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サイバー・ライフとの遭遇 ~伊賀翔太編~
ーー俺はいつもの如くネトゲをしていた。クエストの舞台である草原に出た途端、目の前の画面は妙なものに切り替わってしまった。
「何だこれ !?操作も効かねえし…。何かのエラーか ?」
水晶のようなものが画面を埋め尽くしている。それはただ平面の画像ではなく、まるでパソコンが一つの箱であり、その中に別なる空間が存在しているようだった。もちろん今まで2Dでやっていたゲームが、突然3Dになる訳がない。
俺はその怪異に呆気にとられていた。そうして画面を見つめているうちに、中央で赤い光が、翼を広げた鳥のように弾けた。
「私はファルカ・シュタイナーだ。よろしく」
それが彼女との初めての出会いであり、全ての始まりだった。