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サイクロンジャスティスとライン・デルタ

 最初の変化は、白虎だった。

 黒い巨人の右掌の上でポーズを決めた彼に、白く輝く粒子、〔界子〕が渦を巻いて収束したのだ。次いで、彼の細身ながら筋肉質な四肢をゴム質で緑の被膜が覆い、その上から白く固い、甲殻質の装甲が覆っていく。

最後に白い逆立った髪が涙滴形状をしたツルリとした装甲で全面をカバーされ、指や肘といった関節部分で、露出したゴム質のボディスーツ部分がエメラルドに発光する。

そして、



「サイクロオオオオオォン、ジャスティイイィイス!」



 ロングマフラーを靡かせて夜空に咆哮する白虎の頭部、白い涙滴型ヘルメットで、台形をしたエメラルド色の瞳が眩く輝き、全身の白い甲殻装甲が内部に取り込んだ空気を圧力で放出。変心によって発生した過剰な熱量を蒸気として発散する。

 さらに、



「来た来た来た来た来たああああああああああああああああ!」



 白虎の背後、彼を手に乗せた黒い巨人のオーディオ装置から、爆音でデスメタル特有のシャウトが轟いた。それと同時に、先程の落ち着いた様子とは打って変わったハイテンションな雷音の叫び。

 そして、



「カアアァハアアアアアアアアアア!死にたいか!?今日は空中墜落死だぜ野郎共おおおお!」



 明らかに頭の螺子が吹き飛んだ雷音のシャウトが、スラムの裏通りに轟き渡り、最新鋭機である黒い巨人・バンプレートが両脚の車輪で走行しながらトロフィーのように天高く白虎を掲げる。

 その光景に、



「何時見テモ、白虎ト雷音ノ〔変心〕ト〔音楽ニヨル人格変化〕ハ派手デスネ」

「ああああ!どうしてこうなった!?いや、そもそも俺の能力の発動を感知する装置を、心配症過ぎる雷音がガティに取り付け、装置起動と同時に皆に連絡が行くようにしたのが悪かったんだ!そのせいで馬鹿共が、すぐ電話とか〔変心〕で俺をああああああああ!?」



 ガデティウスは冷静に、時雨は過去の安易な選択を後悔して頭を抱える。

 しかし、



「カアアアアァハアアアア!行くぜドラア!?このデルタ様が、殺してやるよ白虎時雨ええ!」

「おお!頼むぜ雷音(ライン)!いや、デルタ!」

「くっそもういいい!やるなら殺れぇえぇいい!ガティ!自動操縦(オートラン)モード」



 時雨はついに観念し、ヤケクソ気味にそう命じる。

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