表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR

【ワシ、シリーズ】

銀歯の下に地獄が眠っとったんやけど…決着ついたんや!──歯医者嫌いが地獄を封印した日──

作者: 天音空
掲載日:2026/07/12

数カ月前、ワシの銀歯が欠けた。

治療が終わったその時や――

“地獄の門”が開いたんや……


そっからや。

毎日、地獄が傍若無人に暴れだし、火花が飛びちるたびに「うぅ……」ってのたうち回る。

まるで“地獄の門番”が、ワシの銀歯をド突いてくるみたいやった。

ほんま、日々が拷問やった……


ワシ、覚悟を決めて、もう一度あの歯医者の門をくぐった。

まるでラスボス戦に挑む前の勇者や。


剣のかわりに歯ブラシ。

盾のかわりに診察券。

ポーションのかわりに保険証。

そして勇気ちょっとだけを握りしめて――

装備は完璧。

けど、心はガクガク。


「今日こそ決着つけたる!」

そう心の中で叫びながら、診察台に腰を下ろした。


キュイーン――

あの音が響いた瞬間、魂が一瞬、逃げかけた。


けどワシ、踏ん張った。

指もパーやなくて、グーにして気合いを入れた。


再診したあの時や……


先生の心の声が聞こえた気がした。

――銀歯の下、ちょっと炎症起きてたみたいやね〜


「ほら見ろ! やっぱり地獄、眠っとったんや!」

ワシの歯ぐきが腫れとる。

それが“地獄の残り火”や!


火の用心はしとっても、一度火ついたら止められへん。

歯医者の門を再びくぐるまで――

地獄の硝煙燃え盛る、まさに修羅の道やったぞ!


神経の処置をしてもろて、薬もギュッと詰めて、新しい銀歯をピッタリはめてもろた瞬間――


……静寂。


しみへん。痛ない。

冷たいもんも熱いもんも、ぜんぶ平気。


歯がグルメやなくなった!

たこ焼きも、ミックスジュースも怖ない!

ワシの口の中に、春が来たんや!


帰り道、思わず笑ろてもうた。

歯医者のBGMがサスペンスやなくて、エンディングテーマに聞こえたんや。

――いや、正直言うと、水戸黄門に聞こえたんや。


「じ〜んせい らくありゃ く〜もあるさ〜♪」って、脳内で鳴っとった。


あの地獄、ようやく封印した。

ワシの歯、勝ったんや。


――でもな、人生はまだ続く。

次の銀歯が欠ける日まで、この平穏を噛みしめるんや。

歯との戦いは終わらん。

けど今日だけは、勝者の気分でええやろ?


ありがとう、歯医者。

ありがとう、ワシの勇気。

ありがとう、応援のみんな。


そして――さようなら、銀歯の地獄。

今日の勝利を、心の奥まで噛みしめて――

眠りにつくんや。


【了】

※ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

この短編は『銀歯の下に地獄が眠っとるんや!』の続編です。

よろしければ、前編も合わせてご覧いただけると、さらに楽しんでいただけると思います。 天音空

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ