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覚書/滅亡文明・序章

挿絵(By みてみん)

「御案内役 大英博物館学芸員シナモン」


挿絵(By みてみん)

はじめまして、当・考古学ツアーにようこそ。御案内役の私は、ザ・ライト・オノラブル・レディー・シナモン・セシル・オブ・レオノイズ。大英博物館の学芸員です。よろしければ、シナモンとお呼び下さい。



 人間は数万年の間、小集団で生活していた。ところが、今日のイラクあたりで、突然に、文明というものが発明される。物事の判断基準には三要素というのを物差しにするものだ。文明の三要素とは何か? 都市、金属、文字である。何ゆえに、都市、金属、文字なのか? 

 私はこう考える。

 高等生物は、集団内での格付けやら、道具の使用といった生活慣習を意味する文化というものをつくる。文化を成熟させ、人口を増やし、やがて都市をつくる。農業をするようになると、また爆発的に増殖する。それまでの狩猟採集生活では食べてはいけない。そこで農耕・牧畜といった産業が開始される。初めは石器でやっていた。しかし生産効率が悪い。石器をつくるときに火で炙ってから石器をつくるとガラス質化が進んで綺麗に割れる。そのなかには、金属もあった。

 金属はとけたガラス質の塊の中で、キラキラ光っている。集めて再加熱すると、石器よりも丈夫な素材ができる。金属器だ。金属器を自在に生産できるようになると、農耕具や武器に転用できる。多様に、大量に、金属を操った部族は、他の部族よりも優位に立ち支配することが可能だ。ますます人口は増える。すると、それまでの統治システムでは管理できなくなる。国民から効率よく、税金をまきあげるツールが必要になった。文字が発明される。

 都市、金属、文字。三要素がそろって文明が完成するのは7500年前のことだ。文明はどのように始まってどのように崩壊するのか? 私はその法則に興味をもつようになった。

 まずはシュメール文明から探ってみるとしよう。

     了

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ノート20120629/校正20160508

挿絵(By みてみん)



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