帰省〜ただいまとおかえりとその後〜
続きです
ただし、ifになるかもしれないし、ひょっとしたらこんな未来があったかもしれない話です。本筋は前作が最初で最後の話になります
実家……1年とはえ帰ってくるのも慣れてきた。最初は寂しかったけど、何度も見ても変わらない姿を見て安心する
鍵を手に玄関の扉を開けた。今日は早く出たから早く着けた。色々と言われたけど……どうしてもと頼んでこの年は早く来る事が出来た
パタパタ
と、駆け足で来るお母さんの姿を見た。少し老けた感じはするけど全然変わらない姿に安堵した
でも、どうしても早く来たかったのが……
「ただいま。お父さんは……?」
「おかえり。部屋よ……」
それを聞いて少しだけの荷物を玄関に置いて歩いて向かう。お父さんの部屋は昔も今も変わらずの場所だから覚えてる
ゆっくりと扉を開くとベットの上に少しだけ起き上がったお父さんを見た。お父さんは弱々しくも新聞を少しずつ見ている感じで、昔程元気じゃなさそう……
私はお父さんの元に行くとお父さんは珍しく新聞を置いて
「来たか……迎えじゃなくて、お見舞いか?」
「うん……心配したし、してる。聞いてどうしてもと頼んで」
「そうか……じゃ、聞いてるだろ……?」
「……うん。何で治療しないの?。あの時からなら……まだ……」
「お前が居たからだ……先に行ってしまうお前が毎年……大切な時期からずっと来てくれるからだ……
お前が行ってしまった時から決めていた……
だから、後悔は無い」
私を見てそう言う。普段は見ないのに……この時だけは。その時にお父さんは少しだけ涙を流していた
「お前は変わらないな……ありがとう。少し寝る」
それを聞いて私は頷いて部屋から出る。その時にお母さんが来て
「ご飯にする?」
「うん。今年も同じくらいに……」
「そう。大変ね」
そのままご飯を食べて少しだけ話をして、私は受け取っていた手紙をお父さんに渡した
「……そうか」
それだけ言うと私は少しだけ俯いて
「ごめんなさい……」
「お前が謝る必要は無い。お前はお前だから……
向こうでも大丈夫か?」
「厳しいけど……大丈夫!。お父さん……早く元気になってね」
それだけ伝えると私は部屋から出て、あの日からあの時から涙を流さなかったのに……今になって涙が溢れてきた
したくなかった……したくなかったけど……仕方が無かった。私が出来るのは……
でも……ちゃんとしたから……後はお父さんを見守るだけ……これだけは例え……
「もう行くの?」
「うん。無理を言ってしまったから……早く帰らないと行けなくなったから……来年また来るね……」
「えぇ。気をつけて」
「うん……」
私は玄関を閉めた。涙はまだ出る。迎えの人も来ていて、事情を知ってるのか何も言わないでいてくれた
私は本当に駄目駄目だった……
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病院の病室に来ていた。お父さんは私を見ると少し嬉しいような悲しい様な……それでも受け入れるかのように目を閉じていた
私は目を瞑ると電子音とアラーム音だけが流れていた。私は……
小さな小さな物を持って病室から出た。外は真っ暗で私からすれ違うように看護師達が慌てて走って病室に
私は立ち止まって壁にもたれ掛かりゆっくりと崩れ落ちながら泣いた。酷く……誰にも気付かれない位に泣いた
お父さんは大丈夫だと分かっていても……どうしてもどうしても我慢出来なかった。だから、私はそのままゆっくりと泣きながらも目を瞑ってしまった……
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お母さんがお墓の前に居て手を合わせていた。私は手を差し伸ばそうとしたら肩をゆっくりと添えられ引き止められる
「お前が見ていた景色か?」
「……うん。でも寂しくない……お父さんが居てくれるから……ごめんなさい……」
「構わないさ。それに……お前は律儀に守る。誇らしい」
「……でも、やっぱり悔しいかな……」
「……これからは二人で見守ろう」
私は頷いた。そしてゆっくりと歩いてお母さんの後ろに。お母さんは何かを察したのか……
「おかえり。今日も来ましたよ」
私とお父さんはお母さんを見てゆっくりと抱き締めていた
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住職が箒を履きながら眺めていた
「……今年も来ましたね。歳を取るのも嫌ですね……」
そう言う住職は箒を履いて
「見送る側も見送られる側も辛いもの……でも、本人達にしか分からない話が有りますから……」
そのまま箒を履くのを止めて少しして中へと戻っていく




