どんぶらこ
俺はもう一度おじいさんに洗脳をかけおじいさんを山へ芝刈りに行かせることに成功した。
「ふぅ、こっちは片付いた。A。そっちの進捗状況は。」
「こちらA。いつでもOKだ。」
どうやら桃は見つかったらしい。たが、まだ難所はこれからだ。あのおばあさんを止めなければならない。
「!」
おばあさんが洗濯を始めた。なので使わせていただこう。
《動くな》
よし、洗脳にかかったな。
パリンッ
「!?」
おばあさんが洗濯を再開した。
(な、何が起こった…?洗脳が解かれた…?バカな…)
《動くな》
《動くな》
《動くな》
止まったか…?
パリンッ
(くそ、どうしたらいいんだ…仕方ない。)
《動くな》
《動くな》
《動くな》
《動くな》
《動くな》…………
俺はひたすら連呼した。桃が来るまで。
川上に桃が見えた。あと少しだ。
《動くな》
そしてとうとうおばあさんのところに行き着く。
「あら、何かしら。美味しそうね。」
まぁ、見た目が桃だから仕方ないけど…美味しそうはえぐいな…と思うCであった。
「えーっと…これでいいかしら。」
おばあさんの前には大きな桃。おばあさんの手には伐採用のチェンソー。
「さて、どんな味かしら。」
(ヤバい。サイコパスにしか見えない。何でチェンソーあるの?)
おばあさんのチェンソーが桃に触れようとした瞬間、家の戸が開いた。
「ただいま。」
「あら、あなた。帰ったの。」
「おや、その桃どうしたんだい?」
「川上から流れてきたの。」
「へぇ。そんなこともあるんだね。ん?チェンソーできるつもりかい?包丁の方がいいんじゃないかい。」
(おじいさんナイス!)
おじいさんの提案によりチェンソーで桃太郎が切り刻まれることは阻止できた。だが、
(流石に包丁も危ないだろう…て言うか、何で本当のストーリーでは桃太郎切らずに取り出せたんだろう…)
次回「桃から生まれた末良」