001 世界中の男のうち98%が太ももへの転生を希望していて、残りの2%が胸への転生を希望しているという統計をWHOが出している
その日、俺は仕事へ行くために道を歩いていた。
そして、いつものように、高校へ登校中の女子高生の太ももを見ていた。
いや、特にやましい気持ちがあるわけではない。
単に太ももが好きすぎるだけだ。
信号待ちをして、横断歩道で待っているときも、前に立つ女子高生の太ももをみていた。
それが俺の至福の時間だった。
これで、俺はなんとか毎日社会人としてやっていけているのだ。
そんなときだった。
トラックが突っ込んできた。
俺は、とっさに、この素晴らしい太ももを救わなければならないと思った。
体が自然と動いていた。
俺は太ももをかばい……。
トラックに轢かれた。
地に伏す。
俺が最後に見たのは、女子高生の太ももだった。
素晴らしい、白くて弾力の有りそうな太ももだった。
母さん。
やっとわかったよ。
俺は、このきれいな太ももを救うために生まれてきたんだね。
なにも良いことのなかった人生だが、この太ももを救うことができたのだ。
良い人生だった、と胸を張って言える。
最後に、死ぬ前に、太ももをさわっておけばよかったと思った。
次に生まれ変わるときは、美少女の太ももがいいと、そう願いつつ……。
俺は、完全に意識を失った。
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「……なんと哀れな魂」
女の声で気がついた。
なんだかひどいことを言われているような気がした。
まぶしい光の中、俺は声のする方へ意識を向けた。
そこには、光輝く美しい女性が立っていた。
「あんたは誰だ?」
俺は女の太ももを見た。
いままでに見たことのない太ももだ。
俺は人間の顔は覚えられないけれど、太ももの形で人間を見分けられるという能力を持っていた。
いままでに見た太ももは一度も忘れたことがない。
「……私は女神です」
「そうか。俺は普通の人間だ」
「いえ、あなたは普通の人間ではありません。異常な人間です」
「……? 何を言っているんだ?」
なんのことを言っているのか、さっぱりわからない。
俺は極々普通の人間だ。
「……まあいいです。あなたは尊い自己犠牲により、ひとりの少女の命を救いました。その功績を認め、あなたに転生の機会を与えましょう」
「いや、俺は……ただ、太ももを救っただけだ。少女を救ったのは、二次的な副産物に過ぎない」
「……神よ、本当にこの者を地獄へ送らなくてもよろしいのですか?」と女神がぶつぶつとつぶやいていた。
「よくわからんが、俺、死んだのか」
「はい。暴走したトラックから女子高生をかばい、命を落とされました。さきほども言いましたが、神はあなたに転生の機会を与えてくださっています。あなたが望む転生先は、どのような世界ですか?」
「太ももだな」
「はい?」
「はい、というのは了承してくれた、ということでいいのか?」
「いいえ。あの、あまりにも突拍子もない希望だったので、驚きました」
「なにを驚く必要があるんだ? 世界中の男のうち98%が太ももへの転生を希望していて、残りの2%が胸への転生を希望しているという統計をWHOが出しているのを見たぞ」
「そんな世界は滅びてしまえ」と女神。
口調が変わってしまっているぞ。
「……通常、生物から生物への転生はあります。物への転生も、数は少ないですが例はあります。しかし、身体の一部というのは……」
「なにを馬鹿なことを言っているんだ。太ももは身体の一部じゃない。人間が、太ももの付属物なんだ。おかしなことを言うのはやめてもらっても良いか?」
「……神よ。この者の魂は手遅れです。救済は不可能です。さっさと地獄へ送ってください……。え? ダメ? そうですか……。はい……」
なぜか地獄へ送られそうになっている俺だった。
「あなたは本当に太ももへ転生したいのですか?」
「ああ。そのとおりだ。美少女の太ももに転生したい」
「……わかりました。いま、とある世界で、聖女が魔王への対抗手段として、異世界からの力を求めています。あなたを、その聖女の太ももに転生させましょう」
「やったぜ!」
「……あなたにはチート能力が授けられます。電気を操る力。その力で聖女を守り、世界を救うのです」
「俺は世界を救ったりはしない。ただ、俺にできるのは太ももを救うことだけだ」
「頭が痛くなってきました……」
どうやら女神様はお疲れらしい。大変な仕事なのだろう。きっと。
「さあ、もう早く行きなさい。新たな人生……いや、新たな太もも生へ……」
女神様が手をかざすと、俺の意識は再び光の中へ吸い込まれていった……。
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そして、次に目を覚ますと……。
俺は、聖女リリアナの太ももへと転生していた。
白くて柔らかい、最高級の太ももだった。
この太ももを救おうと、心に固く誓った。
あまりにもなろうに投稿してもポイントが伸びないので、好き勝手に書くことにしました。
つづきは気分次第で書きます。
こっちの作品もよろしく。
『難易度『INFERNO』の世界でレベル1固定、ステータスALL1の最弱テイマーに転生した俺は、前世のゲーム知識だけを頼りに無双する。』
https://ncode.syosetu.com/n4609ke/
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