随筆/卑弥呼宮殿? 纒向(まきむく)遺跡報道
昨日(2009年11月16日)、NHK 『クローズアップ現代』でやっていた、纒向遺跡は、奈良県桜井市巻向地区にあるとても有名な遺跡群。信仰の山である三輪山麓にあり、卑弥呼の墓ではないかといわれている箸墓古墳などの古墳群や運河跡を包括する考古学界ミステリアスゾーンです。
今回特集されたのは、本格的な宮殿跡。さらに、全国から集積されたおびただしい土器が注目を浴びました。つまり3世紀、九州から東海地方に及ぶ王権の支配地域全域から、大量の物資と人員がここに流れてきたということですね。『邪馬台国論争』二大説、『畿内説』と『九州説』のうち、 『畿内説』を裏付ける重要な証拠がまた1つ増えたというわけです。
『三国志』「魏志倭人伝」くらい私も読みましたよー。だって1ページしかないのですから、漢文だってそうきつくないですわ。番組では、ぜんぜん手柄のない文献屋のせんせーが、なぜか登場。
──「邪馬台国の王都」に間違いありません……とか。
あなたねえ、地元には、酷寒酷暑のなか泥まみれで何十年も地道にやってる研究者がいて、功に走らず極論を自重なされているのですよ(などと声を小さくして叫ぶ私)。
それにしても、解説の白石太一郎先生がお元気でした。この方、日本の考古学界の重鎮でしてね、昔、著書をテキストとして読みましたよ。『クローズアップ現代』ほか特集解説者に呼ばれた重鎮たちはほどなく天に召される。よぶな~っ、NHKめ!
(投稿者/小市民・奄美)
了
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ノート20091117/校正20160507