8話『他のプレイヤー』.16
さて、どうやらゴールディヘラクレスはほぼいる場所が確定らしくあっさりと見つけることができた。ただ、一つ吃驚することが、あの隕石のような大きさだと言うことだ。
「基本的にでかい生物は穏やかだけど、もし戦うってなったら勝てそうにないよな」
「プレイヤー全戦力ならいけるだろうが、ソロじゃ絶対無理だな」
ソロで行けなくもないが、時間がかかりすぎるし。システムから警告が出る可能性もあるから、長時間はキツイな。
「じゃあ掘ってくるわ」
「んじゃ俺は適当なことして待ってるわ」
「あっその前に、これ」
ノーシュはそういうと、なんらかのポーションが入った瓶を投げ渡す。
「なんだこれ?」
「それは万能解毒ポーションだ。ここの虫たちが大きい理由の一つに酸素量の多さがある」
「あぁなるほどね。長時間居ると体調を壊すと」
「そう言うこと」
ノーシュはゴールディヘラクレスの背に登っていく。
俺はノーシュに渡された万能解毒薬を飲み、あまりノーシュを見失わない程度で⋯⋯まぁ、見失ってもゴールディヘラクレスを探せばいいのだが。見失わない程度の距離で探索をする。
と、その前に。
「ステータス」
ステータスの確認だ。
━━〔ディグニファイド・ブラック〕━━
Lv:15
所持ステータスポイント:80
HP(体力):120/120
MP(魔力):60/60
STR(筋力):146
DEX(器用):50
AGI(敏捷):68
VIT(防御):56
STM(持久):50
所持金:4500G
武器・右:バックワーズスペード
武器・左:神樹軽盾
頭:---
胴:ヴァルヴァイスチェスト
腕:ヴァルヴァイスアーム
拳:ヴァルヴァイスフィスト
腰:ヴァルヴァイスベルト
脚:ヴァルヴァイスレギンス
足:ヴァルヴァイスブーツ
アクセサリー:ゴブリン族首飾り
所持品:
・水晶甲兜の角×24
・水晶甲兜の外殻×162
・水晶甲鍬の殻牙×64
・水晶甲鍬の外殻×148
・晶甲蟲の殻翅×182
・晶甲蟲の薄翅×156
ーーー(開く)
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さて、これとこれとこれにして⋯⋯こっちもあげとくか。
よし、出来た
━━〔ディグニファイド・ブラック〕━━
Lv:15
HP(体力):150/150
MP(魔力):80/80
STR(筋力):170
DEX(器用):50
AGI(敏捷):70
VIT(防御):60
STM(持久):50
所持金:4500G
武器・右:バックワーズスペード
武器・左:神樹軽盾
頭:---
胴:ヴァルヴァイスチェスト
腕:ヴァルヴァイスアーム
拳:ヴァルヴァイスフィスト
腰:ヴァルヴァイスベルト
脚:ヴァルヴァイスレギンス
足:ヴァルヴァイスブーツ
アクセサリー:ゴブリン族首飾り
所持品:
・水晶甲兜の角×24
・水晶甲兜の外殻×162
・水晶甲鍬の殻牙×64
・水晶甲鍬の外殻×148
・晶甲蟲の殻翅×182
・晶甲蟲の薄翅×156
ーーー(開く)
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『HPが150になりました。MPが80になりました。STRが170になりました。AGIが70になりました。VITが60になりました』
『〈ゴブリン族の首飾り〉の効果でSTRが255になりました』
そこそこ上がったな。なんかノーシュは裏で作業して今はSTRは400近くでAGIは500近くらしい。それでも追いつけないカーボンビートルは何者なんだよ⋯⋯
にしても、流石は《蠢ノ嶽乃蠱》から来た奴らだ。あそこに関してはサミュエルでも嫌がってたからな。オスカーに関しては「絶好の狩場だぜ」って言って暴れてたけどな。暴れ回ってるうちにゴッテスワームに食われたのは傑作だったな。
俺はちょうど一年半くらい前の記憶を思い出しながら森を歩く。
あれはあれで楽しかったな。まぁ、このゲームはできればRin-Kurokuzuではなく黒葛 凛として、ディグニファイド・ブラックとして楽しみたいから関係ない話なのだが。
それにしても、この森。木々が多すぎて先が見えない。一応ゴールディヘラクレスは分かれば圧が感じ取れるので、どこにいるか感覚的にわかるのだが⋯⋯ノーシュと逸れたら会うのは難しいだろうな。
そういえば、ここの主ってどんなやつなんだろうか。虫の王って聞くとベルゼブブが最初に浮かんでくるな。が、あいつに関しては蝿の王だから今回については関係ない。虫⋯⋯と言うよりも蠱毒の王か、つまり毒を持つ虫だろ?毒を持つ虫といえば蜂・蟻・毛虫・百足・ダニ・蛾・蜘蛛・蠍、エトセトラ。そこから勝つとなると、羽があるやつは勝ち残れない。攻撃手段が圧倒的にないからだ。毛虫とダニは論外、蛾は攻撃ができないし、蜂は攻撃できたとして百足や蠍の外殻を穿つことができない。つまり百足や蠍が勝ち残る。が、ここで京足と同じで毒を持ってないが京足と違い毒を無効化できる力を持っている虫が現れると話が変わってくる。で、毒を無効ではなく毒針が刺せない装甲ならオオエンマハンミョウとかが挙げられる。やはり、この辺が出てくるのだろう。まぁ、魔法があるこの世界だから単純な強さで終わらないと思うが。それでいくとカーボンビートルが一番強いのでは?聖属性じゃないと攻撃通らないし。
すると、遠くの方で衝撃音が聞こえる。何事かと音のした方に近づいてみれば、プレイヤーとカーボンビートルが戦闘していた。どうやら先ほどの衝撃音はカーボンビートルに突き飛ばされ、吸鉱樹に当たった音のようだ。吸鉱樹は腐っても金属なので、相当な硬さがある。そのため、吸鉱樹に当たったプレイヤーは【麻痺】と【出血】で身動きが取れない状態となっている。
さて、助けてやるか。名前はグライヒ・ゲヴィヒター・リヒトか、名前の由来はなんだろうな。まぁいいや、とりあえず。
「【大天使の裁き】」
てなわけで、進化したスキルを使うことにする。どうやらカーボンビートルは死からの復活で経験値を獲得しているらしく、実際の強さ⋯⋯もとい、硬さはレベルの三分の一程度らしい。
そして、俺の放った攻撃がカーボンビートルに直撃し、カーボンビートルが霧散する。
本来のカーボンビートルのスピードはノーシュは余裕で追えます。が、カーボンビートルが形を崩さない程度で粒子を広げたことにより、見えなくなったのが原因です。ノーシュはすかさず【索敵】を使いましたが、対象が小さすぎでサーチに反応がありませんでした。なので、反応が遅れ吹き飛ばされたのです。
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リヒトは出番少ないけど1番好きなキャラです。




