フラワーガーデン
太古の昔からエルフは、ヴィアパレスの城の地下にある泉で生を受けていた。
ホープと呼ばれる球体の卵に、両親から気力が注がれ数年が経つと、孵化をする。
この現象をリホープという。
エルフ族は長寿な一族だが、リホープする者は少なく一族は減少傾向にあった。
リホープは大量の気力を使う為、虚弱なエルフは精神に不調をきたす恐れがある為、女王が管理していた。
稀に多種族と婚姻を結び成功する場合もあるのだが、子供は気力の強い親の種族に系統する為、エルフ族は年々種族の数を減らしていた。
エルフ族は遥か昔からドラゴン族と友好関係にあった為、ドラゴン族の保護を受けて安穏な生活を送っていた。
しかし、数千年前黒竜により大半のドラゴン族が死滅した為、彼らも徐々に衰退していった。
フラルの両親は現女王の妹にあたり、フラルは女王オーディから我が子の様に可愛がられ育てられた。
フラルはクチールという女エルフと、カトラルという男エルフのリホープにより産まれた。
両親はフラルの孵化を見ず事故で亡くなった為、フラルは女王の比護の元育てられた。
その数年後女王にリーフが産まれ、フラルとリーフは姉妹のように育てられた。
その日はフラルが初めてお使いを頼まれた日だった。
1ヶ月後に行われるフラワーガーデンに向けて、祭りに使う祭具を森の奥の祭壇から、持って来るように女王オーディから頼まれた。
フラルはエルフ族の中では数少ない魔法戦士に属する。
エルフの戦士と森に入ってモンスターと戦う訓練は行っていた。
但し、まだ幼少の為、力の強いモンスターとは戦えず、召還魔法と回復魔法を駆使しながら戦っていた。
祭壇までの道のりのモンスターは弱いので、エルフ戦士なら誰でも簡単に行ける場所にあった。
初めてのお使いなので緊張したが、リーフも一緒について来てくれる事になったので、フラルは装備を整えて祭壇に向かった。