紀行/洋食屋・市
むかし、前橋のアーケード街に大正時代創業の〝市〟という豚カツを売りにした洋食屋があり、ランチには珈琲・サラダ・スープがついており、夜になると洒落たバーになりました。新幹線が通っため、急に建ち並んだ高崎駅前ビルの地下に支店がありました。バブル崩壊後、客足は郊外のショッピングモールに押されて遠のきだし、しばらく残っていましたが、やがて地下街は閉鎖になりました。
もう一度食べたくて前橋本店にゆきました。
結婚前、よくデートしたミニシアターがあった西友デパート・堀辺には洒落たバーやらブティックなんかが並んでいました。そのあたりもどんどん潰れてゴーストタウン化していました。
車でゆくと道は一方通行、かなり久しぶりであったため、入り口を間違え、派出所のおまわりさんに捕まって罰金。看板が小さくて気が付かず、間違って入ったのだけれども、えらくしぼられました。――ちょうどそのあたりで、泳がせていた、暴力団組長射殺事件容疑者を逮捕した当日で、ピリピリしていた様子。それからしばらく、この界隈に近寄るのはやめました。
このころ。
デジカメを持っていなかったので、私はスケッチブックを携帯し、家内を連れた先の店でスケッチをし長いするとブチ切れられていたものです。
了
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ノート2009/校正20160507




