80話 会議フェイントと会議(笑)
あの勝負の後、リスポーン地点更新をし、夕飯を食べて、現在会議中。
「それで?」
「全てが終わる前に手を貸してくれ」
「…………少し内々に話し合いをさせて欲しい」
「分かった。ここは空けておくので存分に話し合ってくれ」
「助かるよ」
魔王のおじいさんとその部下と俺とネアとマツで会議していたが、話の重さに意見をすり合わせることにする。
「どうしようか?」
「よく分かりませんが、私はご主人様の意向に従います」
ぶっちゃけそれが一番困るんだよなー。
「……ちょっと……待ってて」
「?」
会議室からネアがトコトコ出ていく。
「ご主人様、具体的に魔王は何を要求したんですか?」
「具体的、うーんと、プレイヤー達を俺らで育てろって感じだな」
会議では迂遠な言い回しが多かったから、この脳筋メイドには難しかったようだ。
「話し合いをするほどでしょうか?」
「するほどだ。プレイヤーを育てる義理なんて無いけど、何かが危ないらしいからな」
「危ない?」
「…………お前、寝てたろ?」
「そ、そんなこと無いですよ? メイドですしおすし」
黙らっしゃい。メイド関係無いし、絶対寝てたな。
「何か聞き取れない単語のやつが世界を飲み込む……的なことを言ってたんだ」
「聞き取れない単語ですか?」
「聞き取れなかったんだ」
「あー、ご主人様も寝ていたんですね」
「一緒にすんな」
はぁ、誰かもっとマシなメイドを寄越してくれ。
「……お待たせ」
「おかえり。うん? そいつらは……」
「げっ!」
「おー、ノワールの兄貴やんすね」
ネアがタラッタちゃんと、おまけ二人を連れてきたみたいだ。
「何でここにいるんだい?」
「それはね、」
「お嬢様がしくじって捕まっちまったでやんす!」
「ちょっと! 何で言うの!」
「しりとりで負けた腹いせでやんす」
相変わらず騒がしいな。捕まってる割にはしりとりする余裕があるみたいだし、手錠はそのままでいいか。魔王さんに頼んで取ってもらった方がいいと思ったんだけどなー。
「何故こいつらも連れてきたんだい?」
「……魔王に……引き取れって」
えー、こいつらの面倒も見なきゃいけないのかよ。ただでさえ幼女とアホメイドが居るのに。
「とりあえず会議をしよう。議題は今後の身の振り方だよ」
「私はご主人様に着いて行きます」
「……同じ」
「えっと、自由になりたいなーって思ったり」
「お嬢様に着いて行くでやんす」
俺的にはタラッタちゃんを家に送り届けて、あのゴミクズを何とかしたいな。
「自由になりたい二人はお好きにどうぞってことで……」
「……監督不届き」
そうはならんやろ。別にこのアホ達の上司でもないんだし。
「……提案……二つ」
「どうぞ?」
ネアから提案か、珍しい。
「……クラン設立」
「待って、クランって何?」
初耳だ。そんな機能は無かったと思うが。普通のゲームだと、クランはプレイヤーで組むチームみたいな感じのやつだっけか。
「……明日からできる」
「え、新機能?」
「ご主人様は公式サイト読んでいないのですか?」
マツも知ってるのか!?
「明日から第二陣参入で、同時にバージョンアップするんですよ?」
両方とも初耳だ。下調べ全くして無かったのは良くなかったのでは? いや、ここまで来たら貫き通してやる。
「バージョンアップってログインできなくなるの?」
「日付け変わると同時に瞬時にバージョンアップするんですよ」
すっげー。
「…………メイド、私のセリフ」
「あら? すみませんね、あまりにも遅々として話が進まないもので」
仲悪っ。会った初日でそこまで険悪になるのってそんな無いだろ。……あったわ。俺とゴミクズみたいな感じか。
「話戻すけど、クランを作る理由は?」
「……イベント……クラン対抗」
「もうイベント内容発表されてるんだ」
「……推測」
推測かい。でも、態々クラン機能を追加するってことはつまりそういうことなんだろうな。
「作ろうか。この三人で」
「「「「え?」」」」
「え?」
そういう話じゃなかったの?
「……このアホ共も……監督として」
後ろでそのアホ共が頷いているが、面倒くさい。絶対面倒事を起こすもん。捕まってる時点でハッキリ分かるんだ!
「まぁ、戦力的にもいいかー。流石に三人でクランってなっても寂しいしねー」
「棒読みになるほど嫌なの? 私たち強いと思うんだけど……?」
「お嬢様よりは役に立つ自信あるでやんす!」
「カルマが悪だし、いいんだけどね。あんまり騒がしくしないのと、余計な事をしないようにね?」
「任せて!」「得意でやんす!」
嘘つけ。
「……二つ目……見に行く」
提案二つあるって言ってたな。
「見に行くってのは?」
「……魔王が危惧してる……脅威」
ただの会議回なんてつまんないから早歩き。
サブタイトルらしきものをつけ加えました。主張が激しくなりましたが、内容は変わりません。今後ともよろしくです。




