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三位一体!レイザァアアアア、ビィィイイイイイイイム!

 ガデティウスに跨って疾走していた時雨の身体に向かい、白虎を載せたバンプレートの右腕が伸びる。次に両脚を巨人の指の間に挟まれた白虎が腕を伸ばし、時雨の腰を抱え上げ、体勢を戻した黒の巨人の右掌に時雨と白虎が収まる。自動操縦で並走するガデティウスが、時雨に問う。



「チナミニ、ドウイウ作戦ヲ?」



 それに対し、



「俺はそもそも、俺に話しかけてきたヤツの落下地点に行こうとしてた!だけど、ここにコイツらが来たことによって、状況は変化した。俺の懸念であった、〔俺に話しかけてきたヤツが落下の衝撃で死ぬ〕という可能性を潰せる手段があるんだ!」

「ナルホド、ツマリ?」

「つま、り・・・!」



 時雨の声が、恐怖に詰まる。それはバンプレートが、つい先ほど雷音がトレースした動きに入り、時雨と時雨を抱える白虎が載った右手を後方に構えたからだ。

 バンプレートが、走行しながらとったその構えを、ガデティウスは知識で知っている。

 だから、



「ソレハ、野球ノ投手ノ投球モーションデスネ?アア、作戦概要ガ呑ミコメマシタ。ツマリ〔落下地点ニ対象ガ落チル前ニ捕マエヨウ〕、トイウ試ミデスネ?」

「そ、そう、だああああああああ!」



 時雨はその構えから導かれる結果に恐怖し、



「おお!行けデルタ!三位一体!」



 掌上で時雨を抱えた白虎は、嬉々としてそう促し、



「死ねぇぇええええええええええええ!レイザァアアアア、ビィィイイイイイイイム!」



 雷音が、ついに往年の日本人メジャーリーガーの、外野からの超精密にして超高速バックホームプレイを、バンプレートに再現させる。さらには慣性エネルギーを最大にするため、バンプレートの左脚が地面にバンカーを撃ちこみ、振りかぶった右腕が最高速に達する瞬間に同期する。

 つまり、



「う、ごああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」

「イヤッホウィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!」

「カアアアアアァハァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」



 引きつった時雨と奇声を上げる白虎が、上空の声の主に向けて、矯声を上げる巨人に全力で投擲された。

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