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コロシヤ-あなたの自殺手伝います-  作者: asit
見下し学級判決-首吊り自殺-
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第1話

とあるビル群の奥にある雑貨ビルの4階にあるドア

そのドアにはカタカナで“コロシヤ”と書かれた紙が乱雑に貼ってある

そのドアを開けて中に入ると少年と女性はいる。


「だーかーら!理由を言えって」


「嫌です。絶対」


今日はどうやらお客さんが来ている

しかし少年は珍しく仕事口調ではない

そしてイラついている


「あぁもう!話に何ねぇ」


「それはこっちのセリフです」


「いい加減にしねぇと殺すぞ」


少年は本気でキレていた

顔に怒りマークがついているかのようにあからさまにキレていた

その横で女性は苦笑いしていた


「殺すも何も今から私は殺されるようなものですから」


「はぁ。なんかマジになってんのがあほらしくなってきた。テメェ絶対に社会にはなじめないタイプだな」


今回のお客さんは高校生ぐらいの女子だ

メガネをかけ髪を三つ編みにしている頭が固いタイプな委員長もしくは生徒会長タイプな女子だ


「そんなこと言われても私社会に出る前に死にますし」


「あーそうでしたね。で、どうして死にたいの」


「それは言えません」


ここでは必ず死にたい理由を聞く

なぜならその理由がとてもじゃないがふざけていたり面白がって自殺を望む人も中にはいたりする

なのでここでは自殺したい理由を話さなければ話は進まない


「じゃあもう。お前の依頼はうけられねぇ」


「なんでですか?」


「理由を話してくれねぇとダメなんだよ。そいつにあった一番の死に方やまだ生きられるだろって理由でここに来るやつらも少なからずいる。そうゆうやつらからの依頼を受けないために理由を聞いているんだ」


「その理由をウソついたら」


「本当に死にてぇ人間は嘘なんてつかねぇし。第一お前らと違ってこっちは他人がウソついているかぐらい見破れるから。社会人なめんな」


少年は最後に舌をだし女子をバカにするようにした

それでも目の前の女子はピクリともせずにただ少年と女性を見つめる

それが不気味でしょうがなかった


「ほらとっととおうちに帰んな。しっしっ」


少年は女子に帰るよう子供っぽく催促する

すると女子が突然態度を変え立ち上がる


「あぁもう!話せばいいんでしょ話せば」


「ど、どうした急に」


「どうしたもこうしたもこれが本当の私よ!何か悪い」


「お前猫かぶり過ぎだろ」


突然の変わりように女性はついてけずにいた

少年は少しついてけずにいたがすぐにその場に態様してしまった


「うっさいな」


「わかったから。じゃあまずは理由を話してもらおうか」


「あーはいはい。わかりましたよ」



女子はとある超有名進学校に行くはずだった

高校受験に落ちて地元の三流高校に入学

そこで女子は今までクラスメイトや同学年を馬鹿にしていたツケが来た

つまりはいじめだ

はじめはトイレにいたときに頭上に水をかけられた

それから日に日にいじめはエスカレートしていく

最終的には相手の男友達によるレイプ

マンガとかではよくある話だった

女子はそれを理解していた

しかし実際に被害にあうと心のショックはデカく立ち直れなくなっていた

そこで女子は死のうと思った



「ってことだよ」


「それお前がいけないじゃん。むしろ死にたいと思ったのは相手の方じゃないの」


少年は当たり前のようにそれを言う


「は?お前が理由を言えって言ったから言ったのに何なんだよそれ」


「よく考えてみろ。すべての元凶はお前自身だ。お前が人間を下に見るようなクズな行為をしなければこんなことにはならなかった。それに受験に落ちたから地元の三流高校だ?テメェは三流以下のごみクズだから入れただけでも有難いと思えよゴミが」


少年のすべてをむき出しにした言葉は女子に深く刺さったのだろう

女子が突然騒ぎ始める


「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!私には他にはないこの頭があるんだ!下に見て何が悪い」


「その頭がないから受験に落ちて地元の高校に入ることになったんだろ」


女子のその見た目からは考えられないほどの発狂ぶりにさすがの少年もひく

しかし少年は現実を否定し続ける女子に言い続ける


「認めない認めない認めない認めない認めない。私があんな奴らと一緒の高校だと」


「認めろ。それが現実だ」


少年は静かに冷酷に言う

怒ることも怒鳴り散らすことも呆れて放っておくこともせずただ目の前に座り女子を見てありのままのことだけを言う

全てを女子に認めさせるために


「私は絶対に」


「じゃあなんでお前は泣いているんだ」


女子がその言葉とともに顔をあげると泣いていた

正確には涙を流していたの方が正しい

女子はずっと立ち上がり下を向いていた

だから涙が床に落ちていた

すでに床はかなり濡れている


「それは感情が高ぶって」


「違うだろ。認めたくないのに認めるしかない。頭では分かっているのに自分の意思がそれを認めさせない」


「ちが」


「いいかまずは落ち着け。お前が高ぶっていると思うなら感情を抑えろ」


女子は少年の言葉に従うかのようにまずは座る

そしてしばらくの間何も言わずにその場で自分自身の感情を抑える

それから女子は目を腕で拭いた

涙を拭きとっているのだろう


「すみません。ありがとうございます」


女子が落ち着きを取り戻すのに時間はそんなにかからなかった


「いやいい。そんなことよりもだ。気が変わった」


少年はほくそ笑み女子を見る

女子は何が起こっているのか状況が理解できない


「お前を死なせてやるよ」


「で、でも」


「今回は特別だ。自殺方法も頭の中に出来たからな」


少年は右の人差し指で頭をたたく

そんな少年は女子は訳が分からないといった様子で見る


「さっきと言ってることが」


「だから気が変わったと言っているだろうが。いいかこんなの滅多にないんだぜ」


少年は相変わらずほくそ笑んでいる

女子は表情が明るくなる


「いいの?」


「そう言ってるだろさっきから」


女子が笑いながら涙を流す


「おい。喜ぶのはまだはやいぜ。お前自分の死に方知りたくないのか」


「し、知りたい!」


女子は身を乗り出す

そして少年はそんな女子に死に方を教える


「首吊りだ」


「え?首吊り」


「しかもただの首吊りじゃないぜ。リアルに人間を見下せる首吊りだ」


少年はニヤッとほくそ笑んだ

少女は訳が分からないといった感じだった


「え?それってどうゆう」


「それは当日のお楽しみだ。だから今日はもう帰れ」


「今日じゃないの!?」


女子は思わず驚く

女子は今日死ねると思っていたらしい


「こっちにも準備ってのが必要なんだよ。明日の夜またここに来い」


「わかった」


女子は納得がいかないようだったが素直に帰って行った


「ふぅ。今回は面倒な客だったな。けど」


「まぁまぁ。ほらお茶でも飲んで」


少年は疲れ切ったように椅子にもたれ女性が持ってきたお茶を飲む

そして落ち着くと


「ま、今回みたいな依頼者も悪くはないな」


「そうだね」


少年は相変わらずほくそ笑みながら言う

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