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第二章 六・五話 恋するアイドル
眩しい人たち
眩しい。なにもかもが眩しい。僕が生きる世界にしては眩しすぎる。それぞれの人がそれぞれの光を放ち、尚且つその光をさらに目映く磨きをかけていく。光だ。いつも光が僕の邪魔をしていく。明るい者たちはその類の者同士で関わればいい。だから僕に近づかないでくれ。長谷川は切実にそう願う。眼鏡を眼の前に整え、再び会議室に聞き耳を立てる。この人間たちもまた眩しい人たちだ。僕は彼らの邪魔をしない。だから彼らも僕の邪魔をしないでくれ。
「マモル!」
どこかから声が聞こえた。
「情報を掴んだぞ!」
仲上がその場にいた。
「仲上さん。潜入中に大声を出さないでください」
長谷川の反応は冷淡ではあったが、彼の口角は少し上がっていた。
続く