表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

婚約者

俺の名は、千羽 金次

異世界からの転生者だ。


前世で世界的にも人気だったゲームのキャラの能力だけを引き継いで、子供から転生した。

子供ながらに、知識と力を持っていたため、隠すのに苦労した。

持ち論、鍛えることも忘れなかった。


この世界では、成人、十二歳になると、教会で職業を貰う。

これは、自分が希望した職業に付けるのだが、一度決めてしまうと、次に決めるのにはお金がかかってしまう。さらに、適当でない職業になってしまうと、能力が一定の数値で止まってしまう。そのため、教会で適正検査を受けた後に、職業を選ぶことになっていた。


だが、俺は迷わず。錬金術師を選んだ。


前世のゲームで、職業は錬金術師、ある程度の魔法を使え、アイテムの作成も行える。

更には剣術も覚えることが出来る。

これ等の術やスキルを、苦労してあげれば本職と同じほどに成長できるという点では、非常に優れている。選ばれる職業としては一番人気だろう。

そう思ていた。


だが、現実では違った。

そもそも、モンスターたちと隣り合わせで暮らすこの世界では、悠長に強くなっている時間はない、

この世界では強さが生死に直結するために生まれた感覚だろ。故に、日本育ちで、ゲーム感覚で過ごしていた千羽、もといクロードには理解できなかった感覚である。

だが、自分の村が襲われ、自分も前線に立った時、確かに錬金術師なんて選ぶことに、非常に恐怖心を覚えた。

それでも、彼は錬金術師を選びたかった。彼が前世で残してきた祐逸の娯楽である努力の結晶なのだから。

それ故、教会でも、迷わず錬金術師、と告げたのだが、今の時代、錬金術師になる者がいなくなって久しいため、その職業が消えていた。


は?消えた?


って思ったけど、俺が『宣告の儀』で魔方陣に立つと、普通に選べた。

うん、協会側が認識してなかったみたい。

それで選んだはいいが、周りの反応が怖かった。

やれ何故そんな職業を選んだ、やれ無謀だ、やれ死にたいのか、やれ馬鹿だなどなど、好き勝手言ってくれた。


しかし、俺はめげなかったぞ。

しかし、現実とはそう甘くないようだ。

俺は、今まで技が発現しなかったのは、力を抑えてるからだと思っていたのだが、自分のえべるに合わない技は出せないようだ。

つまり、前世のレベルまで行かなければならないとのこと。

そのくせ収納は使えるのはいかがと思うが。

前世での装備は、生まれたときから収納の中に入ったままだ。


恐らくこれらも、レベルが上がらないと装備できないタイプなのだろう。


と言うことで、俺、めっちゃ頑張りました。


午前は村で魔法を教えている、老人の魔法使いに魔法士の子たちと一緒に習い、午後は鍛錬場に行き、剣術を習った。


そして夜は、錬金術師に必要な本を、アイテムボックスから取り出して読み、錬金術師について学ぶ、

途中で気が付いたのだが、石を大量に集めて剣いしたら、全てのレベルが上がった。

これで行けるじゃん!って思ったんだけど、それが出来たのは其れ一回きりだった、

なんだよ、畜生!


と言う感じで日々を過ごして三年。

俺は十五歳になった。


夜こっそりとモンスターを狩ったり、仕事を抜け出して魔法や剣術の鍛錬をし、錬金術の合成や錬成を続けた結果、三年で元のレベルまで戻ることが出来た。


まあ、皆には言っていないのだが。

おかけで、寝不足で目つきは悪くなり、隈は目立つようになった。

顔色はいつも蒼白で、ついたあだ名が、病気ゾンビ、詐欺師、などなど、とにかくいいあだ名がなかった。

更に悪いことに、右目だけ視力が少し衰えてきた。

一応砂と鉄で、モノクルを作っては見たが、一度も使っていない。


さて、そんな俺たちが道を分かつ時が来た。

そう、この村には合わせて30人ほどの十五歳がいるが、その三分の一は村を出て行く。

何故なら、村の畑はそんなにないからだ。畑を継げるのはせいぜい次男まで。三男以降はどうしても畑仕事ができない。ほかに、家畜を育てたりもできるが、俺はしない。

貰った職業が剣士や魔法士だったら、騎士団に行ったり、冒険者になったりする。


ここ、プロセイン帝国は大陸一の領土と強さを持つ、帝国である。

政治体系は、君主を皇帝に置き、その隣に議会があるどこかの王国の様な政治型だ。

この世界、レジスターと言うらしいのだが、この世界では魔法と言う物が存在する。と同時に、モンスターがはびこっている世界だ。文明レベルは中世だが、この帝国では辺境の村でも石畳の道が存在する。


そんな俺達が村を出るとき、その出来事は起きた。

今年十二歳になり、聖女として選ばれた年下の女の子に告られたのだ。


勿論、返答はイエスですよ。

そりゃ、前世含めて初の告白シーンですから。

と、喜んでいたのもつかの間、彼女は魔王を倒すために、勇者のパーティーメンバーとして国に招集されてしまった。


と言うことで、

「私、魔王を他王したら、必ず帰ってくるからね」


「ああ、待ってるよ、いつまでも」


「ふふっ、ありがとう」


と言う感じで別れた。


それが五年前

その間に俺は、彼女が見てみたいと言った伝説の花、『無限青薔薇』と呼ばれる、青い花を見つけ自家栽培に成功し、量産している。王都の一等地にも屋敷を設けた。


なんせ、前世も入れて俺の人生は今が最高峰なのだ。

ここで本気を出さずして、いつ出す?


と言う感じで、五年がたつ。


そして、今日、勇者一行が魔王を倒し、王都に帰ってきた。

凱旋を挙げたのだった。


そして、聖女エリナ、俺の彼女、婚約者が帰ってくる。


それを、俺は王都の屋敷で一人待つのだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ブックマークに登録させていただきました。今後とも更新頑張ってください。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ