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一方

コリコリサイドです

「ぴっぴっ」コリコリは今日もご機嫌です。

竜の頭の上から大好きな魔樹の実を取ってかじったり、竜におすそ分けに実を口元に運んでみたりします。

もっとも竜は 食べ物を食べなくても、周りに漂っている魔力を吸収できるのでお腹が空く事は無いのですが。

また別の日には、竜の足元にいた虫を追いかけて逆に虫の毒針に刺されそうになって慌てて逃げ出したりして竜に笑われていました。

毎日が楽しく過ぎていきます。


でも、最近コリコリは考えるのです。

竜が自分を大切に思って 危ない目に会わない様に気を配ってくれているのは分かっています。

でも、自分はもう大分成長して、あの大きな魔獣も撃退できたのです。

だから竜にも 少しは頼りにして欲しいな と思っていたのです。


そんなことを思いながらも楽しく日々を過ごしていると、最近、森の様子が随分変わってきたのに気付きました。

森全体が明るく見える様になり、樹々も細くなって、魔力の薄い実や草が増えているようです。

竜がこの辺りは森の端に近いので、人間がいるかもしれない、森の奥に戻ろうか?と尋ねてきました。

コリコリはまだ人間を見たことはありません。でもずっと小さい頃、両親に 人間を見たらすぐに逃げる様に言われていたのを思い出しました。

でも、コリコリは 今まで見たことのない森の様子が面白くて、もう少しこの辺りを探検したいと思いました。


それに竜は少し 心配し過ぎだとも 思ったのです。

「もうすこし」コリコリは竜におねだりしました。

こう言うと竜はいつも しょうがないな、と笑ってくれるのです。


少し進むと何やら知らない気配がしてきました。

危険な感じでは無い様です。

コリコリは茂みに隠れながらそちらに近づきます。

ですが、ふと 竜はとても大きいことを思い出しました。自分なら茂みに隠れる事が出来ますが、竜は無理です。

コリコリは竜を見上げると、どうしよう?と首を傾げます。

すると竜は楽しげに目を細めて魔力を込めた言葉を発しました。

「 こ っ そ り 」

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