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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

【短編アクション年間9位!ありがとうございます!!】ただ、苦しかった

設定がゆるっとしてますので、ご了承下さい。


「なんかすっげぇ伸びてんな。最早、異常に…」と思ったら、短編の文芸のアクションで、い、1位…!ありがとう御座います!!ホント〜〜〜に感謝しか無い!!ありがとう!!!

「流石、アルベル公爵家の令嬢。愛されて過ごされたんでしょうね。我々と違って」 


_愛されてなんかいない


「アルベル公爵家の皆様はこれくらい、3歳になればやれてましたよ」


_これが全力なの。仕方が無いでしょう?


「見て、アルベル公爵家の長女様よ。次女様と違って見窄らしい魔法しか使えないんだって」


_五月蝿い


「アレで、アルベル公爵家が務まるの?」


_五月蝿い!!!



「はっ…!」

 ガバリと豪奢な自室のベッドから起き上がる。


(嫌な夢…)


 ベッドから降り、鏡台の椅子に座る。 

隈が出来ていて体の凹凸が全く無い体。ご令嬢では有り得ないパサパサの短い銀髪に血を彷彿とさせる紅い瞳。これが私、フラール・アルベルだ。

「ははっ。見窄らしくて笑っちゃうな」

 暫くケタケタと笑っていたら、思わぬ訪問者が来た。

「お姉様」

 豊満な胸とスレンダーな体。サラサラで毛先がウェーブした長い金髪に生い茂る森を彷彿とさせる緑色の瞳。これが私と比べられている妹のアリア・アルベルだ。

「アリアか。どうした?」

 あの日から私は男になる事にした。だから、口調も服も全て男性のそれだ。 

「お姉様…あの、婚約者様が来ておられます」

 オドオドとするアリアは男性からしたら庇護欲を唆られるんだろう。だが、私は別に何も思わない。

「ん?()婚約者様が何の用かな?」

 ある事件で『婚約者』に『元』が付いてしまったし、私も男になる決意をした。それからは『元』婚約者には会っていない。

「あっ、すみません。『元』でしたね…」

「で?要件はそれだけ?」

「はい。それだけです」

「じゃあ帰って。『元』婚約者様にもお帰りになられる様に伝えておくから」

 出来るだけ笑顔で対応する。

「…あの!」

「帰れ」

 グイッと押して、強制的に帰らせる。

「お姉様!!」

 扉の向こう側で何かを叫んでいるが、無視を決め込む。

「この部屋も、あの憎き妹も、クソな両親とも、今日で会えなくなるな…」

 私は今16歳。本来ならば学園に在住している歳だが飛び級で卒業している為、これからアルバイトとしてやっていた『第一騎士団』に入る。そこは寮制なのでここから離れる事が出来ると言う訳だ。

早速、鞄1つに荷物を纏める。

「こんなモンしか無いなんて…」


(自分ではあまり買わないし、プレゼント類も貰った事がないし…妥当か) 


鞄を持ってそこに居た執事に声を掛ける。

「家族と元婚約者様にこれを渡してくれ」

 『母様へ』『父様へ』『アリアへ』『ファカリ様(※元婚約者)へ』と書いてある手紙を渡す。

「畏まりました。どうぞ、お元気で」

 分かっているのだ、この執事は。私が寮に行く事を、もうここへは帰らない事を。

騎士団に入ると、殉死もしくは国王の命令でないと辞められない。しかも、貴族籍から除かれ、『騎士籍』と言う平民でも貴族でも無くなる。それはつまり、王様以外誰からも干渉が出来無くなると言う事だ。それだけ覚悟がある人しか入れない。

「あぁ、元気で!」

 とびきりの笑顔で答えた。


❖ 


 王都にある第一騎士団詰所に私は訪れていた。

「フラール!お前が入ってくれれば百人…いや、千人力だよぉ!!」

「あはは、ありがとう御座います。騎士団長」

 うっうっと泣きながら縋ってくるのは、短い赤髪に碧眼のお兄さんとオッサンの間の歳の騎士団長、ヴィー・サムンラだ。

「良し!これがお前のだ」

 剣が十字になっているのを背景に鷲が翼を広げていたマークが右腕に記されている鎧をくれた。

「え?騎士団試験はどうしたんですか?」

 通常は騎士団試験、騎士との模擬戦をしてから合格か不合格かが分かる筈なのだ。だから、鎧が先に届いているのは可笑しい。

「あぁ、やってただろ。だから、お前はただの『フラール』だ」

 至極当然と言う顔をされたのでコチラが覚えていないのかと思い、記憶を手繰ってみたが思い出せない。


(それは喜ばしい!だか、それはいつの事だ!?)


「ほら、前に来てくれた時に騎士達と模擬戦して勝ってただろ」

「あっ!」

 

(そうだ!確か、1週間前に卒業前の最後のアルバイトに来たらたまたま仕事が無くて、暇だったから剣の稽古がてら模擬戦をしてあっさり勝ったんだった!)


「あぁ、成る程」

「もしかして、あんなにボロ勝ちしてたのに忘れてた?」

「はい。『弱すぎてつまらないな』と思っただけですので」

「「「がはっ!」」」  

 私の言葉で何人かの騎士達が倒れる。

「クククッ!弱すぎるってよ!」

 騎士団長はクスクスと笑いながらポンポンと私が打ち負かした騎士の背中を叩いていた。

「っと、これ寮の鍵な。それと、お前用の武器」

 寮の『202』と書かれた鍵と片手剣を手渡された。

「因みに両隣の部屋は俺と副団長ね」

「え…!?」

「「「お疲れぇ!」」」

 先程倒れていた騎士達が煽ってくる。

「ほら、物を置いてきなよ」

「はい!」

 詰所から歩いて5分の所にある3階建てのアパートがあった。これが寮なのだろう。

「ん?あぁ、新人さんね。202は2階だよ」

 外を掃いていたお婆さんが教えてくれた。

「ありがとう御座います」

 中に入り、階段を登った目の前に『202』と書かれた扉があった。


(両隣が騎士達と副団長…何かの罰ゲームかな?)


 部屋は意外と広く、住心地が良さそうだった。



「皆集まったな。魔物討伐に行くぞ」 

 先程、詰所に流れていたゆるっとした雰囲気からピリピリとした雰囲気に変わる。

「「「はっ!!」」」


(アルバイトでもあったから、あまり変わらないな…)


 重々しい雰囲気の中、森に入り魔物を探す。

「ガウッ!」

 魔物の鳴き声で全員が構え、戦闘準備に入った。

「ぐあっ!」

 いきなり飛びかかって来た狼の形をした魔物に1人引っ掻かれてしまう。

「………」

 私は片手剣を持ちながらスッと近付き、ストンと首を落とした。

サラサラと砂になって消えていく。

次々と出て来る魔物も同じ方法で殲滅する。

「おぉ!」

「ホント、楽になるよなぁ」

 周りの騎士達は他の魔物と戦い、討伐していた。

その戦闘も直ぐに終わる。

「終わったから、焼肉だー!」

 騎士団長の言葉で皆の瞳が喜びの色を纏う。

「「「おぉ!」」」

「何食おっかな〜♪」

「フラールには、俺が大好きなタンをやるよ!」

「フフッ、それは嬉しいな」


(あそこより、こっちの方が家族らしいや!)


 この後、最後の1枚の焼肉を巡り乱闘騒ぎが起こるのだが、それは騎士団長が勝った。


_家出をされた人達サイド


『母様へ。私は第一騎士団に入りました。自分も魔法がショボいクセにグチグチ言ってくる母様とはもう会う事は無いでしょう。さようなら』 

 この手紙のを読んだ母様は顔を真っ赤にして怒り狂いました。

『父様へ。母様の手紙の通り第一騎士団に入りました。貴方が望む娘に無れなかった事はお詫び申し上げます。さようなら』

 何となく察していた父様は少し寂しそうな顔をしながら手紙を仕舞いました。

『アリアへ。私からぶん取ったファカリ様とは仲良くしていますか?どうでも良いですが、お姉様は貴方が憎かったです。ニコニコしながら全部を奪っていく貴方が、とてもとても憎らしかったですが、もう関わらなくて済むのでスッキリしてます。さようなら』

 恨み言満載の手紙を読んだアリアは泣き伏しました。まさか、自分の行動が姉を苦しめていたなんて知らなかったのです。

『ファカリ様へ。私は貴方の事が好きでした。あの事件、そう貴方がアリアに一目惚れし愛瀬を楽しみ、私の婚約を白紙にするまでは。婚約は結べなかったらしいですが、楽しいですか?元婚約者の妹と恋人ごっこが出来て。まぁ、浮気性のある貴方の気持ちは最後まで分かりませんでした。さようなら』

 ファカリ様は煽りと正論のダブルパンチで頭が真っ白になってしまいました。


面白かったなと思ったら、『☆』『感想』をよろしく〜!!

PS.すごい伸びててめっっっっちゃ嬉しい…!

ありがとうございます(泣)!!!

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