第1話
とあるビル群の奥にある雑貨ビルの4階にあるドア
そのドアにはカタカナで“コロシヤ”と書かれた紙が乱雑に貼ってある
そのドアを開けるとそこにはいつものように少年と女性がいる
「ヒマってサイコー」
少年はソファーの上に寝そべっている。
「そんな暇があったらバイトの一つでも探してきなさいよ」
「なんで?」
「ねぇ?このお店の金銭事情がヤバいのは知ってるよね」
女性が笑いながら怒る。
そんな女性を見て少年はビビったのだろう
勢いよく起きて外に出ていく。
「アレはガチでやばい時の表情だった」
少年は階段を下っていた。
「どこいこっかなー」
「君。ちょっといいか」
少年が階段を下り終えるとそこにはなぜかスーツを着た若い男性が一人立っていた。
「は、い?」
「お客さん連れてきたー!」
「え!?」
少年が下で出会った男性を連れ“コロシヤ”に戻る。
あまりにも早い戻りに女性は驚く
しかもお客様付きでさらに驚きは増す。
「ねぇ、本当にお客様なの?」
女性は少年の耳元で小さく尋ねる。
「本当だよ。だってこの近くに自殺を手伝ってくれる“コロシヤ”はないか?って聞かれて連れてきたんだし」
「ってことは」
「あぁ。お客さんであり自殺志願者だ」
「あ、あの」
スーツの男性が困ったように声をかける。
「あ、スミマセン。そこのソファーに座ってください」
「はい」
スーツの男性がソファーに座ると女性がキッチンに向かう
「お茶。持ってくるね」
「おう。任せた」
そして少年は椅子に座り話を進める。
「じゃ、話をはじめますか」
「はい。お願いします」
「えっとまずは」
「あ、そうでしたね」
スーツの男性はおもむろにスーツの内ポケットに手を突っ込みあるものを取り出す。
「実は私こういった」
スーツの男性が取り出したのは警察手帳だった。
「け、警察!?」
「はい」
男性はにへらと笑いながら照れる
一方の少年はといえば
「ちょっと待てちょっと待てちょっと待てちょっと待て!!」
「ど、どうしたんですか?」
「人生こんなところで終わりかよ。ふっざけんなよ!」
明らかに取り乱していた。
警察の男性はそんな少年は前に焦っている
「ちょっと待ってください。別にあなたたちを捕まえるために来たわけじゃないですよ」
警察の男性のその言葉を聞き少年は一気に落ち着く。
「マジで?」
「マジです」
「じゃ、パクられなくて済むの?」
「済みます。だって私は自殺志願者なんですよ?つまりはあなたたちのお客なんですよ」
「よかったー!」
男性は優しく微笑みながら少年に言う。
「誤解が解けてよかった。あのそれで」
「あ、そうですね。失礼しました。本題に戻りますか」
「はい。お願いします」
少年は落ち着きを取り戻し話を本題へともどす。
「じゃ、話してくれますか?あなたがどうして死にたいかの理由を」
「わかりました」
そう言って警察の男性は話し始める。
男性は数少ないキャリア組といえばれるエリートとして警察に入った
キャリア組は年に10人前後しか選ばれないと言われる程難関なものだ
そんな男性の階級は警視長
上から3番目に偉い階級になる
毎日毎日机に向き合い現場に出ることもなくただひたすらに事件をもみ消したり金持ちの非道をそこら辺にいる一般市民になすりつける書き換えをやっていた
そんな男性はある日限界に達した
「こんなの警察じゃない」
20年近く耐えてきた偽造などの行為が理想と違いストレスとなって重く男性にのしかかっていた
男性はエリート組では珍しく気取らず熱血漢と正義感にあふれる人柄でノンキャリア組の人たちとも仲が良かった
その反面同期のキャリア組には疎まれ続けていた
しかしそんなのを気にせずに男性は周りよりも早く出世街道を突き進んでいった
そして出世していくにつれ金持ちの足をなめるようなもみ消し作業を日夜することとなる
そして男性は思い至った
いろんな人に罪をなすりつけ死に追い込んだ自分が生きていていいのだろうか
「とまぁ、こんなところですね」
「なんか黒いな」
「ですよね」
警察の男性は苦笑いをしながら人差し指で頬をかいていた。
「でもま、想像通りだな」
「そうなんですか?」
「結構前に通学バスと白バイの事故があったろ」
「ありましたねそんなこと」
「そん時、見えるはずもないとこにいたもう一人の警察の証言を裁判官が正しいと判断して通学バスに乗っていた大勢の生徒の証言を無視してそのバスの運転手を容疑者に仕立て上げたこと。本当は白バイのやつが飛び出して事故ったこと」
「あはは」
「そんな時から俺は警察を信じてないからな」
警察の男性はうつむき苦笑いをしていた。
「その事件は裁判官を金で買って私が改ざんしたんです。実はそれが初めてでした」
「そうだったのか」
少年と警察の男性は言葉が見つからずに女性が静かにおいていったお茶を飲む
「俺は、あんたみたいな人がいてよかったって思う」
「え?」
少年は笑いながら言う
「だってあんたみたいな人がいるからこそ子供たちが警察になりたいと夢をん見れるんだろ」
「でも私のやってきたことは褒められたことじゃありません」
「けど誇ってもいいと思うけど。アンタのその気持ちは」
少年のその言葉を聞き警察の男性は涙を流しながら笑う。
「すごくうれしいですね。そう言ってもらえると」
「だろ」
「けどだからこそ。もう汚いことをするのは散々なんです。そんなことをするぐらいだったら私はもう死ぬ」
「・・・わかった。アンタのこと本当は死なせてやりたくはないけど死なせてやるよ」
「ありがとうございます」
警察の男性は静かに笑いソファーから立ち上がる
「じゃ、私はこの辺で失礼します」
「わかった。そうだな2日後ぐらいにまたここに来てもらえるか?」
「はい。大丈夫ですよ」
「じゃそtれで。あ、それとアンタ。最後はパーッと派手に死にたい?」
「そうですね。そっちの方がいいかもしれないです」
警察の男性は最後にそう言いながら満面の笑みを浮かべて帰って行った。




