表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
μon  作者: 西空 暁
4/7

04μm

テスト週間が近づいているので更新が遅れるかもしれません。

ですができる限りは頑張らせていただきます。


さて、いざスキルについて調べようとしても、如何せんサンプルの数が少なすぎるのでどうしようもない。

なのでサンプルとなりえるスキルの使える他の生物について調査しよう思う。

しかし、自分の周りにいる他の生物は知性の欠片も感じさせず、スキルを使っている様子もない。


なので、サンプル収集のためにも自分の認識できる世界の範囲を広げる必要がある。

そのためには分裂を繰り返し、クローンをたくさん増やした後に、|《細菌情報網》(バクテリア・ネットワーク)で繋いで視覚などのリンクをしなくてはならない。



と、いうわけで食っては増え食って増えを繰り返してみた。



その際に、今の自分には痛覚がないため痛くはないのだが、自分の体全体が二つに割れ、元の大きさに戻るときの感覚なかなか慣れなかった。

だがしかし、何度も繰り返しているうちにあの妙な感覚にも慣れてしまったため、自分はバクテリアになったのだと改めて認識した。

そう、自分はもう人ではないのだ。



なにせ今では自分がバクテリアだということは、常にベットに入って3秒で寝れるくらいに普通になってしまったのだから。




…え?普通じゃない?

その様子ならまだ大丈夫?



……ならいっか。

今はまだ気にしないでおかせてもらおう。




______________________________________



それはそうと、食っては増え食っては増えしてたらすごいことがおきた。



なにがあったのかというと、クローンの数がとてつもなく増えたのだ。

分裂するのは何も自分だけではない、クローンたちもするのだ。

そのため、2が4、4が8、8が16、といった風に時を置くごとに増えるペースが早くなり、今ではなんと1024体にもなっている。

とてつもない大所帯。どこを見ても自分がいるので、すさまじいの一言だ。



また、クローンの数が千を超えたあたりで新たなスキルを手に入れた。


その名も《連結》


このスキルの効果は名前のままで、単細胞生物な自分たちが連結することにより、多細胞生物のようになるものだ。

転生前の世界にもボルボックスなどのように単細胞生物が多細胞生物のように集合して生きているものもいる。

しかし、この《連結》は違う。

このスキルは細胞同士がくっつくだけでなく、さまざまな器官同士もつなげる。

例えば口にあたる部分の細胞がエネルギーを摂取したら、それが全体に行き渡るようにできる。

まさに多細胞生物のごとく「細胞の集合=一つの個体」といった図式ができるのだ。


しかし、この《連結》だが自分を含めて千までは問題なく連結できるのに、それ以上連結しようとしてもできないのだ。

きっと《連結》でくっつくことができる上限は千なのだろう。

だが、それだと最大までくっついても小さすぎるのでもっと連結できるようになりたい。というかする、絶対。


やっと大きくなれると思ったのに、いざなってみたらいまだに虫より小さいとかどんな拷問だ。

人と会話する以前に認識すらしてもらえない。

今のままだと誰とも会話できずに孤独死してしまう。

今はスキルについての調査等やることがあるからいいが、いつか絶対にひと肌が恋しくなる。

そう、小さいというのは死活問題なのだ。


なので《連結》で千以上くっつけるようになった時のためにも、連結できなかった24体にはそのまま食べては増えを繰り返すようにし、クローンの数を増やそうと思う。

きっと、スキルに関しての調査をしている間にたくさん増えているだろう。




______________________________________



分裂や《連結》によって着実に脱ミニマムの準備は整ってきている。

自分の悲願達成が近づいている。目指せスカ〇ツリーだ。



ん?たとえ大きくなれたとしても、バクテリアだとしゃべれないんじゃないかだって?


……フッフッフ、それに関してはのーぷろぐれむ!日本語にすると問題なし!

なんと、《連結》を使ってクローンとくっついたときに新たなスキルを手に入れたのだ!!



その名も《遺伝子工学》



…ってなんで学問の名前やねん!!

というツッコミを見た瞬間したのは間違いではないと思う。


しかし、この《遺伝子工学》の本質は学ぶことではない。

遺伝子の本体であるDNAを「解析」し、その内容を「操作」する。

それがこの《遺伝子工学》の本質だ。


例えば《連結》で一つになったクローン達。

しかし、ただくっついただけなので生物としての効率が悪すぎる。

体全体が少ししか食べられない口で、少ししか見れない目、他のことも全てできるが少しずつ。

口にあたる部分に目があっても邪魔なのだ。


そこで《遺伝子工学》を使い、口にあたる部分のDNAを「解析」し、視力などの不要なところをエネルギー摂取するためのものに「操作」し組み換える。

このように、それぞれのパーツにあたる部分をその内容に特化させ、適材適所な役割分担をし、生物としての効率を良くすることができる。

つまり、生物が何年、何十年とかけてする進化の結果に、たった数秒でたどり着いてしまうのだ。

なんというチート。ダーウィン先生に謝りたくなる。


とにかく、この《連結》と《遺伝子工学》によって自分のできることの選択肢を増やすことができた。

きっとスキルについての調査もはかどるだろう。




それと、《遺伝子工学》で自分のDNAを解析したところ、不可解な構造をしていることが分かった。


なんとDNAが二重ではなく三重構造をしているのだ。これはおかしい。


何がおかしいかというと、普通DNAというものは二重らせん構造をしているのだ。

一部細菌やウイルスには一組の二重鎖のものや、一本鎖DNAのものなどもいるが、しかし、三重のものはいない。

自分は遺伝子学をやっていたわけではないので間違っているかもしれない。

それに、もしかしたら自分は新種のバクテリアだから三重なのかもしれない。

だがしかし、もし……



もしこれが、この世界特有のものだったら?





そう、元の世界ではありえなかったもの……………












……これはもしかするともしかするかもしれない。



よければ感想・評価等お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ