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異世界道中膝栗毛4代目(ニーマロン続編)

異世界道中ニーマロン

https://ncode.syosetu.com/n1400gi/

の続編。初代のひ孫、4代目のお話。@短編その40

僕は世界地図で有名な伯爵家の長男、デュボワ。

ついに13歳の旅立ちの日が来た。


この世界では、貴族は13歳になったら世界探訪をして、知己を深めると言う慣しがある。

つまり、家出て一人旅して世間を知れ、って事です。


で、我が家は代々ドラゴンで旅をして来たんです。

マロンという名の、ブロンズドラゴンです。100歳を超えていますが、まだまだ若者です。

ドラゴンは500年生きますからね!!

初代ライダーだったひいじいちゃんがこの間死んじゃって、しょげていたマロンを連れての冒険の旅!!

初代のやってることその2、道中記を書くこと。僕で4代目となる。

僕はひいじいちゃんが書いていた『膝栗毛』を持って旅に出たんだ。

ひいじいちゃんの時代の料理を食べたくて!

ひいじいちゃんは、実は異世界転生者だったんだ。

そして僕も、異世界転生者!

ひいじいちゃんがまだ元気な頃、僕に言っていた事があるんだ。


「最近のグルメは、ワシの世界の食べ物が多くなって、この世界独自の旨さが消えつつある」


そ、それって!!まるで日本で増殖したセイタカアワダチソウみたいじゃん!!

それか、アメリカザリガニ。

この世界独自の美味しさが、異世界のグルメで埋め尽くされ、駆逐されていると!!

やばい!!

黒船だーーー!!鎖国しろーーー!!

・・は無理だろうけど。

なので、ひいじいちゃんが食べた事のある『この世界グルメ』を探して食べようと思ったんだ。



ひいじいちゃんが書いてある旅のヒントには、ドラゴンを泊める事の出来る場所とかも書かれている。

餌はどこで売っているかとか。ひいじいちゃんは苦労して、探したんだろうな。

そのあとの爺ちゃん、父さん、僕はその苦労を知らずです。本当、感謝。



さて、僕は最初に選んだ街だが、ひいじいちゃんが寄ったところよりも、もっと遠くから始めるつもりだ。



北の一都市側、大きな街の名物・ひいじいちゃんの時代では、コリオーロという肉の煮込みだった。

行ったら・・・無かった。

その代わり、ホイコロという名の、野菜肉炒めが名物になっていた。

あ。これ、絶対異世界転生か転移者だわ。

元はあの中華だわ。

コリオーロはありふれた肉煮込みで、家でも食べられる品だった。

でも時間と手間がかかる。肉の下ごしらえがちょっと面倒。

だから廃れてしまったようだ。

探し回る事2日、小さい路地の隅に、その店はあった。

おじいちゃんとおばあちゃんが細々営んでいるお店で、雰囲気もあったかく、常連でもっている感じ。

よく煮込んだ肉はほろっと煮崩れ、口の中で溶けて行く。脂と赤みのバランスが良く、飽きのこない優しい味で、スープも美味い。少しマロンにも買って食べさせたい一品だった。


「これ、本当にうまい!!」


僕はニーマロンシールを、おじいさんに手渡して店を後にした。

このニーマロンシールは、初代ひいじいちゃんが考えた物で、『うまい店お墨付き』シールとも言われている。

ひいじいちゃんは黒地に白、爺ちゃんは灰色地に黒、父さんは白地に茶、僕は茶色地に橙で『膝栗毛』と書かれている。



後日談だが・・・

シールの噂が瞬く間に広がり、街の人がどっと押し寄せ・・・なかった。

だって、じいちゃんばあちゃんの二人経営の、ちっちゃなお店だもん。

で、食べた人たちが、こぞって懐かしい、懐かしいと喜んで・・


弟子が三人、そこでミッチリと修行し、暖簾分けして店を構えた。


そして『復活のソウルフード』として、元祖じいちゃんばあちゃんの店の名を掲げて経営。

今では人気の味となっているそうだ。



と、こんな感じで復活ソウルフード開拓者として、僕の名は広がったわけである。


茶色地に橙の文字のシールを見かけたら、『復活ソウルフード』認定店として、おすすめなの請け合い!



さあ、次はどのソウルフードを復活させようかな!!

やっぱり地産地消、ご当地の味だよね!

僕は元の世界の飯なんか、食い飽きているからね!

ご飯や醤油、味噌なんか散々食ったから、この世界の飯を堪能したいわけさ!


「マロン!いくぞーー!」


ぎゅぎゅ


まだまだ、異世界の味を堪能しつくすぞ!!



ほぼ毎日短編を1つ書いてます。随時加筆修正もします。

どの短編も割と良い感じの話に仕上げてますので、短編、色々読んでみてちょ。

pixivでも変な絵を描いたり話を書いておるのじゃ。

https://www.pixiv.net/users/476191

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