0話 Numerous Divided Life
Numerous Divided Life
ニュマラスディビデッドライフ
略してNDL
訳すと“数多に分けられる人生”
このゲームは2212年の1月にリリースされたVRMMORPGである。NDLはVRゲームの中でも絶大な人気を誇っており、その理由は複数ある。1つ目は他のVRMMOと違いオフラインソロプレイができることである。
「やっとできる」
この俺、黒葛 凛は4月が始まり、大学入学の準備が整った今日やっとNDLをプレイできる。ある理由があって今日まで出来なかったからな。兄に誘われてたし、早速やろう。
俺はヘッドホン型のゲーム機の電源をつけNDLのカセットを入れて、頭に被りベットに横たわる。
◆◇◆◇
数秒後、目を開けると俺はベットの上ではなく、何も無い真っ白な空間に立っていた。
そして、この奇怪な部屋にもう1人。女が立っている。
『NDLにようこそ、生体認証を始めます』
人間では無いのだろう。機械的な声で喋っている。
『認証完了。登録された⋯』
そう言われる最中に、俺の前に青い枠に『YES or NO』と書かれた板が出てくる。こいつはタブレットという。
俺は速攻でNOを押す。
『NDLについて説明を受けますか』
俺は基本的に説明はスキップするタイプだから迷わす『NO』を押す。
『オフラインプレイですかオンラインプレイですか』
タブレットに『OF or ON』と出る。
もちろんオンラインプレイだ。
『キャラクターの名前を決めてください』
『ディグニファイド・ブラック』俺はそう名前に入れる、ディグニファイドは凛、ブラックは黒葛の黒、安直な名だ。
そして、これが2つ目の理由、名前の文字数が15ってこと。このおかげで今までディグニファイドとかブラックしか入れれなかった名前が全部入れられる。
『キャラクターの外見を決めてください』
そうすると、目の前に俺と全く同じ顔のマネキンが出てくる。顔が同じな理由はキャラメイキングをしやすくするためだろう。法律で決められたVRゲームの規約で声は変えることができなくなっているため、見た目を元から変える過ぎと顔と声が合わなくなったりするので、そうしてるのだろう。
VRゲームの規約には他にも、『VRゲームをする場合、2時間おきには休憩をすること』が設けられている。
俺は特にいじることなく『決定』ボタンを押す。
俺はリアルの顔でゲームしてても別になんとも思わない、街中を歩いてるのと対して変わらないからな。
またタブレットの文字が変わり初期装備となる。
これが4つ目の人気の理由。武器職がないこと。
このことにより、片手剣や両手剣はもちろん。両手に槍や盾に銃などが出来る。そして、これと合わせた5つ目の理由。全ての物に当たり判定があること。これにより、この世界にあるもの全てを武器にすることが出来る。勿論、武器は作ることが出来るし、名前も自分で決めれる。
その辺のものを【装備】すると武器扱いにもなる。
ここでは予算1万Gだ。
予算1万でどこまで仕上げれるか、もう決めてある。初期防具(Tシャツ)は0Gで、ただの服だ。ただし素肌と服では痛みの感じ方が違うので【打撃耐性:超極小】が着いている。これは、一般人のパンチなどを少々緩和する程度だ。因みに、耐性は超極小、極小、小、中、大、極大、超極大とある。
服はそのままで、武器を選ぼう。武器には重さという概念があるので軽いものを選ぶ。1番軽く0Gの武器〈木こりの脆斧〉を選ぶ。
〈木こりの脆斧〉━━━━━━━━━━
耐久:50
切れ味:1
・木こりが使う斧、そこら辺の石と棒から作るため非常に脆い。
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切れ味というのは、攻撃時にプラス補正がかかるものである。
算出は、STR×切れ味値/10になる。この場合1/10だ。
基本の攻撃値はSTR/5であり、そこにSTR×切れ味値/10を足した値がダメージとして入る。もっとも、攻撃値は基本の値であって時と場合によって大きくなったり小さくなったりする。
次に盾を選ぶ、今回は基本片手剣ビルドにしようと思う。まぁ両手剣や太刀も使うのだが。基本は攻撃受ける前提でしようと思っている。
〈神樹軽盾〉。キャラ設定時に買える1番軽くて強い盾。1万するが、実はこの値段は原価の1/10000の値段なので簡単に言うと1億の価値がある。なので強くはあるが他を捨てることになるのであまり使う人は居ない。それにここで買ったものは【非売品】になるので、金稼ぎにも使えない。あと、ここで残った金は持っていけないから全額使った方が得である。
そんなことはさておき、俺は盾を選択する。盾を選択した瞬間、所持金が0になる。
〈神樹軽盾〉━━
耐久:10000
【打撃耐性:∞】
盾が受けた攻撃はPL[プレイヤー]には届かない。盾の耐久値に入るダメージはどんな攻撃でも一だけ
【無感重力】━━
一切の重さがなく、行動を制限されない。
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バックボタンを押して画面を戻し、『決定』を押してキャラメイクを終了する。
『次に、召喚される街を決めて下さい』
この世界は一つの島(大きいと言えば大きいが、小さいといえば小さい)の上に広がっており。東と西、それと中心に街がある。
科学の国 《サイエンコーター》東
騎士の国 《ルーヴィンシュタット》中心
商業の国 《トレードボーグ》西
俺は《サイエンコーター》か《トレードボーグ》がいいんだが、兄と友達との約束で《ルーヴィンシュタット》にしないとだからな。
《ルーヴィンシュタット》っと。
はい、初めまして。靄然 翠です。まず、見てくれてありがとうございます。作者がこんな早くに話しかけてくんなって感じなんですけど言っとこうかなと思いまして。この作品なかなか書き進めれてなくて、投稿すればちょっとやる気出るかなと思って投稿したんですけど。この数話後で今止まってまして、もしかしたら投稿が遅れるかもしれません。