紀行/飛行船がキター!
私は自作小説の執筆をしておりますが、墓あらし、こほん……遺跡発掘業が本業。別に学者さんというほど偉くはない、(そう、キュートな監督さんのようなもの)です。ある夏の日、担当する遺跡の頭上を一隻の飛行船が横切っていったことがあります。かなりの低空飛行にみえ、最初に気づいたのが助手君。
「ひっ、飛行船ですよ、奄美さん!」
「なっ、なんだって、飛行船? カメラは?」
「電池切れです」
「ずんぐりとしたプロポーョンだなあ、ツッペリンNTじゃない。ということは新型か? あっ、そうだ、携帯電話のカメラで──」
助手君が、携帯で撮影しようとしましたが、追いつけません。
飛行船は、最高速度125キロ、巡航速度時速65~80キロ。大きさは推定全長100~150メートル、幅30~40メートルほど。当然の事ながら不燃性のヘリユウムガスを使用しているはず。
1930年頃のツッペリン伯爵号は全長約200メートル、幅40メートルあり、当時の巡洋艦ほどの大きさがありました。乗客20名について乗員100名があたるというセレブなサービスは驚くべきもの。いずれそのクラスの飛行船を復活させるという企画もきいたことがありました(ノート20090813)。
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追記
この飛行船を所有していた会社は、20年不況の最中に破産し、ツェッペリンNTのあるものは解体され、またあるものは売却されたとのこと(ノート20160507)。




