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Numerous Divided Life ニュマラスディビデッドライフ  作者: 靄然 翠
〈第1章 水面に映りし月の影〉
14/62

4話『途迂回道虫避座来離外』.12

出し忘れていた設定。現在、召喚士は居らず召喚板という魔法と機械で作られた板が召喚をしています。

 というわけでトイレと飯を済まして再びログインをする。休憩所から出ると、既にノーシュがログインしていた。


「待った?」


「いや、全然待ってない。いまさっき俺もログインした所だからな」


「なら良かった」


「じゃあ行くか」


 俺らは休憩所を後にする。


「で、今からどこに行くんだ?」


「【跳蟲填黒(ちょうちゅうてんこく)(りん)】ってとこだ」


 跳蟲填黒林はルーヴィンシュタットの西部とトレードボーグ南部に位置する森である。名前に林と入っているが森らしい。跳蟲填黒林は三部構造で、深森(しんしん)部・中林(ちゅうりん)部・浅木(せいぼく)部に分かれている。浅木部は多種多様な虫型モンスターが住んでおり、初心者にもオススメな狩場となっている。中林部は浅木部の中でも強いモンスターが行き来したり、それよりも強いモンスターが常駐する場所である。深森部はそんなモンスター達が争う所で、別名深樹蠱毒(しんじゅこどく)と呼ばれている。深森部の中心は他の場所より数段高く、蠱毒の王がそこにいる。そして、新たに蠱毒で勝ち残ったものが王に挑む。しかし、現プレイヤー最強格を持ってしても勝てないので新たに勝ったものは抵抗虚しく蠱毒の王に負ける。もちろん、現プレイヤー最強格が負けるのは一体一(サシ)の場合であり、現プレイヤー最強格が力を合わせれば勝つことが出来る。


「で、ノーシュは何が狙いなんだ?」


「俺が狙ってるのはクリスタルスタッグのレア種であるオブシディアンスタッグの外殻とクリスタルビートルの変異種であるゴールディヘラクレスの背中に生えた鉱石だ」


 ノーシュに聞くと、クリスタルビートル&スタッグは地中深くに根を張り、鉱石から養分を得る吸鉱樹(サックジュエル)の幹にクリスタルビートル&スタッグの元の種が卵を産んだことでできた種であり、その中でもより良い吸鉱樹で生まれたクリスタルビートル&スタッグはダイヤモンドビートルとオブシディアンスタッグになる。ゴールディヘラクレスは中林部で生まれた個体である。また、中林部で生まれたクリスタルスタッグはビスマスタッグというらしい。このゴールディヘラクレスとビスマスタッグはユニークモンスターらしい。大まかに分けてイカれた変化をした中で、再現性があるのをユニーク、ないのをニュマラスオンリーモンスターらしいのだが⋯この前会ったイポティスはユニークモンスターらしい。モンスターじゃないけどモンスター判定だからか?。えっ、まさか再現性があるとか?。確かに装備と武器と戦闘方法を同じにすれば再現出来るし⋯でも、なんでモンスター判定なんだ?


「じゃあ俺はダイヤモンドビートルでも狙ってみるかな」


「おっいいな」


 そんな会話をしていると、草むらから音がしたので草むらの方を見てみると白い線が入った黒い影が飛び出してくる。来るとは思っていなかったので武器を持っておらず、咄嗟に腕でガードする。どうやらウルヴァイスアームは盾のように防げるようで、ジャストガードが発動する。


 ジャストガードとは、相手の攻撃にミリ単位で合わせることで発動するもので、他にジャストパリィとジャスト回避がある。それぞれ攻撃の無効化と数秒間の硬直に加えて効果があり、ジャストガードがノックバック。ジャストパリィが攻撃力の上昇、ジャスト回避が数秒間の速度上昇が付与される。


ジャストガードについて詳しく説明すると、ノックバックにより腹部の露出などが起こる。


「なんだなんだ」


 目の前を見ると猪が仰向けになっていた。


 今回の場合は反動が強すぎたみたいだ。


「タックエバーだな。別に攻撃目的じゃなくて移動しようとしてたみたいだぞ。駆け抜けようとしてディグニが前にいることに気づいて顔が引き攣ってたぜ」


「え、俺黒い塊しか見えなかったけど?」


「それについてはAGIが関係してるな」


「なるほどな。あっ」


 タックエバーが逃げたので思わず声が出る。


「あれ?今のタックエバーの鬣、白くなかったか?」


「白かったな」


「ディグニ、早く下がれ」


「分かったけど、なんで?」


「見てればわかる」


 ノーシュに言われておきあがり、数歩後ろに下がる。すると草むらが先ほどより大きく動き、大量のタックエバーが走り抜ける。


「動いてなかったらボコボコだったな」


「よく来るって気づいたな」


「さっきのはタックエバーの長だからな」


「そうなんだ」


 猪が駆け抜け終わり、地面が猪の足跡だらけになる。


「じゃあ行くか」


「おう」


 再び歩き出す。数分間歩くと雰囲気が少し変わる。


 周りを見ると蟻の死骸がたくさんあり、それは木の幹にしがみついていた。その中の幾つかは死骸から突起物が生えていた。


「トーンアルイの死骸だ」


「なんで死骸が残ってるんだと思うけど、よくよく考えればおかしくないのか」


「と言うと?」


「あの飛び出てるやつあるだろ。この世界でなんて言うかは知らないが、冬虫夏草の一種なんだよ。多分もとの生物はクビオレアリタケっていうトゲアリに寄生するやつ。顎が木に刺さってるだろ?あれは顎の筋肉を固めてトゲアリを木に固定する役割がある。確かな」


「無駄なこと覚えてるんだな」


「いいだろ別に」


「あっ、ついたぞ」


 ノーシュにそう言われ周りを見てみると


「おぉ」


 花と虫たちが森を彩っていた。

ディグニの無駄知識は独学や兄の影響です。


この世界でも冬虫夏草は冬虫夏草です。


トーンアルイの死骸が跳蟲填黒林の周りにあるのは、湿っておりクビオレアリタケが元の冬虫夏草の住処にピッタリだからです。


イポティスが何故モンスター判定なのか。


現在の召喚者には███████████というものがあり、レベルシステムやネームプレートなのが該当する。███████████は██時代の████████の科学者███・██████が召喚板に備えたシステムで、それによるプレイヤー,NPC,モンスターの判別は███・██████が定めた████████の内に入っているか入っていないかであり。イポティスはその一つである██という行為を行っていないので████████に入っておらずモンスター判定となっている。

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