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僕は君の心なんだよ。

作者: 七瀬



僕はある事があってから、すべての感情を失ってしまった。

両親と弟が火事で亡くなったんだ、、、!


その後は、僕は親戚の家で育ててもらった。

そこのおじさんとおばさんはとっても僕を可愛がってくれたけど、、、?

僕は僕は、、、。



今でも忘れられないんだ、、、。

僕の家が焼けて、お父さんやお母さん弟の名前を声が枯れるまで僕が叫んだこと!

でも、僕の声は虚しく響いただけで届かなかったんだ...。


燃え盛る炎の中で、薄っすら見えた両親と弟の影を、、、。

...その後は、もう見えなくなった。


何故かあの時、、、?

僕だけが助かられた。


『あの時に、僕の感情はすべて失われたんだ、、、!』



親戚の家でおじさんとおばさんは僕を本当の息子のように育ててくれたのに...。

僕は二人に、自分の心を開くことが出来なかったんだ、、、!


そんな時に、おじさんとおばさんが僕に言った。


『なあ~ 正博! お前が、心を失ってしまったのはよく分かる! 

でも、もうそろそろ心を開いてくれてもいいんじゃないか、、、?』

『お父さん! そんな事言ったら、、、? 正博が困りますよ!』

『...うーん、ごめんな正博、』

『...僕こそ、ごめん、』

『そうだ! 正博、風船を飛ばしてみないか? ある場所で買った特別な風船

があってな! その風船を飛ばすと、もともとあったモノが返ってくらしい!』

『...ふ.ふうせん?』

『あぁ! 嘘だと思ってやってみよう!』




僕は乗り気じゃなかったけど、、、?

おじさんとおばさんに悪いと思って、二人の言う通りにした。


それに、本当に僕の感情が戻って来るなら、、、。

僕の中に淡い期待も少しあった。


僕は怒る事も、笑う事も、何かをしたいと思う事も、何もないんだ!

欲しいモノもないし、好きなモノもない!



そして遂に、、、。

ある場所にある特別な風船を手に入れる。

買う時にこう言われた。


『あなたが以前持っていたモノがまたあなたの元に返って来ますよ~!』

『ははい、』

『飛ばす時に、願いを強く風船に込めてください!』

『はい、』

『2.3日後、もしくは1週間後には必ずあなたの元に返って来ますよ。』

『...えぇ!? それって直ぐじゃないんですね!』

『はい。』



僕は半信半疑で、風船を飛ばした。

強く想いを込めて、、、。


2.3日経っても、何にも起こらないから僕は風船の事を忘れていた。

でも、おじさんとおばさんは僕に何回も聞いてきた。


『正博! 元に戻ったか、、、?』

『お父さん! もうすぐですよ~』

『...ううん、』




もう既に、僕の中でこの事は無かったことにしようと思う事にしていた、、、!


『やっぱり、そんな事出来る訳がないよな!』


僕はプラプラと一人で映画館に入った。

今まで、どんな映画を観ても泣いたことはない!

感動もしないし、同情もしない、何も思わない!

だけど、、、それでも僕は映画を観るのが好きなんだ、、、!


子供の頃、お父さんとお母さんと弟と映画に連れててもらったことがあって!

それで、大人になった今も1人でぷらっと映画を観に行く。




...でも、この日は違ったんだ、、、。


映画で感動してあの日以来、僕は初めて泣いた、、、!!!


『えぇ!? 今、僕は泣いてるのか、、、?』

微かに僕だけに聞こえた声があった。


『やっと戻ってきたよ! 君のところに君の心が、』

『...ありがとう!』



僕は家に帰ると、、、おじさんとおばさんに今日あった事を報告をした!



『おじさん、おばさん! やっと僕のところに僕の心が戻ってきたよ~!』

『えぇ!? 本当なの、、、!?』

『正博、、、。』


3人で強く抱きしめあったら、、、。

おじさんとおばさんも泣いていた。

僕も涙が出ていた。


二人はそんな僕を見て、喜んでいた。


『これでやっと僕は、おじさんとおばさんの本当の子供になれたのかも

しれない!』



そんな風にこの時、想えたから。





最後までお読みいただきありがとうございます。

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