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繋ぎ人  作者: 音坂波
3/4

おじいさーん!

(やばい…どうしよう…)

うつ手が完全にない訳ではない。だが、その策は、前に鬼やおじいさんに使った、強引な手段。その人らしさが失われるため、あまり俺は好まない。

(うぅ…し、仕方ない。やるか。)

「悪く思うなよ」

《動くな!》

「!!」

一瞬こちらに気がついたようだが、洗脳の能力は発動した。これでこっちのもんだ。もうおばあさんが動くことはない。俺が解除するまで。

「さてと。連絡しとくか。」


もう、昼というには遅い時間帯になってきた。太陽も少しずつ赤み掛かっていく。そんな中、俺はおばあさんを拘束していた訳だが、今、Iあいから緊急命令が入った。何かあったらしい。

「こちらC。何があった?」

「Cか、ちょうどいい。佐刈山さがりやまに向かって欲しい。」

「え?ああ、おじいさんの行った山か。分かりました。でも、なんでですか?」

「いいか、落ち着いて聞けよ。」

ゴクリ。

俺はただならぬ空気を漂わせているIあいに威圧され、唾を飲んだ。

「いま、おじいさんがクマに遭遇した。」

「は?」

「いいか、もう一度言うぞ。おじいさんがクマに遭遇した。」

「いや、早く言えよ!」

俺は急いで走り出した。一瞬イレギュラーすぎて、脳が停止してしまった。熊?熊いるんだあの山…


はぁ、はぁ、

「こ、こちらC、ただいま現場に到着しました。」

「あぁ。その辺におじいさんはいないか?」

「えーっと…」

俺は辺りを見回したが、おじいさんらしき人は…

「!!」

クマにやられた後のおじいさんが地面に倒れていた。

「おじいさーん!」

俺は駆け足で近寄った。手首に触れる。脈はない。もちろん息もない。

「…」

「こちらC。おじいさん、死亡。」

「そうか。了解した。」

「確かお前は…Gだったよな。」

声が変わっていたため、Iあいではないとわかった。それ以外で手が空いていそうだったのがGだった。俺はこの声がGであると予想した。まぁ、当たっていたが。

「は、はい。」

「アレをお願いできるか?」

「え、僕でよろしいのですか?」

「近くにお前しかいないだろ?」

「確かに。」


おじいさんの死体と友に待つこと2分ぐらい。通信が入った。

「こちらG。準備整いました。」

「おう。ありがとう。」

俺は深く息を吸い、集中を入れ直す。そして、極限まで高めた集中力を使い発した。

「リセット、発動。」

「ゔっ、」

何かしらにものすごい力で引っ張られている。姿形は見えない何かに。


目が覚めると、おじいさんは川へ行き、おばあさんは芝刈りばかりに行こうとしていた。先ほどの光景…これがリセットの能力である。

次回「どんぶらこ」

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