンシュタットー2番街ー》 G 25G』
『《ルーヴィンシュタットー城壁ー》 F 300G』
『《時遡の森》G 1000G』
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絶対的に最後のだろ。
実際、ある理由で500G欲しいし。もう半分は小遣いの足しにしよう。
「《時遡の森》の依頼ですね。承知しました。お名前をご記入下さい」
俺は『ディグニファイド』と書き、依頼を受注し、店を出て、来た道を戻る。
なぜ来た道を戻るかと言うと、《時遡の森》は来た場所の後ろの門から入るからだ。
◆◇◆◇
俺は門の前に来る。
門の前には1人の門番がいる。
俺は彼に門を開けてもらい、中に入る。
「さてさて、以来の再確認」
タブレットが出てくる
『クエスト 懐かしきベルの音 F』━お使い依頼:ベルの花の採取
クエスト進行度:0/5
依頼報酬:1000G
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ベルの花ってどんなのだろう。ベルの形なのか、ベルの音がするのか、はたまたどっちもなのか。気になる。
そう思いながら歩いていると、赤色のネームプレートが出てくる。
敵だ
『ゴブリン Lv3』
ただのゴブリンか、なら全然余裕だな。
今ここで斧を使って武器の耐久力を減らすのはあれだからパンチで行こう。
この世界のパンチは検証勢によると、STR/5(小数点以下は切り捨て)、事実上基本の攻撃地と同等だから、俺は50/5で10、でゴブリンの体力は検証勢曰く、Lv × 20なのでこいつは60。つまり、6回殴ればいいって訳だ。
「キギャァァァァァァァ」
「うっ」
いや叫び声うるさッ。後で音量下げねぇーとな……。
次の瞬間、ゴブリンが俺に飛びかかる。その右手には斧が持たれている。
そして、ゴブリンが俺にぶつかるくらいの近さで斧を振ろうとする。
俺はそのゴブリンの右手を掴み、背負い投げに近い感じで、ゴブリンを地面に叩きつける。
「グギァァァァ」
多分今ので20ダメージくらいは入ったと思う。理屈は知らないけど物理演算による加算ダメージがあるからな。
「すぐに終わらせるぞ」
俺がそう言うと、ゴブリンは危機を感じたのか、跳ね起きをして立つ。
「無駄に運動神経いいんだな」
「キギャァ」
「そりゃ会話はできないか」
俺は今出せる最大の速さでゴブリンとの間合いを詰め、右ストレート、左フック、顎にアッパーを決める。
そうすると、顎に入ったおかげかゴブリンに【麻痺】表示が出る。
麻痺の効果は動作停止と視界のぼやけだ。
「動くなよ。って言っても麻痺で動けねーか」
俺は右足を前、左足を後ろの外側に出し、素早くゴブリンと反対を向きゴブリンに左足で蹴りを入れる。
ゴブリンは10メートルほど飛び『ピクセル』というモブやアイテムが壊れた時に出る粒子が舞う。
『討伐 ゴブリンLv3』
『Level up Lv0→Lv1』
『ステータスポイントを50手に入れました』
『〈ゴブリンの右耳〉を入手しました』
『〈ゴブリンの手斧〉を入手しました』
『〈ゴブリンの牙〉を入手しました』
『〈ゴブリン族の首飾り〉を入手しました』
『〈称号 ゴブリンヘイテッド〉』
ステータスポイントは能力値に振り分けられることが出来るポイントで、貰えるポイント数はレベルアップする時の戦闘経験等で変わる。
「振り分けるか」
『STRが65になりました。VITが65になりました。DEXが60になりました。AGIが60になりました』
さて、称号とかは後でいいとして。ドロップ品を見てみるか。
〈ゴブリンの右耳〉━━━━━━━━━
ゴブリンの右耳。ギルドでの証明以外に使い道は無い。
〈ゴブリンの手斧〉━━━━━━━━━
耐久:200
切れ味5
ゴブリンが使っていた斧。
〈ゴブリンの牙〉━━━━━━━━━━
素材系アイテム 武器や防具、ポーションなどに使うことが出来る。
〈ゴブリン族の首飾り〉━━━━━━━
効果:STR 1.5倍(小数点以下切り捨て)
〈称号ゴブリンヘイテッド〉の効果打ち消し
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ゴブリン討伐の証明はやっぱり耳なんだな。
〈ゴブリン族の首飾り〉。STR1.5倍ってことは97か、なかなかいいじゃんか。それと〈称号 ゴブリンヘイディド〉の打ち消し。どんな効果が打ち消されるんだ
〈称号 ゴブリンヘイテッド〉━━━━━
効果:ゴブリンから狙われやすくなる
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めっちゃ打ち消していいじゃん。ありがてぇ。装備しとくか。
『〈ゴブリン族の首飾り〉を装備しました』
『STRが97になりました』
『〈称号 ゴブリンヘイテッド〉の効果を打ち消します』
さてと、ベルの花を探しにちょっと奥に行くか。
あっ音量下げてっと。