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恋人の特別性について

作者: ぺぺろん

運命の相手だとか、唯一無二のヒトだったりとか、そんな言葉がある。

今の自分の恋人こそ、世界でオンリーワンで特別で、この人がいなきゃ生きていけない、そんな恋愛。


一度はだれもがそんな理想を思い描いただろう。

僕だってつい前までそうだった。


だが、実際の恋愛はそうではない。

たまたまいいタイミングで出会ったから付き合って、さらにその中でたまたまお互いの調子が良ければ長続きし、たまたまその人だと選んだから婚姻する。


全ては偶然の引き合わせ、無限通りある可能性から無作為に選ばれた選択でしかない。


人を好きになる経験が少ないと、特に恋愛に対し特別視してしまう傾向が高くなるように思う。

今まで異性のことをあまり好きになんてならなかったのに、この恋人にだけは好きと思えた。

だから彼、彼女は自分にとって運命なんだ、唯一無二なんだ、そう考えてしまうことは多々あるだろう。


だがそんなことはない。

それは今まで自分が異性とあまり出会わなかっただけかもしれないし、まだいない架空の恋人という存在に対してカチコチな自身の固定観念を押し付け、期待を高めすぎていただけかもしれないし、自分が最も相手を求めるジャストタイミングで現れてくれただけかもしれない。


好きという感情も、一種の暗示に過ぎない。

脳がそう感じる様に仕向けているだけかもしれない。


それが恋愛を俯瞰的に見た真理であると僕は思う。




けれども、自分は恋人にとって特別でありたいと願うのはごく自然なことではないだろうか。

僕はそうだ。

そりゃあ、誰よりも特別でありたいし、燃える様な熱い恋をしたくはある。

たとえそれが幻想であっても。

なぜなら、それが人間なのだから。


架空に憧れ、無き幸せに想いを馳せ、願望を糧に生きる。

それらは自分が創り上げるもので、みな同じではなく、人それぞれ存在する。

それに近づくために人は日々生きる。


恋愛はその架空の幸福願望の中のひとつであるといえる。

運命の相手と恋をしたいような人間の実態は、自分の架空に対する思い上がりでしかない。


理想は永遠に訪れることがないから理想なのである。

今あるひとときの幻想を、理想への前進のその過程を、僕は大切にしたい。

















終わりがないのが終わりッ!ゴールド・E・レクイエムッッッ!!












追記

ずいぶんと悲観的な見方で書いてしまったが、実際そこまでネガティブに考える必要はない。

たとえ幻想の中でも、その時その瞬間の恋は誰しもが特別なはずだから。

夢を見ることくらいは許されても構わないだろう。

こう見えて、自分も未だに純愛の存在を盲信している。

人生経験の浅い僕は、まだまだ拙な恋愛を追い求めているのだろうなあ。

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