05μm
内容に悩んで予定より遅くなってしまいました。
テスト習慣に入ったのでまたさらに遅くなってしまうかもしれませんが、できる限り頑張ります。
結論から言えば自分の推測は正しかった。
元の世界でありえないDNAの三つ目の構造。
それはこの世界特有のステータスやスキルに関するものだったのだ。
その内容は、自分のまったく知らない言語で複雑に記されており解析はできていないが、生物としての必要な情報は全て三つ目以外の二つの構造に記されている。
それなのに、今まで調べてきた生物には全て三つ目の構造があり、何かしらの情報が記されていた。
このことから、生物として必要なこと以外に記されていないものは何かと考えて、消去法で三つ目の構造に記されている内容はステータスやスキルだと分かった。
また調査をしている間に、どの生物も三つ目の構造──長いのでスキルDNAとしよう──の初めには同じ内容が記されており、これはステータスではないだろうかと思い詳しく調べてみた。
そして、その内容は予想どうりステータスについてのことで、ステータスは全ての生物にありスキルDNAの内容をまとめたもので、それを脳内で視覚化しているものということが分かった。
それに伴い、ステータスのことについて調査がだいぶ進んだので、|《細菌群情報計算機》(スパコン)で頭の中に「スキル言語大全」を作り、記念すべき初登録として「ステータス」を登録した。
これによって、スキルDNAを解析するときにステータスというところだけ読めるようになった。一歩前進である。
なお、確かDNAの内容は三種類の文字で表せるらしいが、これは無理だ。明らかに内容が多い。
きっと全て読めるようになるには途方もない時間と苦労が必要になると思われる。……しかし、いつか必ずやってやると決めた。
スキルの研究は暇つぶしで始めたことだが、自分はこの世界の真理を知りたいと思っているのだ。
もしかしたら前世の影響かもしれない。転生前は研究者だったりして。
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ちなみに、ただ今世界の真理を知るとか厨二病なことを言って絶賛悶絶中な自分だが、実はもうすでにスキルについて新たなことが分かっている。
その内容は、スキルの熟練度についてだ。
RPGなどではスキルの熟練度があり、それが上がれば比例してスキルも強力なものになるというものがあるが、実はこの世界でもスキルの熟練度のようなものがあるなのだ。
例えば自分のスキル《悪食》だが、自分やクローン達がたくさん食べるおかげで熟練度が上がっており、有機物以外にも石や金属などの無機物をエネルギーに変換できるようになっている。
そこで、なぜこのようなことが起きるのか調査したところ、熟練度が上がりスキルが強くなった際にスキルDNAに変化はなかったことが分かった。つまり、スキル自体が強くなったりしたわけではないのだ。
しかし、使えるスキルが強力なものになっていることも事実なので、こう考えてみた、
「熟練度が上がったことによりスキルの制限が少し解かれ、そのスキル本来の力に近づいた。」
この方針で調査を進めたところ、熟練度だけでなくスキルの発動プロセスまで解明できた。
スキルを発動するプロセスは、使いたいスキルのDNAの内容を脳が読み取り、その内容にのっとり体が実行するというものだった。
しかし先ほども述べたようにスキルDNAの内容は複雑で、内容を読み取る際に情報が多すぎて脳が勝手に簡略化してしまい、スキル本来の力を出せないまま使用してしまうのだ。
そうして、簡略化されたスキルを何回も使い脳がその内容に慣れる、つまり熟練度が上がることにより簡略化されたスキルを少し複雑にし、本来のスキルDNAの内容どうりのよりレベルの高いスキルに近づけることができる。
これが新たに分かった、スキルの発動プロセスと熟練度の内容だ。
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スキルの発動プロセスと熟練度について解明できたためにできることが増えた。
そう今まで《連結》の熟練度が足りず千体までしかくっつけなかったが、スキルを発動する際に|《細菌群情報計算機》(スパコン)によって脳の許容量の底上げをすることで、スキルの熟練度不足を補えることが分かり、より大きくなることができるようになったのだ。
そこで、さっそく別働隊として食っては増えを繰り返し、クローンの数を増やすようにしておいた24体のクローンと視覚のリンクをしてみよう。
……バイオハザードが起きていた。
え?なにこれ怖い。
視覚をリンクした先に広がっていた光景は、見渡す限りの菌菌菌菌……って増えすぎだろ!!下手なホラーより怖いわ!!
実際は|《細菌情報網》(バクテリア・ネットワーク)で全てのクローンと繋いだところ、これでようやく10㎝程度になれるかどうかという量しかいないことが分かったので、まだまだ食っては増えを繰り返し増える必要がある。
なのでこれからも別働隊を作り増える必要があるが、今度からは急に視覚のリンクをしないようにしように決めた。あれはマジで怖い。
と…とにかく、これでクローンの数も割かし増えたので《連結》を使い大きくなり、人またはそれに準ずる知的生命体と接触してサンプルを提供してもらおう。そしてあわよくば研究の手伝いをしてもらいたい。
そう、人と会うんだ。人と会えるんだ。
何が言いたいのかというと、自分はようやくボッチじゃなくなるのだ。
ずっと一人だったのに誰かと会える。
つまり会話ができる!寂しい子じゃなくなる!!
こんな嬉しいことが分かったんだ!もう叫ばずにはいられない!!よし、スーハースーハー……
…いぃぃいやっっっほおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ…おぉ……ぉ………ぉ………………
……………あれ?日本語って通じるの?
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