僕の命令は絶対 らしかった
「じゃあもしかりに僕が支配者になったとしてこの世界の何が変わるんだ?」
「かりにじゃなくそうなんですけどね~、では説明させていただきます。
この世界には必ずこの世界以外の人が支配者となって選ばれるのです。それに見事選ばれたのが本郷新、あなた様なのです。そしてその支配者のサポート役を任されているのがこの、レイチェル・ガードナーなのです!以後お見知りおきを」
彼女は自慢げに自己紹介した
よほど自分に自信があるのだろう、と僕はこの時初めて感じた
(今じゃそれが普通と化している)
そのあとも長々と説明は続き、30分くらいは容易に過ぎていただろう
長い説明を簡単にまとめてしまうと、こうだ
・支配者は別の世界から選ばれる
・その支配者のサポート役がレイチェル・ガードナー
・この世界はすべて支配者の所有物になる
・支配者絶対
・支配者が考えたこと、思った事がすべて実現できる
っていうのが主な設定?らしかった
「では新様、支配者になった記念に何か叶えて欲しいことなどはありますか?」
「記念?え~っと、じゃあ今から1分間この世界を停止できる?」
このときの僕はまだ何も信じてはいなかった
「ふふ、かしこまりました。これより1分間この世界のすべてを停止する」
レイチェルはそう告げた
「……な~んだ、何も変わらないじゃないか」
「新様少し外の様子をご覧になってください」
僕は唖然とした
さっきまで元気よく走り回って遊んでいた子供たちが止まっている
それだけじゃない、自動車だって、噴水だって動いていない
「ね?新様のご命令は絶対なのです」
彼女はまた微笑んで言った