画集/「始祖鳥」「芍薬と燕」 「怪盗メロン」「文鳥貴族」「文鳥王トリスタン」「月の兎」 ノート20130610
「始祖鳥」2005年
評判の悪いPC画です。以前勤めていた会社も千葉県にありまして、出張先が新潟県。上野で乗り換えるときに、科学博物館に立ち寄り、始祖鳥の模型をスケッチしてPC画にしたもの。始祖鳥は、いわずとも知れた恐竜から鳥へ進化する過程の段階ですね。
男子という生き物は、恐竜に夢中になるというのは宿命なのかもしれません。「フタバスズキリュウ」というのをご存じでしょうか。発見したのは当時、高校生だった鈴木直氏。私が中学校時代通っていた中学校の卒業生で、カリスマでした。(残念ながら面識はありませんけれど)化学実験室前の廊下には、この方が寄贈してくださった鮫やらアンモナイトの化石が展示されてありました。
E.H.コルバード著、長谷川義和 『恐竜はどう暮らしていたか』どうぶつ社1986年
アラン・チャーリッグ著、長谷川義和・真鍋真訳 『恐竜は生きている』どうぶつ社1987年
恐竜好きとなった奄美(20世紀)少年は、この2冊をバブル期に衝動買いしました。
「恐竜とそれに近いは虫類系統図」 前掲書 E.H.コルバード(1986年)より
図に示された三つの年代区分は、下から三畳紀、ジュラ紀、白亜紀となっており、一番下にいる三畳紀のコエロフィシスが、ジュラ紀の竜盤目となり、そこからティラノ・サウルスを筆頭としたけもの竜、始祖鳥、オルニトミムスを筆頭とした小けもの竜なんかがでてきます。
「ティラノサウルス」前掲書 E.H.コルバード(1986年)より
ぎゃあ~、肉食獣がキター! 男子がもっとも好きなのは、なんといっても白亜紀の覇王ティラノサウルス。いやあ、このイラストって残酷。目つき悪いです(←キュートに描いてどうする!)
最近の研究では、上の系統図でいう竜盤目あたりが「羽毛恐竜」といわれているらしく、ティラノサウルスも全身を羽毛で覆われていたとのこと。(もっとも、最終的には羽毛は抜け落ちるともいわれていますが……) やがて羽毛恐竜の一部が、前足人差し指を翼に進化させて空に舞い上がる──。
始祖鳥は、白亜紀に鳥類へと進化
『芍薬と燕』20130610
伝統的な東洋画・南画のカテゴリに、花鳥画というのがあります。花と鳥を組み合せたもの。え、これ、洋水彩だろって? まあ、固いことはいいっこなしですよ。
――立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花――
なあんて、言葉がよく落語にでてきます。美人の代名詞。自宅の庭に大輪の芍薬が咲いておりまして、早速描いています。日陰にあったから、遅咲き。そのくせもっとも大きく長持ちしています。本当の美女というか、すぐれた人というのもそういうものでしょうかね。大器晩成……みたいな。福島県では五月になってからやっと燕がくる様子。ようやくプロポーズが終わって巣作りしているところだと思います。多くみかけるようになりました。東日本大震災のあった2011年は、渡り鳥がろくにこなかった記憶があります。し~んとした夏。なにしろ余震が震度5とか6とかなものだから、寄りつきたくなんかないですよね。いまは以前同様に、けっこう戻ってきました。
飛んでいても、すわろ~(←黙れ!)
――Welcome Swallow.――
「怪盗メロン」2000年ごろ
世紀末あたりから現在に至り飼いだした文鳥たち。モチーフの白文鳥は最初のころ。彼は大の甘党で、油断していると、いつの間にかアイスキャンディーの棒に乗っていて、かじりだしたもの。さらにまた油断していると、紅茶や珈琲で湯浴みし、圧巻だったのは、アンデスメロンを食べた皮に残った果肉から、果汁がしみ出てくると、そこで水浴びをしだしたのです。全身・緑になってベタベタ(←おまえは、メジロか)、シャンプーで落としました。
「文鳥貴族」2004年
シルバー文鳥のシルフィー、名前の通り風の妖精のようでもあり、貴公子のようでもありました。ペットショップの大きな巣籠に白文鳥のトリスタンと同じ籠に入っていたで、一緒に購入しました。シルバー文鳥というのは、比較的新しい品種で、白黒が際だつ桜文鳥の色を淡く灰色にさせた感じです。画像は、文鳥と橘の樹木を扱った水彩画2枚をPC処理で合成したものです。
「文鳥王」2010年
シルバー文鳥のシルフィーと一緒に購入した、「王様」ことトリスタン。別れの時は、白いスーツの老紳士姿で現れ、緩斜面に咲いた赤い花を指して、「紅芝というのですよ」といって旅立ちました。その後も、ときどき夢枕に遊びにきていました。
――おまけ――
「月の兎」1995年
猛暑の八月が終わると九月。九月といえば中秋の名月。地味なテーマとしりつつ、自己満足な光が天井からおりてきますのでUPしてみました。
これ、昔、画塾で描いた作品です。通っていた画塾は女性ばっかりで、美大をめざす女子高生が大半を占めており、少しでも話しをすると、年輩である女流の師匠が恐ろしい形相でにらみつけました。きわめて居心地が悪かったのを覚えております。いくらなんでもジェネレーションギャップありすぎ。私にとっての女子高生って月世界の住人ですよ。手をだすわけないでしょ。むこうだって相手にしないあるよ(←なに人だ!)
しばらく経ったある日、二人乗りの所用車(軽トラック)での帰宅途中、PCやカメラ、測量器材といった仕事につかう精密機器を助手席に積んで仕事場から画塾へゆくと雨。画塾が終わったとき女子高生を、「家まで送ってくれませんか」と師匠に頼まれましたが、「濡れてはならない荷物があるから無理」と断ったところ、またも偉い形相で睨まれました。
師匠の心と秋の空。
ぴょん。
ノート20130610