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μon  作者: 西空 暁
6/7

06μm

ようやく会話文が出てきました。

テスト勉強?こ…これは国語の勉強です!


言語の問題については日本人の必殺技を使うことにした。

人にあってから考える。そう、問題の先送りだ。


仕方がないじゃないか。この世界の言語が何かとか、異世界ファンタジーお約束の言語翻訳があるかもわからないし、先送りにするしかない。

いざとなったらジェスチャーでも何でもして、話しながら学ぶことにしよう。幸い|《細菌群情報計算機》(スパコン)のおかげで習得にさほど時間はかからないはず。

とはいえ、今の自分の見た目だと新種のモンスターか何かと間違えられてしまうかもしれないな。


ん?今の自分の見た目?

あ゛ー、なんというか小人とかコロポックルとかそんな感じかなぁ(遠い目)。


全体的にデフォルメされて、一頭身よりもちょっとだけ大きいやや色白な体に、顔は中の上から上の下くらいで中世的、黒髪黒目で頭からはいくらなおしても治らないくせ毛、所謂アホ毛というやつが三本も出ている。


別に好きでこの格好になったわけではなく、《連結》を使った際に最も自分に適した容姿にしたらこうなったのだ。

実際に少しでも違う容姿にしてみたところ、うまくバランスが取れなかったり体が思うように動かなかったりと大変だったので変えるわけにはいかないのだ。色などについては多少いじれたので、元日本人として黒髪黒目にした。

しかし、多少いじれたところであまり変わらず、どこかのマスコットキャラみたいな容姿をしているので少し恥ずかしい。できれば早く慣れてしまいたい。



とにかく、今の容姿は色々な危険がある。今の格好のまま人と接触するには、きちんと見極めをしなくてはならない。

狂った(マッド)研究者(サイエンティスト)に捕まって実験室送りとか、変態という名の(ロリコン)紳士(やろう)に捕まって慰めものにされたりなんてのはごめんだ。

実際には《連結》を解除してマイクロ単位になって逃げればいいのだが、嫌なものは嫌だ。慎重にいこう。



まぁ、そんなことを言っていても人がいるところに行かなくては始まらないので人里目指して移動しよう。



……………ちなみに裸ではないぞ。

無地の白色Tシャツにこれまた無地でやや灰色のハーフパンツを、《遺伝子工学》でいじったクローンを服として着ている状態だ。


それは裸同然じゃないかって?それはあなたの心が汚れているからそう思えるのです。




____________________________________



おかしい。

何がおかしいって、だいぶ歩いたがこれまで人どころか他の生物とのエンカウントが一回もない。自分は人里を目指していたはずなのだが。

確かに、今までいた場所も確かに生き物が少なかったが(具体的には蟻やミミズ、その他もろもろに似た蟲しかいなかった)今は蟲一匹の気配すらしない。

もしかして逆だったか?………しかしどうしようもないな。


とりあえずこのまま進んでみよう。

こんな辺鄙な場所でもきっと何かはある…といいなぁ、






………って思ってたらなんかあった。なんというかラスボスとかすっ飛ばして裏ボスとか居そうな洞窟が。



こう、雰囲気がラスボスのダンジョンみたいに如何にも!な感じではなく、最初の村の端っこの方とかにあるんだけどクリア後しかいけませんよ的な感じの洞窟。

なんというかハ〇ダの洞窟やシロ〇ネ山的なあれ。……え?知らない人いるの?………嘘だろ、ポ〇モンって電子辞書にも載ってるのに……。



…と、とにかく他に行くあてもないしこの洞窟に入ってみよう。

たとえボスがいようと自分はそう簡単には滅びない。そう、「滅びない」のだ。



オリジナルにあたる《始祖細胞》は別のところにいるし、たとえ始祖がやられたとしてもほとんど関係ない。

スキルの研究の時に分かったことだが、自分の本体はあくまでこの「意思」なのだ。

たとえここにいるクローンが全て燃やされたりしても、他のクローンと|《細菌情報網》(バクテリア・ネットワーク)で繋がっていれば、自分という「意思」は殺せない。

もし自分を殺そうとするならば、全ての脳細胞(マイクロ・ブレイン)を死滅させないといけない。現在進行形で増え続けている自分のクローン達全てをだ。


そうだな、今の自分に弱点があるとすれば精神を直接害するような攻撃だろう。

しかし、こればっかりはどうしようもないのでそんな敵が出ないことを願っておこう。…………あれ?これって死亡フラグ?


………大丈夫!何の根拠もないけど大丈夫!


とにもかくにもレッツゴー洞窟!

鬼が出るか、蛇が出るか!居そうなのは魔王だけどね!




____________________________________


出てきたのは骨だった。



成人男性ほどの大きさで、魔法使いをイメージさせるような黒いローブに、これまたそれっぽい身の丈ほどもある杖。

前いた世界では、架空の物語においてアンデット系の頂点に君臨し、魔法系最強クラスで精神攻撃(・・・・)即死攻撃(・・・・)のエキスパート。

洞窟奥にはリッチと呼ばれるモンスターがいた。………スクワットをしながら。


「……ってなんで骨しかないのに筋トレしてんだよ!」


…ついそのあまりの姿に声を出してしまった。


ダメだろ自分!こいつ明らかに天敵だろうが!

でも無理だ、ツッコまずにはいられないッ!

なんというか骨しかない体で筋トレしている姿は、とてつもなくシュールで「ツッコみ待ち」のオーラが出ていた。


と、そこで骨もこちらに気が付いたようで


『おぉ珍しい、お客さんかのう? こんな遠いところまでよく来たのぉ。何にもないところじゃが、ゆっくりしていくとよいぞ』






……………色々とおかしい気がするが、会話はできるようだ。



これからは普通に会話文も出ます。

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