始まり
どうも〜テロットです。
若輩者ながら小説を投稿させていただきました!!
ファンタジー小説が大好物でして、なかなか好きな小説が見つからなかったものですから、それなら作っちゃえというわけでほぼ思い付きで書いてます。
拙い文章ですが、私の自己満小説で楽しんでくれる人がいるなら、それほど嬉しいことはありません!!
まだ本編には入りませんが、続きをどうぞ!!
「あなた、誰?」
この言葉が俺の新しい世界での、新しい物語の始まりとなった。
――――――
その日俺はじいちゃんと修業をしていた。
じいちゃんは今時珍しく武道などの剣道ではなく、実践向きの実践剣術を教えている。まぁ、生徒なんか俺ぐらいなものだが。しかし、この剣術意外とすごい。1対1はもちろん、1対多を想定した戦い方。獣なんかを相手にしたとき、得物がないときなど、どんな状況でも戦えるようになる。あくまでも実践向き。舞や武芸には程遠い、人を殺し、生き残り、そして、人を守るための流派だ。
そんな流派の名は「飛流」と書いて、「ひりゅう」。俺の知ってる数々の流派の中でも最強だと思っている。
俺はこれを4歳の頃から習っていて、もう今年で13年目だ。小学生の頃は友達と遊べなくて修業が嫌で嫌で仕方なかったが、中二の頃不良に絡まれてた女の子を助け、お礼を言われた時には、力をつけるのも悪くねぇかもな、なんて思うようになった。
「飛流」は心を育てる面を持つ。いくら力があっても、「守りたい」という意思の前ではとてもちっちゃなものに見えるらしい。俺にはまだよくわかんないけど、そういうもんなんだと思う。ヒーローものの特撮やアニメは好きだったから、なんとなくだが納得は出来た。
だから「飛流」は心身共に鍛えることが出来る。「お前すげぇよなー。顔はめちゃくちゃかっこいいし、勉強、運動両方トップ。強いし、人格も出来てる。こ、この完璧超人がー!!」最初は普通に話しかけてきたのに、何故か途中で泣きはじめて走っていってしまった友人A。お前は何がしたかったんだ、と心の中でぼやきながら、やっぱり言われた事が嬉しかったからちょっと笑ってしまった。その瞬間足を止めて、何やら熱のこもった視線を飛ばしてくる女生徒が多数。どうしたんだ?俺の笑顔気持ち悪かったかな?と考えたのが一週間ぐらい前の話。未だに視線の意味がわからん。
「おい秋人!集中しろ!」
「は、はい!!」
いかんいかん。怒られてしまった。あ、そういえば自己紹介がまだだったな。俺の名前は神宮秋人。ピッチピチの17歳だぜ。
「「飛流一式」」
飛流には零式から三式まである。零は徒手。一式は対個人で二式は対集団。三式は対獣や人外と、使い分ける。まぁ実際にはそんな大差ない。だって全部強いんだもん。少し動きやすい、戦いやすいってぐらいだ。
今じいちゃんとお互いにやっている一式の構えは所謂居合の構えだ。真剣での戦いは一撃で決まる。相手より速く、より強くぶち込むには居合が一番いい。だからじいちゃんとの修業も一撃で終わるからすごい早く決まる。今までじいちゃんには勝ったためしがない。悔しいけど、じいちゃんは化け物だからしょうがないんだよ!結構三式でやったほうがいいかもしれないな。
「飛流一式 飛竜爪!!」
俺が使った技は下段からの斬り上げの時に同時に飛び上がるものだ。居合の勢いと飛び上がる勢いで力が何倍にもはね上がる。弱点は飛び上がった時に隙だらけになるところだが、俺の場合はならない!何故かといえば、俺は技との相性がいいのか衝撃波も出るからだ!………どこのマンガだよと思ったやつ。今から正座で読みなさい!
さて、じいちゃんは俺の飛竜爪に対し、
「飛流一式 狼牙!!」
狼牙とは目にも止まらぬ速さで三連続の居合を行う技だ。俺にはそんなのどうやりゃいいかわからん。だって刀を鞘に入れようとする時に目に止まっちゃうよ?じいちゃんのはほぼ同時だもの。やっぱり相性か……。
一撃目で衝撃波を消し飛ばし、二撃目で俺の木刀をはじく、そして三撃目に俺の脇腹に直げ
「げふっ!」
きです。無残にも吹き飛ばされる俺。真剣なら真っ二つだね☆
「秋人、大丈夫か?」
じいちゃんが手を差し延べてくれたので、手を握って痛みに顔を歪めながら立ち上がる。
「いっつつ……。もう!手加減してよ!!狼牙なんか防ぎようがねぇって……」
「情けないのぉ。秋人も狼牙を身につければよかろう?」
じいちゃんは、さも習得出来るのが当然かのように提案してくる。マジで不思議そうな顔すんのはやめろや…。
「無理だって。技にも相性があんの!前めちゃくちゃ頑張ったけど、鞘に入れる時にずれて手にグサグサ刺さるから、青あざだらけになったんだぜ?」
あれはひどかった…。俺もじいちゃんみたく強くなりたいなーって思った時、一番始めに思い付いたのが狼牙の習得だった。二ヶ月ぐらい頑張ったけど、手がミッ○ーみたく大きくなって泣きたくなったのを覚えている。
「ほっほっほっ。秋人もまだまだだのぅ。まぁ、頑張ることはいいことじゃ。また挑戦してみなさい」
「うぃ〜」
じいちゃんは普段は温厚な人柄だが、修業中は鬼のように恐い。まぁその分教えるのは上手いからいいんだけど。
「今日はこれで終わりじゃな。これから行くところがあるんじゃろ?」
「うん。この間整備に出した天斬り(あまぎり)が出来たって言ってたから、取りに行ってくる」
天斬りとは神宮家の家宝ともいえる刀だ。先祖様がこの刀を使って飛流を編み出したらしく、刀の中じゃ飛流に一番相性がいい。まぁ、だとしても狼牙なんか出来ねぇよ?ひたすら鞘から出し入れするしかないって。習得出来ればかなり強くなると思うんだけどな〜。
「そうか。……秋人」
「ん?」
「心を強く持て。諦めるな。自分の信じた道をいけ。そして、大切なものを…守れ」
じいちゃんがものすごく真剣な顔で言ってきた。何回も言われてることだけど、なんか今日のは「言うのはこれで最後だ」と、そんな感じに聞こえた。
「………どうしたの?急に」
「なーに。じじいのただの戯れ事じゃ。早く行ってしまいなさい」
じいちゃんはいつも通りに見える。俺の思い過ごしか?
「んじゃあ、ちゃっちゃと行って、早く帰ってくるよ」
「帰ってくるかは秋人が決めなさい。じいちゃんは秋人が帰ってこなくても大丈夫じゃから」
「は?」
「いってらっしゃい」
「……いってきます」
(嫌な勘が当たらなければいいのじゃが……)
俺は駆け足で道場から出ていく。ジャージから着替えなきゃいけないからな。さすがにジャージ姿で街中を歩くのは気が引けるし。じいちゃんもなんか変だから早く帰ってきてやんないと。
俺は知らなかった
これから
俺が世界から消えることを
守るべき人達が出来ることを
新しい物語が始まることを