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自作詩/怪盗文鳥めろん
油断も隙もあったものではない。ちょっと目を離している間にカップのカフェオレを飲まれてしまった。その前は紅茶。ウェッジウッドのティーカップで水浴び。白文鳥が、紅茶につかればシナモン文鳥に化けるかと思ったのだけれども、白いままだ。
アイスキャンディーを食べていると、棒に乗って一緒に食べだす。パソコンを打っていると、じゃれて、文字盤の先に回り込んで指をつつき邪魔をする。
文鳥は若い雄、轟音をたてて急旋回。野に離しても、私の腕にかえってくる。前の道を犬の散歩に通る人が、──よく慣れてますね。まるで鷹みたいだと声をかけてくる。
名前はめろん。
大泥棒。
プリンスメロンを食べていたら、皮から緑色の果汁がにじみだしてきて水溜まりになる。席を外している間、案の定、そこに舞い降りて水浴びだ。べたべたの緑文鳥! ――私は捕まえ浴槽に駆け込み、シャンプーとリンスで洗い流してやった。
怪盗めろん。
怪盗めろん。
白文鳥。
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ノート20100503/校正20150507
ダンディーやトリスタン以前に飼っていた文鳥を思い出しての詩です。