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第一章 猫は知っている エピローグ
仲上探偵事務所。長谷川は書類をまとめてファイリングし、仲上はデスクで物思いに耽る。事件のその後、ペットショップは警察のガサが入り営業停止。盗みを働いた店員は逮捕となった。
「なぁ、マモル。その猫ほんとに飼うのか?」
「はいもちろん」
長谷川がソファーにいる猫を抱きかかえる。猫はもともと野良。藤田が引き取り拒否したためそのままのわけにもいかず、今に至る。
「名前も決めました」
「なんだ、行ってみろよ」
「タマです」
「まんまだな。でもそいつオスだぞ」
病院に連れて行ったため、ある程度のことはわかっていた。
「じゃあ、タマ吉にします」
「いいのか、そんな適当で」
「いいんですよ。偶に吉を運んでくれる。いい名前じゃないですか」
こいつめ。長谷川はソファーに座り、膝にタマ吉を乗せ、なでる。
「それにしても、お前ほんとに猫好きだな」
「仲上さん、何を言っているんですか」
「へ?」
「僕は犬派です!」
第二章に続く
謎の更新
私は灰色の土を歩き、緑と茶色の世界を進む。たとえ道を失っても、先にはブルーな二人がいる。