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映画/『卒業』

「先輩、ボタンください」

 ――とかいわれ(なかったけれど)、後輩の女の子からカーネションを頂き、胸にさしてもらった中学卒業。うーむ、知り合いに連れて行ってもらった、『卒業』という映画とオーバーラップさせましたね。 瞳を閉じれば、サイモン&ガーファンクル「サウンド・オブ・サイレンス」が流れ出してきます。

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 盛大な宴席の主役は、大学を卒業して帰郷したベンジャミン(ダスティン・ホフマン)。ベンジャミンは陸上部花形で、誰もが明るい未来が約束されているように思っていました。ところが、当のベンジャミンは何か満たされない様子で、笑顔で話しかけてくる人たちとは対象にどこか上の空の様子。

来賓のなかには父親の仕事仲間ロビンソン夫妻がおり、夫人から青年は誘惑されて関係をもつようになりながらも、憂鬱が晴れることはありません。

ベンジャミンに両親は、幼なじみでロビンソン夫人の娘である(エレンをデートでもしてきなさい)といい。はじめはエレンと両親の顔をたてるだけ、と思っていたのが本気に。

 約束をかわした二度目のデートにきたのはロビンソン夫人で、(娘に近づくかないで、ばらすわよ)といわれ、青年は、恋人の前に立って、母親である夫人と関係をもっていたことを告白。エレンは激しくベンジャミンを拒絶します。

ベンジャミンは、夏休みが終わって、大学に戻ったエレンを(ストーカーのように)、そこの街にアパートを借りてまで追い回し、ついに結婚の約束をしたかと思いきや、退学して、別な男性と結婚することに。

そして、エレンの結婚式当日。教会をつきとめたベンジャミン。バスがこない。陸上部のベンジャンミンは、走って教会にたどりつき、花嫁姿のエレンを奪って、通りかかった長距離バスに逃げ込み、地平線の彼方に消えていったのでした。

 いやあ、ラストは圧巻でしたね(アニメ『うる星やつら』にもパロディーがあったような)。

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「卒業」それは、好きだった〝あのこ〟に告白する最後のチャンス。そのときいえずに後で手紙をかいたら、自分が書いた手紙が、封書に入って郵便受けにもどってきました。

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  きみのせをしばしとどめん白水のさと、みだれまう花においのこさず

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故郷が白水というところですので。わがかなしき「あおはる」の残像を詠んでみました。

(ああ、桜がまた咲くのだなあ)。 

     了

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ノート20120620/校正20160508

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